2015年5月20日水曜日

これからの企業アナリストに求められること

 統合報告書のスタート、日本スチュワードシップコードのスタート、コーポレイトガバナンスコードもいよいよ今年の6月からスタートとなり、投資家と企業がより意味ある関係性をいかに構築できるかが試されるようになってきました。

このような環境変化にともにない、企業アナリストの役割も変わって行く必要があるのだと思います。

 これまでのアナリストの役割は、その企業の財務情報を分析して将来株価があがるかどうかを予測すること。これに対して、これからのESGアナリストの役割は、財務情報だけでなく、非財務情報も活用して、そのつながりから将来株価があがるかどうかを予測するとともに、企業活動の社会や環境への影響を評価し、その企業が本当に社会に価値をもたらしているかどうかを評価することではないかと考えます。

そういう意味では、企業アナリストはESG的視点、ESG分析をもたなければならないと思います。

ただし、財務情報と非財務情報は水と油のようなもので、そのままでは、うまく分析することができない。財務情報は定量データが主、非財務情報は定性データが主です。ですから、いかにこの2つを統合して分析できるかという「統合的思考」が、企業アナリストにも求められるのではないかと考えます。

例えば、以下のような質問に、企業アナリストはいかに答えることができるか?

  • どのESG要因(環境、社会、ガバナンス)がその企業にとって重要なのか? その理由は何か? その企業のESG要因はどの程度将来のリスクとつながっているのかどうか? 
  • その企業のESG要因は、その企業の財務情報にどのようにつながっているのか? ESG要因の改善は財務のパフォーマンスにどの程度つながるのか?
  • ESG要因の中で、その企業に重要なKPIはなにか? その理由は何か? どのような前提があるのか?
  • その企業は、ESGパフォーマンスと財務パフォーマンスが両立しているのかどうか?
  • その産業セクターの中で、どの企業のESGパフォーマンスと財務パフォーマンスが両立している企業なのか? etc