2010年11月18日木曜日

ソーシャルマネジメントのススメ

 何でもソーシャルつけばいいってもんじゃないとご批判はごもっともです。しかしながら、企業にも社会的責任がますます求められる中で、なぜかマネジメントだけはクローズで内輪だけで秘密裏におこなわれ全然ソーシャル化していない気がします。僭越ながら、(株)ソーシャルインパクト・リサーチで新しいマネジメント手法「ソーシャルマネジメント」を開発しましたので、今後、世の中に提案していきたいと考えています。

 お客のニーズがはっきりわかっている自信がありますか? もしそうであれば経営的には絶対失敗しない、少なくとも失敗しない自信が得られるはずです。ただ今の時代、社長さんが「うちの会社は顧客ニーズがわかっているから絶対失敗しないんだよ、ワッハハ」と言ったら、ほとんどの人がこの会社は傲慢だから絶対失敗すると確信すると思います。今の時代は逆説的にお客のニーズがわかっていないということを前提としたマネジメントシステムをつくれるかどうかが成功のポイントになっています。

 ソーシャルマネジメントは、これまでのマネジメントコンサルティングに対する大きなアンチテーゼであります。マネジメントは社内の専門の人間によってクローズでおこなわれるものから、外部の人間を含めてオープンにすることへ大きなパラダイムシフトであります。これまでは、MBA出身のいわゆる頭のいい人達に、お金をたくさんかけて、戦略立案をお任せするスタイルが横行しています。結果は、戦略立案と戦略実行にギャップが生まれ、思うように結果が出せないケースが多かったと思います。

 当社のソーシャルマネジメントは、お金はかけずに、自分で考える、戦略をオープンにして市場からのフィードバックをもらい、市場からの集合知を自社組織に取り入れるという考え方に基づいています。戦略をオープンにするメリットとデメリットを比較しますと、オープンにするメリットがますます高まっております。

 特に、経営資源に限りがある、個人事業主やベンチャー企業、NPO、ソーシャルベンチャーにこのソーシャルマネジメントの考え方を理解してもらい、広めて行きたいと考えています。

2010年11月17日水曜日

ソーシャルメディア時代にブランドはどうなるのか?

 ソーシャルメディア時代にブランドがどうなっていくかは興味深いテーマです。
透明性の時代になり企業が丸裸にされると、ブランドを維持していくのが難しくなる一方で、別の方法や新しい原理でブランドを簡単につくることができるという2つの方向性がみられています。

 池田さんがブランドの意義を「後見人」と位置づけ、例えば、アディダスを皇居ランという社会善を後押しする存在として位置づけている。
 しかしながら、アディダスの例で言えば、アディダス自身では「皇居ラン=good」というブランドをつくることはできないと思います。TEDの裸踊りのビデオのように、変わり者1人が参加し、口コミでまた1人参加というプロセスを通じて、「皇居ラン=good」というブランドを醸成することが可能になります。

 ソーシャルメディア時代の特徴は、企業がブランドを自ら作り出すことはできない、それは顧客、社会との協同作業であるということが明らかになったというのがこれまでとの一番の違いだと思います。

これまでのブランドとソーシャルメディア時代のブランドの対比をざっくり比較すると

広告費   ←→人と人とのつながり(ソーシャルグラフ)
過去    ←→リアルタイム
リーチの広さ←→感動の強さ
マス    ←→個 
マス媒体  ←→口コミ
顧客に無知 ←→顧客はよく知っている  
顧客洗脳  ←→顧客との恊働・共感
フロー概念 ←→ストック概念
目にみえる ←→目に見えない

2010年11月16日火曜日

ザッポスのケースから学んだ点

 ソーシャルメディア時代には人がメディア。従業員と顧客がメディア。社員で言えば、できるだけ多くの人が舞台にたてるか、いつも見られていることを意識していることが重要になってきている。
 
 ソーシャルメディアは拡声器であり、本質を増幅するだけという見方もあるが、みられていることを意識するだけで人間の行動は変わるし、よりよく見せたいという気持ちが進歩を生み出す。

 ザッポス流の経営が日本にそのまま持ちこめるとは思わないが、新時代を生き抜くマインドセットには多いに学ぶ点があるのではないだろうか? 会社で働いているということは、既にあなたは舞台にのぼっており、観客に魅せる演技で聴衆を引きつける必要があるのだ

2010年11月15日月曜日

ソーシャルグラフを巡る戦いをみる2つの視点

 ソーシャルグラフに関しては2つの視点が重要だと思います。1つは、ソーシャルグラフの所有者は誰なのかということです。ソーシャルグラフを巡る戦いが勃発しているのはまさにその所有者が誰なのかの社会的合意が得られていないからです。もう1つは、そのソーシャルグラフの価値はどれくらいなのかという問題です。ソーシャルグラフを巡る戦いが起こっているのは、まさにその価値がものすごく高くなる可能性がはっきり認識されたからだと思います。

 ソーシャルグラフも情報財ですので、限界コスト0で複製可能、非競合的、非排除的な性質をもっており、所有権が設定しづらい面があります。今後を考えると、おそらくはソーシャルグラフの所有権と使用権が分離される形になると思います。それがソーシャルグラフの価値を最大化する方法だからです。

 我々ユーザーサイドからすると、究極のプライバシーでもあり価値あるソーシャルグラフや行動履歴を無料でプラットフォーム企業に提供してしまっているので、その価値が認識されると、高く売ろうと考えたり、それをまとめて儲けようとするホールセラーのような存在が現れてくるかもしれません。