株式会社ソーシャルインパクト・リサーチ代表パートナー。慶応大学大学院(KBS)卒。早稲田大学院環境エネルギー研究学科博士課程在籍中。証券アナリスト。持続可能な社会の実現のために、ソーシャルインパクトの評価測定、そしてソーシャルインパクトをお金にかえる仕組みを提案。ソーシャルインパクトの評価測定、インパクトファンドの運営等を事業としておこなう。Twittier:kumataku1
2011年10月27日木曜日
エンゲージメントの要素とは?
アメリカだと、Facebookの利用率とソーシャルキャピタルには相関がある、というデータ、分析が出ています。
つまり、Facebookの利用率が高まると、より市民の参加意識が高まり、選挙などの投票にも積極的に行き、人生の満足感、社会への信頼感も高まる、というデータが出ています。
つまり、ソーシャルメディアはソーシャルキャピタルを高めるツールとして機能しているということです。
このことを企業の文脈に当てはめるとどうなるでしょうか?
ソーシャルメディアを使うことで、市民のソーシャルキャピタルを高めることができるならば、企業もソーシャルメディアを効果的に使うことで、企業ソーシャルキャピタルを高めることは十分に可能と思われます。
そのためには、エンゲージメントを高めていくということになると思います。
エンゲージメント、日本語ではキズナでしょうか? この言葉はソーシャルメディアのキーワードとしてよく使われますが、その意味するところは多様な意味を含んでおり、一義的に定義が難しいと思います。
参考までに、Razorfishはエンゲージメントを構成する6つの要素を挙げています。
1. Valued:相手に価値を提供しないと、喜ぶことをしないと駄目だということです。独りよがりは効果が低い。
2.Efficiency:相手の時間をムダにしたり、煩雑、めんどくさいのは嫌われます。
3.Trust:信頼される関係を構築しないといけません。この会社は信頼できる会社と思われるかどうか。
4.Consistency:前述の3つに比べると重要性は落ちますが一貫性も必要とされます。一貫性は信頼性も高めますし、ブランド認知を高める上でもばらばらなメッセージを発していると関係は深まらない。
5.Relevance:関連性も重要となります。その会社は何に強いのか、何の会社なのかが認識されることが必要です。
6.Control:自分がコントロールしているという感覚がエンゲージメントを高めます。
2011年10月26日水曜日
情報経済パラダイム第3フェーズ
企業も、個人も、情報を独占することで価値を生み出す時代から、情報を共有(シェアリング)することで価値を生み出す時代に転換しつつあるように思います。
個人も企業も、オープンにつながり、つながりの価値を活かすという発想が求められているようです。
これまでの、情報経済のパラダイムを大きく分類してみると、
第1フェーズ ①情報を独占することの価値(マイクロソフト)、Copyrightという特許以上に強力な独占
第2フェーズ ②情報を見つけることの価値(ヤフー、グーグル)、人力の情報整理から、機械検索へ
第3フェーズ ③情報を共有することの価値(Facebook)
①→②→③と進んでいき、現在は③に入っていると思います。アップルも、③の情報を共有する価値を提供する会社と位置づけられるといいと思います。
情報を共有する仕組みとして、ソーシャルグラフ、そしてインタレストグラフの重要性がどんどん増してくるので、この第3フェーズの覇者が生まれてくると思います。
2011年10月25日火曜日
ソーシャルメディア疲れが広がりつつある!?
日本企業、特に大企業の中に、「ソーシャルメディア疲れ」がますます広がっているように思います。何故、日本の企業はソーシャルメディアをうまく使えこなせないのか? 目に見える経営の成果をあげることができないのか?
別のいい方をすると、上図のLadder of engagementの階段の2段階目に踏みとどまっている企業が多い、ということです。
私がみるに、大きくは4つの原因があるように思います。
①企業文化の問題(オープンで透明性の高い企業文化を作り、顧客とコラボレーションで価値をつくりあげていくことに不得手)
②新しいマーケティングパラダイムの変化についていけていない(エンゲージメントモデルの理解、マーケティングを投資という考え方・運用の仕方がまだ未整備)
③ソーシャルメディアのデータを活かしきれていない(目標(Goal)設定の曖昧さ、ソーシャル化で生まれる大量のコミュニケーションデータの活かし方がわからない、コミュニケーションデータと財務データの統合が整備されていない、自社にまつわるキーワードのモニタリングとセンチメント分析だけに終始している)
④リアルタイムのリスクマネジメント体制ができていない(リアルタイムのモニタリング体制、社内の危機管理体制、危機の認定→連絡フローの決定、ガイドライン、運用マニュアルなど)
逆に言うと、以上の4つの領域をさらに踏み込んでいくということが日本企業の処方箋となるだろう。
企業文化をよりオープンにし、新しいマーケティングのパラダイムをみにつけ、ソーシャルメディアから生まれる大量のコミュニケーションデータを経営の成果に転換する方法論をマスターし、リアルタイムのリスクマネジメント体制を作り上げることだ。
2011年10月24日月曜日
大企業とベンチャー企業のマーケティングの接近
マーケティングの前提条件の変化
大企業とベンチャー企業のマーケティングの接近
これまでは、大企業のマーケティングとベンチャー企業のマーケティングのフレームワークは大きな違いがあった。大企業は潤沢な広告費をもちマスメディアを使うことができたのに対して、ベンチャー企業はその資金的な余裕がなかったからである。
しかしながら、ソーシャルメディアのマーケティングにおいて、その状況は大きく変わってきている。ソーシャルメディアのマーケティングでは媒体費用は無料かごくわずかな費用しかかからない。
また、これまでのマーケティングの4Pに加えて、5番目のP(人)が重要になり、ヒューマンタッチが重要になり、このことはむしろベンチャー企業にとって有利になる要素もあるからだ。
ソーシャルメディアのマーケティングにおいてベンチャー企業も大企業に競争上大きく不利になることはないのだ。ソーシャルメディアのマーケティングにおいて大企業の方がベンチャー企業よりも効果をあげやすいかというとそういうこともない。
実際に、Facebookのファン数にでも、大企業に伍してベンチャー企業が健闘しているケースも多いみられている。
むしろ、ソーシャルメディアの基本を押さえて正しいステップを踏んでいるかどうかの違いの方が大きいと言える。
図表●は筆者が企業のソーシャルメディアのマーケティングを提案する際に用いるフレームワーク、戦略マップである。このフレームワークは大企業でもベンチャー企業でも区別なく使うことができる。
手順は7つのステップに分けられる。
1目標の設定
2ブランディング
3顧客ターゲット
4ソーシャルメディアミックス
5コンテンツ配信管理
6ブレインストーイング(戦術の決定)
7ソーシャルメディア効果測定
(詳細は省略)
大企業とベンチャー企業のマーケティングの接近
これまでは、大企業のマーケティングとベンチャー企業のマーケティングのフレームワークは大きな違いがあった。大企業は潤沢な広告費をもちマスメディアを使うことができたのに対して、ベンチャー企業はその資金的な余裕がなかったからである。
しかしながら、ソーシャルメディアのマーケティングにおいて、その状況は大きく変わってきている。ソーシャルメディアのマーケティングでは媒体費用は無料かごくわずかな費用しかかからない。
また、これまでのマーケティングの4Pに加えて、5番目のP(人)が重要になり、ヒューマンタッチが重要になり、このことはむしろベンチャー企業にとって有利になる要素もあるからだ。
ソーシャルメディアのマーケティングにおいてベンチャー企業も大企業に競争上大きく不利になることはないのだ。ソーシャルメディアのマーケティングにおいて大企業の方がベンチャー企業よりも効果をあげやすいかというとそういうこともない。
実際に、Facebookのファン数にでも、大企業に伍してベンチャー企業が健闘しているケースも多いみられている。
むしろ、ソーシャルメディアの基本を押さえて正しいステップを踏んでいるかどうかの違いの方が大きいと言える。
図表●は筆者が企業のソーシャルメディアのマーケティングを提案する際に用いるフレームワーク、戦略マップである。このフレームワークは大企業でもベンチャー企業でも区別なく使うことができる。
手順は7つのステップに分けられる。
1目標の設定
2ブランディング
3顧客ターゲット
4ソーシャルメディアミックス
5コンテンツ配信管理
6ブレインストーイング(戦術の決定)
7ソーシャルメディア効果測定
(詳細は省略)
登録:
投稿 (Atom)