2011年5月7日土曜日

東日本大震災でわかったソーシャルキャピタルの重要性と新たな側面



 今回の東日本大震災は、ソーシャルキャピタルの重要性を思い知らされるとともに、新たな側面に気付かされた。

 ソーシャルキャピタルという概念は社会学者のパットナムは、「人々の協調行動を促すことにより社会の効率性を高める働きをする信頼 、規範 、ネットワークといった社会組織の特徴」と説明している。

 単純化すれば、今回の東日本大震災では「コミュニティに醸成された助け合い精神」と位置づけることができる。

今回のポイント
①大震災直後ではブリッジ型のソーシャルキャピタルが有効
 ソーシャルキャピタルには家族や親しい友人との信頼と愛情で結ばれた関係である「ボンド・キャピタル」と、広く社会における対人関係から生まれる「ブルッジ・キャピタル」がある。震災などで地方のある特定地域が被害にあった場合には、家族親族が同時に被害にあっていることも多く、「ボンド・キャピタル」が機能しないケースも多い。今回は、ソーシャルメディア等でつながった、地理的には分散する傾向があるブリッジ・キャピタルが威力を発揮した。

② ソーシャルキャピタルを生み出す上で、ソーシャルメディア、メディアの双方向性がやはり有効
 アメリカの雑誌「タイム」は「世界で最も影響力のある100人」に、東日本大震災後の住民の窮状を訴えた福島・南相馬市の桜井勝延市長が選ばれた。動画投稿サイト「YouTube」上で、英語の字幕つきで訴え、再生回数は35万回を超えるなど、海外でも大きな反響を呼んだ。ソーシャルメディアが媒介になり、大震災時には助け合う文化が全世界的に生まれたのではないか?

③震災の復興フェーズではボンド・キャピタルの活用も重要

 過去の研究では、関東大震災後では、高いソーシャルキャピタルに特徴づけられる地域は震災後の復興も比較的速かったという分析を示されている。また、第二次世界大戦の戦災からの日本の復興が社会的紐帯の比較的緊密な地域の方がそうでない地域と比較して速やかに進んだことを示されている。今後の、復興フェーズではやはりボンド・キャピタルを有効に活用するという視点も重要となろう。

④ソーシャルキャピタルの本質は、与えることによって増えていく、貢献することによってたまっていく
 今回の被災地のボランティアの方々には、神戸大震災の時に被災した方々も多く含まれている。まさしく、与えることによって増えていく、貢献することによってたまっていくのがソーシャルキャピタルの本質だ。

さらに、今後を考えると、以下の3点の視点が重要となろう。
①2種類のソーシャルキャピタルをどうリンケージさせていくかという視点、②ソーシャルキャピタルはまさに重要であり、災害時のみならず日常時からソーシャルキャピタルを醸成していくには何をすればいいのかという視点、③ソーシャルキャピタルが生み出したインパクトを可視化、見える化していくことも必要ではないか?

2011年5月6日金曜日

ソーシャルメディア時代のソーシャルキャピタル 7つの特徴 


上図はAltimeterがデジタル時代の影響要素を示したもの。

最近、ソーシャルキャピタルという概念がいろいろなところで、形を変えて使われるようになっています。

例えば、タラ・ハントさんの著作「ツイッターノミクス」のウッフィーや、岡田斗司夫さん著作「評価経済社会」の評価も、ソーシャルキャピタルとほぼ同じ意味なのではないかと思います。

 ソーシャルキャピタルは実は2種類あって、家族や親しい友人との信頼と愛情で結ばれた関係である「ボンド・キャピタル」と、広く社会における対人関係から生まれる「ブリッジキャピタル」です。ソーシャルメディア時代のソーシャルキャピタルは後者の広くゆるい「ブリッジ型のソーシャルキャピタル」にあたると思います。

ソーシャルメディア時代の特徴を整理してみます。

特徴は①ソーシャルグラフの上にある
 ソーシャルネットワークのソーシャルグラフでつながったソーシャルキャピタルであり、地域的な影響を従来よりも受けにくくなっている。

特徴②可視化された
 Twitterのフォロワー数、Facebookのフレンド数など、ソーシャルキャピタル(その一側面)が可視化されるようになった。信用、評判が目に見えるようになった。

特徴③レバレッジが効く
 特徴①と特徴②からレバレッジが利きやすくなった。例えば、Twitterのフォロワー数が多いから、いいコンテンツを配信してくれるのだろうと、さらに多くのフォロワーが集まる現象など。

特徴④インタラクションで育まれる
 ソーシャルメディア時代のソーシャルキャピタルは、ソーシャルオブジェクトのインタラクションを通じて育まれる。

特徴⑤マネタイズがしやすくなった
 目に見えるようになったことで、ソーシャルキャピタルからのマネタイズがしやすくなった。

特徴⑥マーケットキャピタルの先行指標としての価値
 ソーシャルキャピタルがマーケットキャピタルの先行指標としての価値をもつようになった。私なりに、ソーシャルキャピタルの価値を考えると、ネットワークの大きさ、インフルエンサーが含まれる度合い、ネットワーク構成員のエンゲージメントの強さの3つが影響すると思います。

特徴⑦影響力はあがる一方!
 KloutやPeerIndexなどの可視化サービスが普及し、ソーシャルキャピタルの影響力がどんどんあがっている。例えばスターバックスがKloutの高い人に無料サービスしたり、銀行が信用リスクの判断材料に使うようになったり、採用の際の判断材料に使うようになったり、まさに人生を左右するような影響力を持つようになってきている!

 ソーシャルキャピタルをどう考えるか、どう戦略的に活用するかが、個人にとっても、組織にとっても、非常に重要になってきました。みなさんはどうお考えでしょうか? 

2011年5月5日木曜日

ソーシャルメディア時代のソーシャルキャピタルの正体って?


 もともと、ソーシャルキャピタル(社会関係資本)の概念は、人々の協調行動が活発化することにより社会の効率性を高めることができるという考えで、基本的な定義は、人々が持つ信頼関係や人間関係(社会的ネットワーク)のことを意味します。

 デジタル時代のソーシャルキャピタルとは、ソーシャルグラフ上のソーシャルネットワーク上で結ばれた人同士の信頼、尊敬、評価、評判と定義できると思います。

 なぜ今このソーシャルキャピルに注目する必要があるかというと、ソーシャルキャピタルがいろいろな機会を生み出したり、人を集めたり人を動かしたりするので、結局のところ、マネーを生み出す本質的源泉になってきたからだと思います。大きな経済パラダイムがマネーキャピタルからソーシャルキャピタルへシフトしつつあると言えるかもしれません。

私なりにざっくとこれまでの経済パラダイムと比較してみると(図表)

・前者がマーケットエコノミーに属するのに対して、後者はボランタリーエコノミーに属します。

・価値交換の媒介は、マネタリー経済が貨幣通貨(まさにマネー)であるのに対して、超情報経済パラダイムではソーシャルオブジェクトになる点が大きく異なる点です。

・このソーシャルオプジェクトを通じて、人々のアテンションを生み、ネットワークの参加者同士のインタラクションや、新たな出会いなどを生み出すことができることが、企業の価値の源泉となります。前者では価値は交換されるのに対して、後者は価値はシェアされます。

・企業戦略は、参加者同士のインタラクションが価値の源泉なので、フリーミアム戦略が用いられます。また、有料の課金はダイナミックプライシングで、willing to pay=価格で、消費者の感じる価値=価格という価格体系がとられます。

・また、重要な経営資産もシフトし、その力学も変わってきました。このパラダイムソフトにより、経済の中心プレーヤーは銀行、証券から、SNS、ソーシャルグラフプロバイダーに移りつつある、とも言えるかもしれません。

2011年5月4日水曜日

Social object theoryを実際のキャンペーンで使う際の注意点



Razorfishがソーシャルオプジェクトをキャンペーンなどで活かす際のプラクティスをまとめてますのでシェアします(かなり意訳と補足を追加)。新しいソーシャルビジネスを考える際のヒントにもなると思います。

・最初にキャンペーンプロジェクトのソーシャルオブジェクトを何にするかを決める。それが、ビックアイデアのベースになるかもしれない。

・キャンーペーンは単一のソーシャルオプジェクトを使うか、それとも数多くにするかをを決める(おそらく後者の方がいいだろう)。プロモーションビデオをソーシャルオブジェクトにするか?、消費者があなたが提供したテーマでより多くのオブジェクトを作るツールを提供するか?

・あなたのオブジェクトを何がソーシャルにするかのか? 何が消費者にとってより重要なものにするのか?、なぜ自分との関わりを見いだすのか?、どうやったら消費者を熱中させるかを理解する

・あなたのソーシャルオプジェクトを持ち運びでき、権利許可不要で、簡単に複製することができるようにするにはどういう工夫をしたらいいか? 例えば、あなたのビデオが簡単にブロガーやTwitterで広まるにはどうしたらいいか?

・どれくらい長く、あなたのソーシャルオブジェクトがソーシャルであり続けるかを決めよう。それは本当にニュースに値するものなのか? あなたのソーシャルオブジェクトに関して、オンラインでのデイベート、議論、インタラクションが自然に生まれるにはどうしたらいいか?

・あなたのソーシャルオブジェクトが、タグ付けされたり、追跡されたり、計られたり、ランキングされるするにはどうしたらいいか?

・最初から、ソーシャルオブジェクトがウェブサイトのブランドや製品などと考えてはならない。おそらくあなたのプロジェクトは既にソーシャルオブジェクトを持っている。あなたがそれに気づいていないだけかもしれない。それを認識して、確立し、最適化せよ。

・最後に最も重要なこと。インターネットで最も重要なことはサーチではなくてシェアだということだ。

ソーシャルメディアが産業構造を塗り替えるプロセス(ソーシャルキャズム理論)



図表はオサマ・ビンラディン殺害報道後、数時間にわたる1秒当たりのツイート数(TPS)を示したもの。TPSの“sustained rate(持続率)”記録を更新したと公式Twitterで発表した。

ソーシャルメディアがニュースが集められ消費させるプロセスを根本的に変えつつある。今回もニュースの第一ソースもTwitterである。

図はBrian solisがジャーナリズムのソーシャル化の影響を示したもの。


ソーシャルなジャーナリズムと伝統的なジャーナリズムとの違いは4点
1.Separatedly awareness
2.Response
3.Factchecking
4.Publishing

ジャーナリズムの世界でソーシャルメディアの影響は広がりつつあるものの、現段階では、まだInformation divide(情報デバイド)が存在する。情報デバイドとは、ソーシャルメディアは情報の速報性、伝播力では優れたものであるが、信憑性の部分ではまだ劣っており、伝統的なジャーナリズムを凌駕するには至らずにメインストリームには影響しないという深い谷(キャズム)のことである。

私はこれを「ソーシャルキャズム」と呼びたい。

このソーシャルキャズムの存在は、既存ジャーナリストの人たちには活躍の機会を提供する。個人のブログやTwitterでニュースネタをみつけて、その信憑性を補強することによって、既存ジャーナリズムの流すというのが一つのアービトラージ(裁定行為)の方法だ。

このソーシャルキャズムはゲーム産業でもほぼ同じパターンで存在する。

いろいろな産業でソーシャル化が進むが、当初は質の面の信頼性が低いことで、既存プレーヤーからは脅威と感じられない、メインストリームは(一見)安泰と思われる。

しかしながら、ソーシャルメディア、ソーシャル化の浸透とともに、集合知が集まることで、その質を高めるメカニズムが内包されていることに注意が必要である。

4つの特徴である、2.Response (レスポンスの早さ)と4.Publishing(情報の受け手が情報編集)が1.Separatedly awareness(ソーシャルグラフの拡大、集合知の拡大)とともに、3.Factchecking(質)を急速に高めるメカニズムを内包するからである。

このソーシャルキャズムを乗り越えると、既存の産業が代替され、産業構造も大きく塗り替えられることになる。

リアルタイム化の進展とモバイルデバイスの普及が、様々な産業で、ソーシャルキャズムを乗り越える確率をあげていくだろう。

2011年5月3日火曜日

ソーシャルオブジェクトがソーシャルメディアマーケティングの未来を決める!?




Social Objects are the future of social marketing?


この1文をどう思いますか?

このテーマは説明するのも、理解するのもとても難しいんです(笑)

まず、ソーシャルオブジェクトは何か?というと、 Flickrの写真、YouTubeの「ビデオ」、Facebookのニュースフィード、Twitterのつぶやき、ゲームのアバターなんかもそうです。

つまり、オンライン上で共有したり議論したりできる対象となるものを意味します。

このソーシャルオブジェクトは、人でも、場所でも、物でも、アイデアでもいいんです。本当は死んだ人でも。例えば、マイケルジャクソンも完璧なソーシャルオブジェクトです。

そもそも、この考え方は、Jyri Engeström氏が「SNSは、何故ある人をつなぐがある人はつながないのか? 成功するSNSと失敗するSNSの違いは何か?」を考えて思いついた考えなんです。Hugh MacLeod氏もソーシャルオブジェクトの重要性にたびたび言及しています。

人々は単につながれるのではなく、実は、共有されるオブジェクトを通じてつながっている。成功するウェブサービスは人々に価値を加えるソーシャルオブジェクトを見つけ出したサービスと言えるんです。

もう少し噛み砕くと、「何故、そもそも知り合いでもない人たちが関係性が深まり広まっていくのか? 」 この問いに対する答えなんです。

ソーシャルオブジェクトが媒介となるから。それが答えなんです。シンプルすぎて信じられないかもしれませんが・・・

私はソーシャルオブジェクトを犬のシッポに喩えます。一見、本質的でないように見えるんですが、実は、人々のインタラクションを生み出す上で非常に本質的な役割を果たしている。

犬がシッポを振っていると、相手は「友好な感情を持ってくれているんだな」と分かって、もう一匹の犬も好意を示すためにシッポをふりかえす。社会性を示す上でシッポは犬にとっては非常に重要なんです。

ソーシャルオブジェクトの本質を突き詰めると、自分の延長物、分身、化身、アバターだと思います。だからこそ、1対多のコミュニケーション、多対多のコミュニケーション関係を作る媒介になるんです。

ウェブサービスの次のイノベーションは、「えっ、こんなものがソーシャルオブジェクトになるの?」っていうものを発見できるかどうかにかかっていると思います。Twitterも、普通の人の140字のつぶやきがソーシャルオブジェクトになるという一大発見に基づいているんです。

いろんな人が、ソーシャルウェブのサービスを、様々な軸(匿名か実名か、リアルかバーチャルか、オープンかクローズか)で分類しようとしてますが、ソーシャルオブジェクトセオリーの考え方からすると、全くナンセンスで意味のないことをしていることに気づくと思います。

2011年5月2日月曜日

ソーシャルメディアROI 3つのアドヴァイス




米国マーケッターの間では、ソーシャルメディアのリターンをどう計測するのか?、ソーシャルメディアROIがホットトピックスになっている。Katie D. PaineのMeasure What Matters や Olivier Blanchardの Social Media ROIが相次いで出版され、ソーシャルメディア業界の知性が今この分野に注がれている。

第1のアドヴァイスは、ROIのRを明確にすることが挙げられる

・何を達成しようとしているのか?
・どのようなリターンを求めているのか?
・どのような状態になったら成功と言えるのか、その定義を明確にする?
・また、何をどのように測定していくのか? そのロジックはどうなっているのか?

第2のアドヴァイスは、
ROIとバリューが違うということをはっきり認識することである。


実はこの部分は大半の人が誤解している。マーケティング畑の人はほとんど誤解している点だ。また、この部分の認識が異なることが、議論がかみあわない原因になっている。

ソーシャルメディア活用により、様々なステークホルダーに、様々なバリュー、ベネフィットが生じるがそれがすべてROIに換算されるわけではないのだ。

ROIの特等は、
(期間)期間が示される
(計算単位)金銭的価値に置き換えられるものだけが計算される
(範囲)会社という範囲内に生じたバリューの計算
(計算基準)ポテンシャル部分、条件付き確率は計算に入らない
という4つの特徴があるからだ。

逆に言うと、
(期間)全期間
(計算単位)金銭的価値+非金銭的価値
(範囲) 会社のみならず、社会全体のインパクト
(計算基準)ポテンシャル部分、条件付き確率をBS換算

以上のように修正すれば、ソーシャルメディアに生じたインパクトをより包括的に把握することができるだろう。

ソーシャルメディアで好感度があがってFBファンが増えたことが、直接ROIの上昇につながるわけではない。あくまでその時点でのポテンシャルがあがったということで、それは先行指標であり、かつそれがROIにつながるかどうかはその後に効果的な施策をうつことができるかという条件付き確率を伴うものなのだ。

ソーシャルメディアが生み出した効果(口コミ、好感度、ファン数)はある1時点の無形資産なのだ。お金を費やすことなく無形資産を有むことができるということは、(資産面→+リターン↑)→(ROI、ROAなどのファイナンシャルリターン↑)につながる非常に価値ある資産となりうる。

第3のアドヴァイス
ソーシャルメディアの効果は計りにくい。計ることができないものは無視するのはまったく愚かなのだ。


愛の大きさは計れるか? ダイヤモンドの値段が愛の大きさ?(そうかもしれないし、そうでないかもしれない、贈る側の痛みを換算する上で、少なくも年収の修正はした方がいいかもしれない。) 計れなければないというわけではないのだ。星の王子様ではないが本当に大切なものは目に見えない。ソーシャルメディアの場合は、目に見えにくいバリューをどう掘り当てていくのか、それを見極める知恵が本当の価値ある資産かもしれない。

2011年5月1日日曜日

ソーシャルメディアポリシー25項目ベストプラクティス



Brian Solisがソーシャルメディアポリシーの25項目のベストプラクティスをまとめています。(英語の解釈があやしい点もありますのであしからず)

ポリシーにはリスク回避的な項目も含まれますが、人間らしくあれとか、価値提供を考えよとか、対話により、より積極的に協同で価値を生み出す方向性を示している点が示唆的だと思います。


1.ブランドの目的とミッション、キャラクターにあった声のトーン、ペルソナを定義する

2.人々は人間と対話することを期待します。対応は、人間らしく、一貫性をもって、親切であってください。

3.あなたのブランドのパーソナリティと価値を表現し、強化するように対話してください。

4.それぞれのエンゲージメントに価値を加えるようにしてください。自分たちのブランドのあり方とこれまでの伝統に貢献するようにしてください。

5.あなたがエンゲージメントしている人たちに敬意を示し、参加しているフォーラムを尊重してください。

6. コンテンツの著作権や利用慣行、正当な使い方を尊重し、確認するようにしてください。

7. 守秘義務や独占的な情報の取り扱いには十分に注意してください。

8. ビジネスアカウントでは、ブランドの価値を高める場合や、ガイドライン、行動指針にも基づく場合を除き、基本的に個人的な見解をシェアする場所ではないことを認識してください。

9. 透明性を維持し、人間らしくあってください。本当の意味での、顧客様への価値提供と問題解決を目指してください。

10. あなたが事前に許可されている範囲において対応してください。事前認可なしであなたの範囲を踏み越えることは差し控えてください。

11.事前に許可された範囲を熟知しその範囲内で対応してください。そうすることは、自分と会社、あなたが接している人たちをを守ることにつながります。

12.立ち去るのがいいケースがあることを知ってください。さもないと、事態を悪化させ、会話の罠(トラップ)に落ちてしまうケースがあります。

13.あなたのビジネスのゴールにおいての果たすべき役割とゴールにどのようなインパクトを与えるかをよく考えてください。

14.競争に陥らないようにしてください。差別化と価値のポイントに注意してください。

15.該当する場合、確立した行動規範に従って謝罪してください。 そのような行動があらかじめ定義されていない場合は、法務部かまたは経営陣による承認を求めてください

16.あなたのアクションに説明責任をもち、言い訳をしないようにしてください。

17.あなたが話している人々を知り、彼らが何を求めているかを知るようにしてください。

18.発言する際には、自分と会社との関係、所属、提携、発言の意図を明らかにしてください。

19.判断が難しい場合は、最もその問題に答える能力がある人たちに任せてください。

20.自己を律することを練習してください。ある種のことは共有する価値はありません。

21. 資格のあるスポークスマンに解決をゆだねてください。

22.顧客やパートナーとのケーススタディなどを開示する際には事前に承認を求めてください。

23.反射的に対応する前に、状況の文脈を吟味する時間をとってください。

24.インターネットはコンテンツは長く保存されますので、あなたがシェアしたコンテンツは時にあなたに不利になることもあることを認識してください。

25.疑問があったら、ガイダンスを求めてください。

日本企業のソーシャルメディアポリシー、このままで本当にいいの?



“Employer Perspectives on Social Networking,”というレポートが、35カ国、3万4千人のビジネスマンを対象に、ソーシャルメディアポリシーの策定状況に関してまとめています。

グローバル平均は25%がソーシャルメディアポリシーを設定。
日本も25%で、ちょうどグローバル平均となった。

よく間違いやすいのは、ソーシャルメディアポリシーの策定は会社がソーシャルメディアを使うかどうかとは全く関係ないんです。

ソーシャルメディアの従業員の個人利用が増える中で、会社に損害やリスクを与えたり、逆に会社のブランド価値を高めるのに貢献する可能性が高まってきたことから、ポリシーを策定されるようになったものだからです。

個人的には、日本企業は「ソーシャルメディアポリシー策定」にあまり積極的でないように感じます。この25%の回答にも、既存の規則をそのまま代替したものも多く含まれていると思います。

ポリシー策定のニーズは、ソーシャルメディアの利用が増える、リスクも増える、うまく使えばリターンも増えるということで、どんどん増えるはずです。

でも、日本企業はあまり積極的でないです。

その理由の一つとして考えらるのは・・・

あくまで会社の損害やリスクをどう減らすかというリスク回避の観点のみで書かれているものが大多数であることが挙げられると思います。

だから、項目は〜してはいけない、という否定の比率がすごく高いんです。

極端に言えば、そのようなリスク的な観点は既に就業規則に含まれる部分もあるので、ポリシーを作らなくても済んでしまう(済んでしまったと思い込んでしまう)

しかし、それは誤りなんです。

今回のレポート結果をみても、ポリシー策定企業の63%は従業員の生産性の上昇に大いに貢献したと、プラス面のリターン評価が高いのです。

ですから、日本企業はポリシー策定する必要かどうかを問うよりも、「ソーシャルメディアポリシー策定することで従業員の生産性を飛躍的に高めるためにどのような項目を含めていくべきか?」と問い、より積極的にプラス面を引き出すポリシー策定を目指すべき
ではないでしょうか?

次回は、参考にBraian solisの25項目のポリシーを紹介したいと思います。