2011年10月8日土曜日

企業パラダイムの変化、外部性を企業内にどう取り込むか?

企業パラダイムの変化、外部性を企業内にどう取り込むか?

震災後、日本の主力銘柄の1角が暴落している。
東京電力然り、
トヨタ、野村証券、第一生命、ソニー、任天堂・・・・

これまでの企業パラダイムが明らかに変化したのだと思う。

これまでのパラダイム
企業→市場メカニズム
市場メカニズムで対応できない外部性がある→公共セクター
という役割分担。その間をNPOやソーシャルベンチャーがわずかに埋めてきた。

その企業も、負の外部性に対応することを社会から要求される。それが企業の社会的な責任として課せられるようになってきた。

そうすると、企業の境界も組み直しが必要にある、
これはまた、営利企業と非営利企業の境界が曖昧になりつつあることにも通じる話だ。

そうすると、新しい公式が必要となる、
震災前の時価総額 – 負の外部性=震災後の時価総額

また、逆にこれはチャンスでもある。企業によっては、
震災前の時価総額+正の外部性=震災後の時価総額

正の外部性をどうやったら企業の境界内に取り込むことができるかは、
今後の企業戦略の中でも最上の戦略の一つになるだろう。

2011年10月7日金曜日

ジョブスの社会的なインパクトは約20兆円?

ジョブスの死によって考えた、個人の社会的なインパクト

社会的なインパクトとは、世界の人の意識と行動の変化を生み出すということである。

新しく生み出した製品(Mac、ipod,iPhone,その他)→世界の人の行動の変化→雇用、別のイノベーションの誘発→(連鎖)→(連鎖)

インパクトの計測

限界分析(marginal analysis):
もしジョブスがいなかったら、生まれなかったものは何か? もしくはいなかったら、その誕生が遅れてたものは何か?

影響の範囲: 身内<企業<産業<全世界
影響の持続性: 短時間<年<数十年<永遠
影響の強さ: 計量可能< 計量不可能(計り知れない)

全世界に、永遠に、計量不可能な社会的なインパクトを与えたという意味で、本当に偉大な人物だと思います。

推定するに、ジョブスの社会的なインパクト価値は、20兆円強ではないかと想定されます。

マーケティング前提条件の変化 広告の担い手の変化


マーケティング前提条件の変化
広告の担い手の変化(企業から→顧客、顧客間へ)


 ソーシャルメディア時代のマーケティングの変化の一つに、「広告の担い手の変化」が挙げられる。これまでの常識は、広告は企業がおこなうものであった。しかしながら、今や、それが非常識、少なくとも非効率になりつつある。

 図をみてもわかるように、企業が自ら発信する広告の信頼性は低下している。

信頼できる情報源として、一番に友達、次に家族、ネットでの商品レビューという順番である。つまり、企業が発信する情報よりも、信頼できる友達や家族、そしてその商品を購入した知らない人の意見の方が影響力は高くなりつつあるのだ。

 今後、さらにソーシャルメディアが普及すると、このトレンドはますます強まることが予想される。広告は企業がやるものという大前提が崩れつつあるのだ。企業は、広告費を増やすよりも、積極的に顧客の声を活かすことを考えなければならなくなっている。

経済学に比較優位という概念がある。もともとは国家の貿易の利益を説明するのに使われた概念である。それぞれの国が他の国に比べて競争優位なものに特化して生産し、交換(貿易)することで、お互いの国がより豊かになれるという考え方である。

企業と消費者にも、この比較優位という概念を用いることができる。企業と消費者でどちらの方が広告に優位性をもっているか? 現在は企業よりも消費者である。であるならば、広告を消費者に担ってもらう方が企業の競争優位性は高まるのである。

2011年10月6日木曜日

ソーシャルメディア時代のマーケティングパラダイム

 
この1年間で任天堂の時価総額は1.5兆円、約70%減少した。
これに対して、ソーシャルゲームを展開するDeNA、グリーの時価総額は倍増した。

 ソーシャルメディア普及にともない、これまで絶対安泰と思われていた大企業が苦境に陥っている。一方で、ベンチャー企業の中で急速に成長している企業も目立つ。

 これは、大企業とベンチャー企業 のマーケティングのパラダイムが根本的に変わりつつあることの前兆ではないのか?

 同じようなことはゲーム業界以外でも起きている。

 例えば、ぐるなびと食べログ。ぐるなびは、これまで飲食店のクーポン市場を席巻してきたが、食べログがユーザーからの評価を取り入れることによって、後発であったが、先発者ぐるなびの牙城を切り崩すことに成功した。

 これも、価値を提供するのは企業側ではなく、ユーザーからの情報、ユーザー同士であるという象徴的な事例である。

2011年10月4日火曜日

ソーシャルベンチャーは投資の対象となりうるのか?

昨日のイベントで、「ソーシャルベンチャーは投資の対象となりうるのか?」をテーマにプレゼンを行いました。

ソーシャルベンチャーの主な資金調達手段として、助成金以外には、融資、寄付、投資がありますが、

融資は、担保、実績が求められるので今後も拡大が難しいでしょう。

寄付は、震災から時間がたちJustGivingの寄付額の低下、日本赤十字の資金使途の不透明感もあり、純粋な寄付が今後伸びていくシナリオの実現性はだいぶ減ったのではないでしょうか?

ということで、消去法としても、投資の可能性について考えていきたいと思っています。リターンとしては特典のようなソーシャルリターンも含めたものですが。

いろいろな意見がでてまとめきれませんが、毎回、ソーシャルなのか?ベンチャーなのか? で議論が分かれるように思います。この部分は頭の切り替えがすんなりとは難しいですね。

投資インパクトをどう高めるかの議論もありました。

プレゼンしてくれた佐藤さんのソーシャルビジネスのフランチャイズモデルが面白いと思いました。持続可能性がないと、そもそもの社会的なインパクトもそもそもないですからね。

この会はソーシャルベンチャー系の人と、金融畑の人がいて2極化していて、水と油の面もありますが、それをうまく融合できれば面白い可能性があるのではないかと思っていますので、

来月以降もやりますので是非ご参加下さい。

2011年10月2日日曜日

ソーシャルキャピタルのリバイバル

 講演会で、ソーシャルメディアのワークスタイルについて話しました。
ソーシャルキャピタルについて考えたことをまとめました。

経済学のソーシャルキャピタルはソーシャルメディア時代に新しい概念化が必要だと思っています。オープン化が生み出す新しいメカニズムが期待できるからです。


ソーシャルキャピタル2.0