株式会社ソーシャルインパクト・リサーチ代表パートナー。慶応大学大学院(KBS)卒。早稲田大学院環境エネルギー研究学科博士課程在籍中。証券アナリスト。持続可能な社会の実現のために、ソーシャルインパクトの評価測定、そしてソーシャルインパクトをお金にかえる仕組みを提案。ソーシャルインパクトの評価測定、インパクトファンドの運営等を事業としておこなう。Twittier:kumataku1
2011年5月27日金曜日
ソーシャルCRMって何だろうか?
Social media Examinerの記事「What is Social CRM」をもとに、この問題を考えていきたいと思います。
ソーシャルCRMを定義するのは難しいですが、まずは4つのポイントを指摘しています。
1 ソーシャルCRMは戦略である。
いろいろなツールやテクノロジーがありますが、ソーシャルCRMは顧客のエンゲージメントとインタラクションをベースにする戦略であり、トランザクションはその副産物である!
2 ソーシャルCRMは従来のCRMの要素も残している。
カスタマーとの関係性をマネージし、効率的に情報を処理し、バックエンドのプロセスとシステムという従来CRMの側面は残す。
3 ソーシャルCRMは個々の組織によって意味合いが異なる
自分の組織が解決しようとうする問題をまずは理解することがカギとなる。ソーシャルCRMはそれを解決する手段となるだろう。
4 ソーシャルCRMは組織内外でビジネスをよりソーシャル的に、より協調的する一つの構成要素となる。
これでは、まだソーシャルCRMが定義されたとは言えませんね。
もう少し従来CRMとの対比をみて、イメージを深めます。
従来のCRM
本当は顧客は中心ではない!
一方向型のコミュニケーションに依存
顧客にもっともっと買ってもらうことがやっぱり目的
顧客に関して集めたデータと情報をもとに、効率的に顧客を狙う
ソーシャルCRM
顧客がまさに中心!
カスタマーと対話することでビジネスの問題を協同で解決しようとする
顧客経験をより深める
顧客との関係性をより深め、顧客支持を高める
単なるファンやフォロアーをカスタマーに、そして熱狂的支持者に変える
なぜ、このようなソーシャルCRMヘの進化が必要となるのか?
顧客が変わったから、ソーシャルコンシューマーになったから。多くの企業がまだソーシャルCRMのもたらす価値に気付いていないと指摘しています。
対話、顧客とのインタラクション、さらにはその人のソーシャルグラフが購買決定に決定的に重要な情報となったわけで、これを従来CRM、取引履歴データとどう統合すると、より価値あるインテリジェンスを生み出すことができるかが問われていると思います。SalesforceがRadian6を買収したのはその流れと考えられます。
ファンやフォロワーをお金を払ってくれる顧客にどう転換するかにソーシャルCRMが貢献できればその価値ははかりしれないと思いますね。この方法論がソーシャルメディア業界のコンサルタントに本当に求められていると思います!
2011年5月26日木曜日
顧客価値がソーシャルメディア効果測定のベースになる!?
顧客価値がソーシャルメディア効果測定のベースになる!?
Brian Solis 「You Can’t Measure What It Is You Do Not Value」
簡約+私のコメント
今回のテーマはかなり包括的です。ソーシャルメディアに関して今言えることはここまででしょう、というところまで言っていますので頭の整理の為には最適かも。
ソーシャルメディアでよく問われるのは、ソーシャルメディアROIをどう測るかです。R、リターンの明確化、ゴールの明確化がまず必要になります、これも決まり文句のように言われている話。だいたいはここまでで話で終わりますが、今回はもう少し踏み込んでいます。お客に提供する価値を明確化にして測定が可能になると述べています。
TwitterのフォロワーやFacebookのファンなどのコネクション、つながりは第1段階に過ぎません。その先にはやはりコミュニティがあります。コミュニティは「相互の利益」が必要となります。
顧客、見込み客に利益を与えるには、お客に価値を提供しなければなりません。お客が何を求めているのか、それをどう届けるのかをよく理解しなければなりません。
まずは、顧客が求める価値、経験をどう定義するかを述べてみましょう。例えば、なぜFacebookでファンになってもらいたいのか? どういう価値をファンに提供するつもりななのか? どういう顧客体験がデザインされているのか? 多くのソーシャルメディアキャンペーンでは、顧客にとっての価値と意味が明確に表現、定義されていません。それでは、測定の基盤がないのも同然なのです。
また、自分の会社で何を解決しようとしているのか、望ましい結果とは何かを定義することは、測定可能なプログラムの第一歩になります。もしそれがなければ、記録されるのはゴールとの距離ではなく、活動の記録だけです。これではゴールとの距離が縮まっているのか開いているのかはわかりませんよね。
次にやることは、
・顧客、見込み顧客のニーズと機会を理解する
・顧客のニーズにあうプログラムをデザインして、目に見える価値を提供する。
・そして、それを自分の会社のGoalと結びつける結果とリターンをデザインして、組織の進歩、パフォーマンス、機会を捉えるKPIを統合する。
・組織内に社会的なプレゼンスの間に反復可能な明確なプロセスを作り出す。
などが挙げられます。
コンサルタントの方が、ソーシャルメディアROIをどう計りますかと質問されたら、お客さんにどういう価値を提供しようとしていますか?と聞き返すという防御法もあるかもしれません。
2011年5月25日水曜日
ソーシャルメディア会計の提唱
ソーシャルメディアの効果を捉える上では、新しい会計、新しいソロバンが必要になるのではないか?
例えば、ソフトバンクの孫さんの100億円の寄付について考えてみよう。
このニュースは、TVでも放送されたがTwitter上で118万人のフォロワーに瞬時に伝わった。
会計上は、寄付は100億円のマイナスになる。
しかし、ソフトバンクへの効果面は、
広告PR効果
消費者からの好感度が高まる効果
新たなファン、ソーシャルグラフを拡大する効果
エンゲージメントを高める変化
消費者の行動を変える効果
さらに、将来の新事業の展開オプションを生む効果
など、さまざまなプラスの効果を生む。
従来の会計では、-100億円のマイナスだが、これらの効果を考えると、十分にプラスの投資にすることは可能だ。
ポイントは、
投資として考える
ソーシャルグラフが大きいほど情報伝播が高まり、プラスの効果を刈り取りやすくなる
行動変容の効果を金額j換算する
TwitterやFacebookが普及したハイパーコネクテッド社会では、情報伝播の力が強まるほど、ソーシャルキャピタル、ウッフィーを増やす好意は、プラスの効果を生みやすいと言えるだろう。
この考え方は、ソーシャルメディアのプロジェクト効果の換算や、CSRにも応用することができる。
CSRで例えば1億円の義援金。
これを、費用としてでなく投資として考える、
まず、広告PR効果を換算する←ただし、これは自社のソーシャルグラフの大きさによる。
新たなソーシャルグラフを拡大する効果
行動変容の効果(協力してもらいやすくなる、購買促進など)を勘案する。
ソーシャルインパクト、ソーシャルキャピタルをどう捉えるかがますます重要になってきたのである。
2011年5月24日火曜日
ソーシャルメディアに関する企業側の勘違い
IBMがまとめたレポート
What customers want The first in a two-part seriesFrom social media
to Social CRM What customers want The first in a two-part series
があります。
この中で、
ビジネスで顧客に密着することがビジネスの中でトッププライオリティになったというCEOのアンケートととともに企業と顧客の間の考え違いがソーシャルメディアを有効に活用できていない理由として挙げています。
まず、ソーシャルメディアを活用する理由は、友達や家族とつながるためが70%、企業とインタラクションするためは23%に過ぎません。
また、ランキングでは
消費者側はディスカウントやパーチェスを高いランキングにしてますが、企業側がそれほど重要視してなく低いランキングにしていて、そこに考え違いが起こっています。
消費者は企業が考えるよりも、ずっと現実的のようです。
ですから、
企業側もソーシャルメディアでつながってもらうためには、より現実的に、
消費者の時間、関心、時間などを奪う代償として、
目に見える価値、意味のある(相手にとって!)経験をどうデザインしていくかという観点からソーシャルメディアを設計する視点が重要になります。
What customers want The first in a two-part seriesFrom social media
to Social CRM What customers want The first in a two-part series
があります。
この中で、
ビジネスで顧客に密着することがビジネスの中でトッププライオリティになったというCEOのアンケートととともに企業と顧客の間の考え違いがソーシャルメディアを有効に活用できていない理由として挙げています。
まず、ソーシャルメディアを活用する理由は、友達や家族とつながるためが70%、企業とインタラクションするためは23%に過ぎません。
また、ランキングでは
消費者側はディスカウントやパーチェスを高いランキングにしてますが、企業側がそれほど重要視してなく低いランキングにしていて、そこに考え違いが起こっています。
消費者は企業が考えるよりも、ずっと現実的のようです。
ですから、
企業側もソーシャルメディアでつながってもらうためには、より現実的に、
消費者の時間、関心、時間などを奪う代償として、
目に見える価値、意味のある(相手にとって!)経験をどうデザインしていくかという観点からソーシャルメディアを設計する視点が重要になります。
2011年5月23日月曜日
ソーシャルCRM CRMがC(顧客)を飛び越える日!?
ソーシャルCRMがメインストリームに入りつつある。
なぜCRMにソーシャルを取り入れる必要があるのか?
もともと、CRMは顧客の関係性の管理のこと。
この概念が広まったのは,ドン・ペパーズ、マーサ・ロジャーズの提唱したOne to Oneと関係が深い。
One to Oneの概念は実は最初はあまり受けが良くなかった。顧客と1対1の関係性を管理する手段がなかったから。また、それをやろうとするとコストがべらぼうにかかるから。話としては面白いが非現実的とみられていた。
しかし、インターネットが状況を変えた。One to Oneは現実的であり、割にわるのだという新しいパラダイムが生まれた。
そして、今、ソーシャルメディアによって、またパラダイムが変わりつつある。
CRMのCだけ、顧客だけ管理していればいいのか?
CLV(顧客生涯価値)だけをみているだけでいいのか?
ソーシャルメディアの本質の一つに、影響力の拡散がある。影響力は顧客を中心に広まるにしても、その影響力は顧客を超えている。また、口コミは顧客だけで起こるわけではない。CLV(顧客生涯価値)は本当はその顧客が影響を与えた人たちへの影響CRV(Customer referral value)も含めて考えなくはいけない。
だから、CRMは既に顧客であるCを飛び越えているのだ。
問題なのは、目に見える顧客ではなく、目に見えない影響力の方なのだ。
目に見えない影響力の価値をどう計るか? それを企業はどう戦略的に利用できるか?
顧客という目に見えるものから、影響力のような目に見えないプレゼンス、そのソーシャルなインパクトをどう捉えていくかの重要性が高まっているのだと思う。
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