2011年6月10日金曜日

企業がソーシャル化するための必要なこと?




まだ日本ではソーシャルメディアのツール的な使い方の議論が主流ですが、海外では組織変革と絡めた議論が多くなっていますね。シャーリーン・リーのフェイスブック時代のオープン企業戦略もそういう視点ですしね。

ソーシャルメディアを本当に使うこなす上では、結局はカルチャーまで含めた組織の変革まで議論が進んでいくようにに思います。

Social Media Examiner でThe 3pillars of Social Medeia Readinesssという記事で、その辺りをうまくまとめてくれています。

まず基本認識は、ビジネスのソーシャル化は一時的なブームではなく、これからの企業の新しい進化の姿なのだということが論じています。

企業は双方向の対話を通じて、ソーシャルエクイティというべきものを増やす。3つのF(Freiends,fans,Followers)が重要な指標となった。また、カスタマーとのエンゲージメントを作る上では、オープンであることと透明性の確保が鍵となっています。

企業がソーシャル化(ソーシャルビジネス化)するには、ツールを使いこなすだけでは不十分です。ソーシャルビジネスは、カルチャー、内部コミュニケーション、トレーニング、従業員のモチベーションなど、様々なことが関係してきます。

米国では、企業がRadian6やMeltwaterBuzzなどのモニタリングツールを使って、カスタマーの会話に耳を傾けるようになったり、また、自分たちのコミュニティを活性化するためにコミュニティマネジャーという新しい役職も生まれています。こういう過程を通じて、ほとんどの企業はソーシャルビジネスになる途上になる。

ただ単に、ソーシャル的な振る舞いができるようになるだけでなく、ソーシャルビジネスに進化していかなければ、今後の企業は生き残れなくなる。

ですから、ソーシャルビジネスのためには、新しい柱(人、ガバナンス、テクノロジー)を持つ必要がある。


組織の壁、垣根を取り払って、内部のチームがコミュニケーションできるようになり、組織の最も重要な資産である従業員の活性化が図られなければならない。

ガバナンス
トレーニング、ソーシャルメディアガバナンス、ポリシーは組織がモニターし、組織内で協調する上では不可欠になる。一貫性を保証し、組織を守るとともにエンパワーする役割を果たす。

テクノロジー
コラボレーションを活性化するプラットフォームへの投資が不可欠になる。ソーシャルCRMが重要な役割を果たす。カスタマーと意味のなる価値ある対話する際に、何を言うべきか、どう言うべきか、いつ言うべきかを知らなければならない。

今後、日本企業でも必要になる視点と思うので、こういうことが将来必要になるんだなという認識を予めもっておくことは大切ではないかと思います。

2011年6月9日木曜日

ソーシャルメディアはメールマーケティングを代替するものか?

2011年のsocial media marketing report において、興味深かったのは

現状、ソーシャルメディアと併用しているマーケティング手法のベスト3は
メールマーケティング  81%
SEO 68%
イベントマーケティング 64%

ソーシャルメディアの普及はもちろんですが、メールマーケティングは幅広く活用、併用されています。

また、今後のメールマーケティングの活用予定においても、

増加予定 64%
減少 3%
同じ 27%
予定なし 5%

まだまだメールマーケティングを積極的に活用する意向があるようです。

特に、大企業よりも中小企業において、メール活用の意向が強いようです。ソーシャルメディアを使いつつ、既存メールマーケティングを強化するにはどうしたらいいかも考えてみる必要があるでしょう。

現状では代替ではなく、補完という位置づけのようです。

ただ今後を考えると、フェースブックの新しいセンドボタンはメールマーケティングにどういうインパクトを与える可能性があるか? などテクノロジーが影響を与える可能性もまたあります。

2011年6月7日火曜日

ソーシャルファイナンスの幕開け

ソーシャルメディア、ソーシャルウェブの適用できる分野として、ファイナンス分野があります。

この分野の海外のプレーヤーとして、kiva、Microplace、Prosper、Zopa、LendeingClub、Virgin Moneyなどがあります。

日本でも、ミュージッックセキュリティーズ、maneo 、AQUSH、JustGivingJapanなどがあります。

実績という面では、海外と比べると、日本はまだまだ遅れているようです。

震災によって、ある程度の変化はみられます。ミュージッックセキュリティーズの震災応援ファンドなどもテレビなどで盛んに報道されました。


A.Ashta and D.Assadi

図は海外のプレーヤーがどういうインタラクションを生んでいるかを示したものです。

① ブログをもっているか、②貸し手と借り手の間のインタラクションを生み出しているか、③レビューやコメント機能をもっているか、④コミュニティやチャットなどのやりとりがあるかを示したものです。

ソーシャルメディアを応用し、この部分のインタラクションを生むことで、不確実性、情報の非対称性を解消する手段となりうるようです。

日本国内においても、規制の問題はあるのですが、このアプローチをもっと応用できるように思います。ソーシャルメディア上の信用情報Kloutのような新しい指標も生まれてますから。