2011年9月22日木曜日

ソーシャルインパクト指数(SII©)について

ソーシャルインパクト指数(SII©)についてのご説明
         
(株)ソーシャルインパクト・リサーチが開発した、ソーシャルインパクト指数(SII©)について簡単にご説明いたします。

 営利企業の場合は、企業の価値を評価する際に、安全性、生産性、成長性、などの指標ではかられます。上場企業であれば時価総額が会社を評価する尺度になります。企業は株主のものであるという前提にたち、利益をどれくらいあげたのか? 株主をどれくらい儲けさせたかが、営利企業の判断の基準となります。

 それに対して、社会的企業の場合はどうでしょうか? 名前が知られている、助成金を多くとっている、スタッフの数が多いなど、様々な比較の観点はあるますがどれも決定的なものとは言えません。

 社会的企業が、誰のために、何のために事業をおこなっているのか? この根本的な問いに立ち返ると、社会の課題を独自のアプローチで、よりよい社会を実現させていく、という本来の姿がみえてきます。

 この観点から考えると、社会的企業の評価軸は、どのくらい社会をよりよくしているのか? もしくは、よりよい社会をつくることに貢献できると期待できるか? という観点から評価すべきではないかと考えられます。

 そこで、(株)ソーシャルインパクト・リサーチは、この社会をどれくらいよくしたかを社会的なインパクトを、ソーシャルインパクト指数(SII©)として体系化することに成功致しました。

 社会という漠然としたものを、よりわかりやすく定量化するために、社会はステークホルダーの集合と捉えています。ですから、このソーシャルインパクト指数(SII©)は、ステークホルダーに対する意識、行動変容のインパクトをはかるものとなっています。

このソーシャルインパクト指数(SII©)は4つのファクターに分解されます。
①提供価値、②量、③持続性、④影響力の4つです。

 提供する価値が定義され、価値を提供できるものにするのが第一段階。そして、その価値が提供できるようになると、対象者の広さ、問題の深刻さに応じた量的な拡大が可能になる第二段階になります。ただし、それが一時的なもので終わるようならば社会的なインパクトは小さなものにとどまるでしょう。したがって、持続性をどう高めるかという第三段階が必要となります。最後に、経営資源をさらに投入したり、メディア活用などで社会的な影響力を高める段階、また、その解決方法を他の地域や領域への応用する第四段階を経ることになります。

①提供価値
SROI/利害関係者の資源インプットとアウトプットの比率
提供する解決法の有効性(段階:模索段階~確立~拡大段階)

②量
社会的課題の深刻さ(対象層の広さ×問題の深刻さ)

③持続性
収益の安定度がどの程度あるか?
自立収益の高さ(助成金以外の収益基盤の有無)

④影響力
スケーラビリティ(解決法の確立→応用範囲・地域の広さ)
資源の集まり度合い(ボランタリー資源を集められているか)
メディアの活用度・露出度
自社の取り組む社会的課題の啓蒙、社会の理解

上記のチェックに基づき指数化することで、社会的企業のソーシャルインパクトを横断的に比較したり、時系列でその推移をモニタリングスコアーすることが可能となります。ご興味ある方はお問い合わせください。

ヤフーはソーシャル化時代の主役ではなく脇役?

ソーシャル化時代にうまく対応している企業群をソーシャルビジネスストックインデックス(SBSI©)、うまく対応できていない企業群をアンチソーシャルビジネスストックインデックス(ASBSI@)と分類し直すことにした。

SBSI©に、小売業としては、良品計画、ドクターシーラボ(+製造)、ファーストリテイリングを追加。



ASBSI@には従来型ネット広告の生態系でビジネスをやっている会社を追加した。電通、博報堂、ヤフー、オプト、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアなどである。




米国のヤフーはソーシャル化に対応できずに苦境に陥った。日本のヤフーはいろいろなローカルなサービス開拓がうまく、今のところは収益を確保できており、米国ほど深刻な状態ではない。

ただし、ポータル型の一方向型のインダイレクトモデルという点は本質的に変わらない。今後も、ソーシャル化にキャッチアップすべく、資本提携(Gyao)や事業提携(Yahoo!モバゲー)を進めていくだろうが、ソーシャル化の主役ではなく脇役である点は変わらない。独自のソーシャルグラフをもっていないからだ。したがって、アンチソーシャルビジネスストックインデックス(ASBSI@)に分類した。株式市場も、この点を反映して、株価もこの6ヶ月で約20%の下落。

参考
(SBSI©)分類の基準は以下の通り
①経営者がソーシャル化におけるビジネス機会を正しく認識している
②ソーシャル化にふさわしい事業の定義がなされている
③ソーシャル化によって市場が大きく拡大するポテンシャルをもっている
④ソーシャル化のポテンシャルを活かす戦略をもっている
⑤生産者と生活者の協同という新しい経営パラダイムが認識されている
⑥ソーシャル化が及ぼすリスクに対する備えが十分にできている

2011年9月21日水曜日

アンチソーシャルビジネスとは?

ソーシャル化が進む中で、それをうまく活用できる企業があるとともに、
反対に、うまくソーシャル化を活用できない「アンチソーシャルビジネス」もまだ多い。

 任天堂はこの1年間でソーシャル化の逆風をもろに受け、かつその認識が遅れたことから、この半年に至っても株価は半減した。アンチソーシャルビジネスの典型である。

ぐるなびも食べログがソーシャル化の波に乗るのと反対に、だいぶ牙城を明け渡した。これもアンチソーシャルビジネス。

原発事故発生後にTwitterアカウントを作った東京電力などもアンチソーシャルビジネスと言える。ソーシャル化時代のリスクマネジメントができない企業は生き残るのは難しい。

SEOビジネスもますますアンチソーシャルビジネス領域に入ってきている。

ソーシャルストックインデックスに入る会社の株価があがるのとは対象に、アンチソーシャルビジネスの会社の株価は対照的に下がっている。この違いを見分けることが重大だ。

ゲーム会社の中にはソーシャル化の重大性に気づき、それに対応することができる会社も出始めている。コナミなど。この銘柄は新たにソーシャルストックインデックスに入れたい。

2011年9月20日火曜日

ソーシャルストックインデックス

 ソーシャルが進む中で、ソーシャルメディアの活用などソーシャル化を梃に成長する企業と、逆にうまくソーシャル化を活かせない企業、産業の格差が急速に広がってきた感じがします。

 そこで、その差がどのくらい、株価に反映しているかを調べるために、「ソーシャルストックインデックス」を考えてみました。

ソーシャルストックインデックスの条件として、

①経営者がソーシャル化における機会を正しく認識している
②ソーシャル化にふさわしい事業の定義がなされている
③ソーシャル化によって市場が大きく拡大するポテンシャルをもっている
④ソーシャル化のポテンシャルを活かす戦略をもっている
⑤生産者と生活者の協同という新しい経営パラダイムが認識されている
⑥ソーシャル化が及ぼすリスクに対する備えが十分にできている

以上の条件でスクリーニグした銘柄が11銘柄です。



この震災後の半年のリターンは約28%と、大幅にTOPIXをアウトパフォームしています。今後、ゲーム関連、コミュニケーション産業など、どんどん進んでいくことが予想されます。

ソーシャルストックインデックスファンドはかなりパフォーマンスが期待できます! 今後、このファンドに合致する企業の選択をおこなっていきたいと思います。

そして、新しい企業を評価する指標、基準をつくっていきたいです。

CSRファンド、SRIファンドはしょせんインチキですから。だいたい東京電力が入っています(笑)。ソーシャルをうまく活用した企業はどんどん伸びるし、株価もあがっていくと思います。