発展途上国への融資や森林再生、グリーンエネルギー開発などを支援する「社会貢献型投資」が広がっているそうだ。今日は、ミュージックセキュリティーズのカンボジアファンド説明会に参加した。当社はソーシャルファイナンスの潮流には欠かせないプレーヤーの1社。純米酒ファンド、妖怪ファンドなど、純粋な金銭リターン以外の共感で個人の小口投資を集めている点は評価できる点だ。
当社はもともと音楽ファンド(インディーズレーベルCD投資)からスタートしたが、現在は途上国へのマイクロファイナンスに力を入れている。カンボジアファンドはLiving in Peaceが企画し、当社は募集販売を担当する形で累計40百万円程度の募集に成功している。
マイクロファイナンスはソーシャルファイナンスの分野の中でも比較的大きな位置づけ。マイクロファイナンスは儲かるというイメージも強く、純粋に金銭リターンからのみで興味をもっている人も多い。
参加者の声を聞くと、途上国の人々のためになるという社会的貢献の部分と、リターンで2~3%期待できる点(あくまで想定)を好意的にとらえているようだ。社会貢献型投資は、資金使途が明確な分、お金の出し手の思いが伝わりやすい。このダイレクトに貸し手と借り手をつなぐという点が重要な部分である。
ただし、このファンド説明会に参加したがスキーム面で分かりにくい点が多かった。お金が何に投資されてどういう契約のもとでリターンが決まるか肝心の部分がわかりにくい。質問したら、サミック(投資対象会社)が前年並みの業績を達成すると2〜3%のリターンが期待できるという(曖昧すぎないか?) 貸し出し3%(年36%)がなんで2〜3%になるのか、その途中は何に消えるのか? カンボジアファンドはインディーズCD投資と異なる金融商品なので、この部分ははっきりと明示すべきだろう。友達が当社のインディーズCD投資に1万円投資したら1万1円でかえってきた(笑)。共感を得て売るというイメージ戦略はわかるが、その前に金融商品販売としての説明責任、販売責任を果たすべきだろう。実際に投資を(ほぼ)決めた人のウェブ画面で採算シュミレーションができるというが、極めて不親切である。
スキーム面でも、募集人数が50人以上で法的に大丈夫かとか、貸金業の規制対象とならないのか、グレーゾン金利に該当しないかなど、不明点も多い。
為替ヘッジをしていない点もスキーム上の大きな問題である。途上国の人のための貢献投資がいつの間にか投資家にはFX投資になってしまうリスクが生じるからだ。
株式会社ソーシャルインパクト・リサーチ代表パートナー。慶応大学大学院(KBS)卒。早稲田大学院環境エネルギー研究学科博士課程在籍中。証券アナリスト。持続可能な社会の実現のために、ソーシャルインパクトの評価測定、そしてソーシャルインパクトをお金にかえる仕組みを提案。ソーシャルインパクトの評価測定、インパクトファンドの運営等を事業としておこなう。Twittier:kumataku1
2010年9月23日木曜日
2010年9月22日水曜日
CSR3.0の時代
今日は竹井善昭氏の講演会に出席した。テーマは「CSR3.0の時代」
出席者は200人あまり。企業側とNPOではNPO側の出席者が多かったように思う。独特のカラーがあるので、なんとなく、だいたいわかる。
コトラーのマーケティング3.0 (人間志向)、 ダニエル・ピンクのモチベーション3.0(世の中に役立っている感)を提唱し、CSRも2.0から3.0に変わらなくてはいけないという主張。
これからのCSR3.0は儲かる CSRだというのがキャッチフレーズだが、その具体的な方法論の提示はなく、いささか消化不良。
人に見られると自分の行動も変わるけど、我々はソーシャル時代に、適応戦略の結果として、新しい人間像に脱皮しているのかもしれない。(より他人にやさしく親切に)。ゲーム理論でも情報の双方向性が囚人のジレンマで協調行動を誘発する契機になることが示されているし、繰り返しゲームの側面もあり、協調を誘発するインセンテイブを有する。
CSRでどう企業の利益につながていくかは、私が提案している、「ミッションリンクと売上のリンク」をロジックモデルで整理すると活動インパクトと関連性を整理することができる。これはNPO側の企業へのマーケティング提案にも有効と思われる。相手の企業のミッションと自分たちが提案する マーケテイングがどう関連し、インパクトを与えうるかを説得力をもって示すことができる。
NPO側と企業側はカラー、色、においが違うので、なかなか相手の立場にたった提案になっていないきらいがある 今回の参加者の方々の質問から、いかにNPOの人たちが企業側に受け入れられる提案をしていくかに 苦労しているかが分かった。「NPO向け、企業に認められるマーケテイング提案の考え方と実践」というコンテンツつくるといい かもしれない。。
出席者は200人あまり。企業側とNPOではNPO側の出席者が多かったように思う。独特のカラーがあるので、なんとなく、だいたいわかる。
コトラーのマーケティング3.0 (人間志向)、 ダニエル・ピンクのモチベーション3.0(世の中に役立っている感)を提唱し、CSRも2.0から3.0に変わらなくてはいけないという主張。
これからのCSR3.0は儲かる CSRだというのがキャッチフレーズだが、その具体的な方法論の提示はなく、いささか消化不良。
人に見られると自分の行動も変わるけど、我々はソーシャル時代に、適応戦略の結果として、新しい人間像に脱皮しているのかもしれない。(より他人にやさしく親切に)。ゲーム理論でも情報の双方向性が囚人のジレンマで協調行動を誘発する契機になることが示されているし、繰り返しゲームの側面もあり、協調を誘発するインセンテイブを有する。
CSRでどう企業の利益につながていくかは、私が提案している、「ミッションリンクと売上のリンク」をロジックモデルで整理すると活動インパクトと関連性を整理することができる。これはNPO側の企業へのマーケティング提案にも有効と思われる。相手の企業のミッションと自分たちが提案する マーケテイングがどう関連し、インパクトを与えうるかを説得力をもって示すことができる。
NPO側と企業側はカラー、色、においが違うので、なかなか相手の立場にたった提案になっていないきらいがある 今回の参加者の方々の質問から、いかにNPOの人たちが企業側に受け入れられる提案をしていくかに 苦労しているかが分かった。「NPO向け、企業に認められるマーケテイング提案の考え方と実践」というコンテンツつくるといい かもしれない。。
2010年9月20日月曜日
企業がソーシャルメディアを使う理由は何か?
企業がソーシャルメディアを使う理由は何か?を考えてみたい。99年には、企業はネットを使う理由は何かを様々議論したが、現在はネットがソーシャルメディアに変わった。
目的には中間目標と最終目標がある。この両者をわけることが重要である。中間目標からwhyを繰り返していくことで最終目標に到達することができる。
企業がソーシャルメディアを使う理由は何か?(why)→従来のマーケティング手法の有効性が落ちたから(why)→消費者が変化したから+ウェブ環境が変化したから(why)→ネットが発信型メディアに変化+企業広告よりもCGMの方が信頼される→→・・・・・・
→(最終目標)SMMで消費者(顧客)の満足度を高めることができるから。
中間目標はいろいろあるが、ソーシャルメディアを企業が使う最終目標は消費者(顧客)の満足度を高めることができるからだ。この最終目標がソーシャルメディアを活用する判断基準を提供する。というわけで、企業は具体的にSMMでどうやって顧客の満足度を高められるかを問うことが重要となる。
顧客満足度を示す一つの指標=(結果+プロセスのクオリティ)/(売価+入手コスト)
ソーシャルメディアを活用し購買プロセスのクオリティを高め、入手コストを下げることができる。この入手コストにはリスクも含んだものだ。
自分の買おうとしなかったものを友達の紹介で買ったり、信頼できる友人の紹介であれば探す手間コストが少なくなったり、比較的自分と嗜好が似ている友人紹介で掘り出しものを見つけたり、買う過程で友達とその商品に関して話すことができるなどの楽しみも付加される。また、企業側も口コミによって知らせるコストを下げることができる。
目的には中間目標と最終目標がある。この両者をわけることが重要である。中間目標からwhyを繰り返していくことで最終目標に到達することができる。
企業がソーシャルメディアを使う理由は何か?(why)→従来のマーケティング手法の有効性が落ちたから(why)→消費者が変化したから+ウェブ環境が変化したから(why)→ネットが発信型メディアに変化+企業広告よりもCGMの方が信頼される→→・・・・・・
→(最終目標)SMMで消費者(顧客)の満足度を高めることができるから。
中間目標はいろいろあるが、ソーシャルメディアを企業が使う最終目標は消費者(顧客)の満足度を高めることができるからだ。この最終目標がソーシャルメディアを活用する判断基準を提供する。というわけで、企業は具体的にSMMでどうやって顧客の満足度を高められるかを問うことが重要となる。
顧客満足度を示す一つの指標=(結果+プロセスのクオリティ)/(売価+入手コスト)
ソーシャルメディアを活用し購買プロセスのクオリティを高め、入手コストを下げることができる。この入手コストにはリスクも含んだものだ。
自分の買おうとしなかったものを友達の紹介で買ったり、信頼できる友人の紹介であれば探す手間コストが少なくなったり、比較的自分と嗜好が似ている友人紹介で掘り出しものを見つけたり、買う過程で友達とその商品に関して話すことができるなどの楽しみも付加される。また、企業側も口コミによって知らせるコストを下げることができる。
コーズマーケティング:社会貢献でコーポレイトブランドは上がるか?
今月の広報会議の特集は社会貢献でコーポレイトブランドは上がるか? 答えはわかりきっているが、要はケースバイケースだ。実際の成果をあげるのは結構難易度が高い。
成功事例として、ボルヴィックの「1L for 10L」、ユニチャームのカーボンオフセット商品「ムーニーマンスリムパンツ」、コカコーラの省パッケージ飲料水「い・ろ・は・す」などが挙げられていた。これらも、コーズマーケティングなのか、商品の差別化戦術なのかの境界はかなり曖昧だ。
多くの企業がまだ社会貢献と自社のマーケティングをどう結びつけるかの解を得ておらず、様々な面で模索段階である。
まずは、自社のミッションを明確にし、その社会貢献活動がどうミッション実現に結びついていくかを考えてみることだ。「活動内容→短期的成果→中期的成果→長期的成果→ミッション・ビジョン」のフローを明らかにしてみることである。
活動内容とミッションがあまりにかけ離れていると消費者へのアピールが弱くなりし、活動内容と成果の直接的、直感的な結びつきも消費者へのアピールに影響を与える。また、実際にその活動内容が社会に意味のあるソーシャルインパクトに結びつくものでなければ企業の自己満足に終わってしまう。この辺りを消費者に見透かされると効果は弱まってしまう。以上の流れの中で、売上リンク(活動内容が実際の売上にどう結びつくか)を明確にしておくことも不可欠である。
今回の特集ではあまり触れられていなかったが、コーズマーケティングにおいてソーシャルメディアをどう活用できるかは重要であり、企業側としてもこの面では知見を積んでいく必要がある
成功事例として、ボルヴィックの「1L for 10L」、ユニチャームのカーボンオフセット商品「ムーニーマンスリムパンツ」、コカコーラの省パッケージ飲料水「い・ろ・は・す」などが挙げられていた。これらも、コーズマーケティングなのか、商品の差別化戦術なのかの境界はかなり曖昧だ。
多くの企業がまだ社会貢献と自社のマーケティングをどう結びつけるかの解を得ておらず、様々な面で模索段階である。
まずは、自社のミッションを明確にし、その社会貢献活動がどうミッション実現に結びついていくかを考えてみることだ。「活動内容→短期的成果→中期的成果→長期的成果→ミッション・ビジョン」のフローを明らかにしてみることである。
活動内容とミッションがあまりにかけ離れていると消費者へのアピールが弱くなりし、活動内容と成果の直接的、直感的な結びつきも消費者へのアピールに影響を与える。また、実際にその活動内容が社会に意味のあるソーシャルインパクトに結びつくものでなければ企業の自己満足に終わってしまう。この辺りを消費者に見透かされると効果は弱まってしまう。以上の流れの中で、売上リンク(活動内容が実際の売上にどう結びつくか)を明確にしておくことも不可欠である。
今回の特集ではあまり触れられていなかったが、コーズマーケティングにおいてソーシャルメディアをどう活用できるかは重要であり、企業側としてもこの面では知見を積んでいく必要がある
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