2013年1月31日木曜日

ソーシャルセクターの市場ビジョン


SIR社は以下のようなソーシャルセクターに関するビジョンをもっています。
  1. ソーシャルセクターを支援する方法論は寄付モデルと投資モデルの2つがある。寄付モデルは困っている人たちが助かることが主眼なのに対して、投資モデルは社会的課題を解決することに主眼がある。
  2.  寄付モデルは突発的な危機迅速に対応できるのに対して、投資モデルはモデル構築に時間がかかるものの大きい社会的インパクトを期待できる。
  3. 日本のソーシャルセクターの量子的飛躍のためには、ソーシャルセクターの投資モデルを開発していく必要がある。そのためには、ソーシャルインパクトの評価測定、それをもとにした投資スキームの開発が不可欠となる。震災復興支援を持続可能なものにしていくにも、この投資モデルの開発が有効となろう

2013年1月27日日曜日

ソーシャルビジネスが儲かるための条件

エンパブリックの広石さんが、ソーシャルビジネスは儲からない原因について分析されています。

 これに対する反論としては、ソーシャルビジネスで儲かっている事例を挙げることで、この主張を覆すことができるように思われます。

例えば、最近IPOしたユーグリナ(ミドリムシ)。

もともとは、出雲社長がバングラデシュの貧困を解決するために平成178月につくった会社です。最初はミドリムシを食料品から。最近では、化粧品、バイオ燃料としての実験的な取り組みが始まっています

最初は赤字続きでしたが、最近ではマスコミに取り上げられることも多くなり、売上、利益も急成長しました。これも、ソーシャルビジネスとしての共感性をうまく活用したと言えるでしょう。

もし仮に、ユーグレナがマスコミで取り上げられている効果を換算したら、軽く3億円〜5億円かかっていると思います。これが無料でできているのが最大の強みと言えます。

ですから、ユーグレナの場合は、ソーシャルビジネスでも儲かっている事例ではなく、実は、ソーシャルビジネスだからこそ儲かる事例と言えるのです。


 当初のミッションをもってはいますが、現在のところでは主要販売先は日本であり、しかも貧困層ではありません。

壮大なミッションをもったことでビジネスがスタートしたわけですし、現在もその志を捨てたわけではありません。また、その志に対する共感性が成長の源泉となっていますから、ユーグリナはソーシャルビジネスと言っていいと思います。

しかも、儲かっています。

よって、ソーシャルビジネスが儲からないという主張は必ずしも正しくない。

しかしながら、ソーシャルビジネスが儲かるためには以下の点が言えると思います。
  • ソーシャルビジネスが儲かるようになるには時間がかかる
  • したがって、この儲からない時期を支えてくれる投資家、エンジェルが必要。
  • ビジネスの舵取りとしては、そのミッションを持ちつつも、コンピタンス、当社の場合はミドリムシの大量培養技術ですが、それを利用した多角化に収益化を図る必要があります。ミッションと持続性のバランスの舵取りが必要と言うことです。