2011年12月7日水曜日

SROIの分析レポートが出ましたね



 マイクロソフトの「若者就労支援プロジェクト」に関わる評価調査報告書が公表された。この中で、(株)公共経営・社会戦略研究所がSROI分析をおこなっている。日本の実例でSROI分析がなされるのは珍しいので、貴重なレポートである。

分析の結論は、
このプロジェクトのSROIを単年度5.6倍、5年間累計で21.28倍なので、非常に効果的なプログラムと結論づけている。

話はそんなに難しい話ではない。

①マイクロソフトが若者の無業者に対して、NPOサポートステーションを介して、ワード、エクセル等の教育をおこなう

②その結果、就業率がアップ。そのアップした部分を社会的な便益と考えて、その人がもらう給料で金銭価値換算をする

③マイクロソフトの受託費用約11百万円と比較した、価値の増加を倍率を示す=SROI、という流れだ。


SROIは価値分析として経済的な価値と社会的な価値の総計を捉える点が特徴であるが、就労支援の効果を初年度の就業者の年収で換算しているが、これは経済的な価値に近いものだ。

税金の使い道という観点からは、単に倍率が高いこと、プログラムの効果が高いこと=積極的に展開すべきとは言えない。つまり、その効果の便益がどこに及ぶかが問題なのだ。便益の最大の受益者である本人である場合、他のステークホルダーに対して対して便益が及ばない場合、それは本人が自己負担すべきではないかという意見もありうるからである。

また、SROIの倍率が高い原因が、どこから生じているのかがわからなければ、それは改善に有効なツールとも言えないだろう。

いずれにしてもいいケースなので、じっくり研究してみたい。

2011年12月4日日曜日

原丈人さんの公益資本主義の考え方

原丈人さんは公益資本主義という考え方を提唱している。
現在の資本主義の問題点を鋭く指摘していると思う。

簡単に考え方を整理すると2つある。

会社は株主のものという前提→短期的な株価の最大化を目標(経営陣にはストックオプションという餌)→ROE重視→長期的な研究開発やベンチャー投資がおこなわれない→新産業が育たない

金融セクターはもうけ第一主義→ベンチャー投資はせずに、ばくちにうつつをぬかす→ゼロサムゲーム→変動が大きくなる→金融危機が毎年起こる+貧富の差の拡大

そこで、企業の公益性を考える必要性を強く訴えている。

私が解釈するに、公益性はある意味では経済の外部性、スピルオーバー効果のことだと思う。

企業が私的な利益を追求するだけでは、社会の富を増やすことはできない。その公益性を考えて行動するように、考え方や税制などの仕組みを作り直す必要があるという主張である。

資本主義3.0の枠組みと共通する考え方である。
私は、経営の目標を経済的価値と社会的価値のトータルにし、ベンチマークは株価、時価総額の代わりに、ソーシャルキャピタルを、ROEの代わりにSROIやソーシャルインパクト指数を使うことを提案したい。経営目標を達成するためには、測定可能な指標が必要となるからだ。

これまでは目に見えなかったので実感しづらかった、つながりの効果、外部性を可視化、測定することが必要だろうと思う。

2011年11月30日水曜日

ソーシャルキャピタル仮説



資本主義2.0から資本主義3.0のパラダイム転換の中で、企業経営の目標とベンチマークは時価総額、ROEから、ソーシャルキャピタル、社会的なインパクトへ変わっていく。

企業ソーシャルキャピタル(SC)にはまだわかっていないことも多いが、以下のような命題が考えられる。
命題 企業SCが高まると、不況への抵抗力が強くなる
命題 企業SCが増えると、取引コストが下がり経済効率性が高まる
命題 企業SCが増えると、異種情報との接触が増えイノベーション力が高まる
命題 企業SCが高まると、共感よびこみ力が高まり、口コミが増える
命題 企業SCが増えると、双方向型インタラククションが増え、コミュニティ形成力が高まる
命題 企業SCが増えると、顧客の信頼が高まり、購買までのサイクルが短縮される

2011年11月29日火曜日

ソーシャルグラフ8分類




より包括的に、ソーシャルグラフの形と良い企業、個性的な企業の関係を示すと、2の3乗、8分類になる。

パラダイムシフト1
全ての企業がソーシャルに向かう

パラダイムシフト2
×企業は経済的価値を追求するだけでいい
○企業は経済的価値とともに社会的な価値を追求する
→経済的価値とともに社会的な価値の測定が必要になる

パラダイムシフト3
何かを知っている価値<誰かとつながっている価値

情報を独占する価値(マイクロソフト)→情報を見つける価値(ヤフー、グーグル)→情報を共有する価値(Facebook)

つながりの力、企業ソーシャルキャピタルを定量的に測定し、企業経営に活かせる、高める方法論を開発しています。

2011年11月28日月曜日

ソーシャルグラフの形で、良い会社が決まる時代に入った!?



人と人とのキズナの深さ、信頼の大きさで、企業の成功が決まる時代になってきた。このようなソーシャルキャピタルは、還元すると、社内同士、社内外でどういうソーシャルグラフになっているかということだ。

ソーシャルグラフのベクトルとしては3つ考えられる。
①企業内、②企業内外、そして、③社会に対するベクトルの3つである。

企業内で豊かなソーシャルグラフが築けていれば社内の効率は高まるだろう。
企業内外、顧客や取引先との間に豊かなソーシャルグラフが築ければ、社外との効率は高まる。ここまでは、優良な日本企業の中でクリアーできている会社も多い。
これから求められるのは、もう一つのベクトル、社会に対するベクトルである。社会の課題や問題に対する感度が低い会社は必ずしも社会から信頼を得ることができないだろう。

以上の3つの軸で分類すると、
ソーシャルグラフのパターンは6つに分類できる。
パターン1 理想型
パターン2 外弁慶
パターン3 内弁慶
パターン4 優良企業
パターン5 社会貢献バカ
パターン6 破滅型

あなたの会社はどのパターンに入るだろうか?