今年のソーシャルセクターの自分の雑感と来年の展望を考えてみたい。
ソーシャルセクターの中でも、様々な予算がついた復興支援がウェートとしては高まった。ソーシャルの中で、農業、環境エネルギーのウェートが高まっていく方向にある
復興支援型地域社会雇用創造事業は事業仕分けにあい、来年は継続されないだろう。事業の効果が見えづらい、曖昧という点で仕分けになったが、ソーシャルセクターをどう評価すべきかという点では課題が残った
社会的価値の評価手法、SROI、ソーシャルインパクト指数等に徐々に興味をもつNPO/ソーシャルベンチャーの人たちも増えてきている。しかしながら、それが実際にどう役に立つのか、例えばNPOの寄付を集める等に役に立つ等を示す必要があるだろう。
ソーシャルセクターの資金調達、ファンドレイジング、ソーシャルインベストメントに関心をもつ人たちが増えてきた。前者は、日本ファンドレイジング協会の努力が大きい。後者はまだ一部の人たちの関心事という印象である。
ソーシャルな資金調達ではクラウドファンディング、Ready For? 、Campfire等が注目を浴びるようになってきている。NPOでも活動をプロジェクト化すれば利用できるので、来年もこの流れは大きくなるだろう
統計をみないとわからないが、寄付は、震災復興の寄付疲れから、少しトーンダウンした印象を受ける。
NPOの寄付税制が変更されたことの世間の理解、周知がまだ徹底されていないようだ。寄付もまだ少額なので申請処理が面倒という面もあるのだろう。
民主党の「新しい公共」の流れでソーシャルセクターはだいぶ恩恵を受けた。自民党政権に変わり、これまでの流れがどう変わるかが注目される。休眠口座の検討会等は夏頃から中止されており、おそらくソーシャルセクターは逆風になるのではないか。
もう一つ、自民党政権に変わって大きな影響を受けそうなセクターは生活保護者、弱者保護のスタンスの変更である。
自分の注目の団体としてはTABLE FOR TWO。ビジネスモデルという発想から生まれた団体でまだスケーラビリティがありそうだ。今年、ソーシャルセクターで新しいビジネスモデルが開発されたという例は少なかったように思う。
相変わらず、ソーシャルセクターでは、持続可能な経済性をどう確保するかが大きな課題である。
来年、ソーシャルセクターが大きく変化する、社会的なインパクトを与えられるかどうかはソーシャルな資金調達方法がどう変わるかが大きい。ソーシャルインパクトボンド等が注目されるでしょう。