マス広告に依存する日本のSNS,ソーシャルメディアの矛盾
SNS各社のソーシャルゲーム事業が好調に推移している。内製ゲームをもたないmixiの出遅れ感は目立つが、DeNA,グリーともに直近四半期決算では好調な決算を発表している。
SNS各社、テレビ広告を中心とした広告支出を大幅に増やしている。DeNAは前四半期40億円の広告宣伝販促費を今四半期さらに13億円増やす。グリーも前四半期27億円の広告宣伝費をさらに増やしていく方針である。
海外では、マス広告の対立軸としてソーシャルメディア広告が非常な勢いで成長してきているが、日本の場合は主要SNS、ソーシャルメディアの成長はテレビを中心とするマス広告が支えている。また、SNS内の広告もソーシャルメディア的な広告はほとんどない。この点はやや奇異な感じがしないでもない。
よく指摘されるところだが、日本のSNSの特異性は会員の匿名制が主流である。ツイッター、Facebookの普及により会員の実名制も徐々に広がりを見せつつあるとはいえ、まだまだである。
そういう意味では、日本のSNSはリアルな世界とは隔絶した「バーチャル通貨による、ゲームを楽しむ仮想コミュニティ」の感がある。リアル世界との接点を維持しようと招待制を維持していたmixiも登録制に変更した。