2011年5月21日土曜日

ソーシャルベンチャーの方が企業よりもソーシャルメディアの使い方がうまい?

例えば、フローレンスの駒崎さん、twitterフォロワー1万3千人、
様々なメディア露出価値を金銭価値に換算すると、約7億円に達するという。

どうして?

その理由は、ソーシャルなことをやっているから。
ソーシャルな考え方をしているから。

では、ソーシャルなことって何なのか?
では、ソーシャルな考え方って何なのか?

自分だけでない、利他的な考え方
自分とともに、社会のことを思いやる考え方、生き方。

こうすると、なぜ、人は広めてくれるのか?

その考え方が広まるとみんなも幸せになれると思い、みんなが自然に広めてくれる。広まれば広まるほど価値が高まってくから。みんなが生きやすくなるから。自分も結局得をするから。

自然に広まっていく。価値の交換が生まれる。

交換。そのもとは?
ソーシャルカレンシー(社会的通貨)

循環するほど価値がます。人が交換を繰り返すほど価値が高まっていく。
自分だけでためることはできない。循環こそがソーシャルカレンシーの本質。

企業はここから何を学べるのかな?
何をまねすることができるのかな?

投資ファンドもソーシャルな時代に入った!?

昨日は、ミュージックセキュリティーズの被災地応援ファンドの説明会に行ってきました。

もともと、ミュージックセキュリティーズは音楽CDのファンド事業をやっていました。CDの原盤の権利取得費用、例えば150万円とか200万円を小口出資によってまかなおうというものです。

いつのまにか、被災地支援などのようなソーシャル分野へのマイクロファイナンスの担い手に変貌しつつあります。

この会社がうまいのは単に金銭的リターンだけでなく、ソーシャルリターンの部分も意識させて、お金集めを仲介している点です。

今回の被災地応援ファンドでは、ソーシャルリターンとは、被災地を応援したいという気持ちです。また特典で、名物料理を食べ放題みたいなものもアピールしています。

今回は5000円が寄付、5000円が出資になります。手数料は500円です。
出資といっても、株主の権利ではなく、匿名組合の出資になります。

リターンの設定は実は応募直前のページにならないと出てきません。この辺りはミュージックセキュリティーズ側がよく考えてのことでしょう。お金を集め側にいたことがある人間にはわかる話です。

投資リターンは、ある基準の売上を設定して、それを上回った場合の分配金を決めておくという方法です。売上の基準値設定が実際の業態からみるとかなり高めに設定されているので、投資家がリターンを得られる可能性は高くはないでしょう。ソーシャルリターンで補ってください。

本来的なことを言うと、会社の株主と匿名組合の出資者の間には利害のコンフリクトがあると思います。その解消方法は示されておらず、まあざっくりやっているようです。

投資ファンドもソーシャルな時代に入りつつある予兆を感じさせるので、非常に興味深いです。

ソーシャルメディア時代の新しいCEOの必要性 chief editorial officer

An Interview with Get Satisfaction on the Future of Service, Media and Business

メモとコメント

ソーシャルメディアな時代に、Brian solisが本を頻繁にアップデイトする理由を語っている。一言で言うと、オーディエンスに、ブログやTwitterでは与えられない異なる顧客経験を与えうるということ。

ソーシャルメディア時代には全ての企業が自分の会社をメディア企業にポジショニングする必要性がある。ユーザーにとって役立つ、関連性が感じられる、面白いコンテンツを作るのはトライアンドエラーで当然失敗はつきもの。

ソーシャルコンシューマーは自分のFBのニュースフィードやソーシャルストリームに、役立つ情報が表示されることを望む。→コンテンツがユーザーの関心と関連性が低かったり、退屈、売り込みすぎるとすぎにユーザーは簡単にアンフォローする
→新しい時代には、CFOが必要。 chief editorial officer

人間らしくあるといういうことと、有能性のバランスをどうとるべきか。

昔のビジネスはユーザーから直接エンゲージメントからどう離れるかのために投資したが、今は全く逆。ユーザーに直接どう関係を作るかがビジネスの最優先になっている。
→そのために、経営哲学、インフラ、また本当にユーザー中心のカルチャーを作らなくてはいけない。

未来のビジネスは、従業員とサポートシステムで、どうユーザーと意味あるエンゲージメントを作ることができるかにかかっている。

アップルはユーザー経験をデザインすることに成功している。最初から最後まで。製品はそのユーザー体験の一部にすぎない。バージンアメリカも成功例。

FBをソーシャルウェブのホームベースに、Twitterを関連する窓口にするのが基本。意味あるユーザー体験を作るためにはFBの入り口もユーザー毎にカスタマイズする必要がある。

ソーシャルメディアの活動をアウトソーシングするのは、 直接的なエンゲージメントやコンテンツを作りだすことによって 本当にユーザーに意味ある、エンパワーさせる体験を作りだせるなら話が別だが、本来的には自社内でやるべき話。

ソーシャルメディアで顧客体験をどうデザインするか?

Why I Don’t Like Your Brand on Facebook

簡約とコメント

 今回は、ボスがヨーグルトに自分をみつけてくれと頼まれて、それを引き受けたというコミカルな話からスタートする。

 ブランドがフェースブックページを持つのが当たり前となって、どこにあるかを示してくれているケースは多くなったが、お客がなぜわざわざそこにいくべきかのかを説明しているケースは極めて少ない。

 アンケートでは、ブランドがFacebookでlikeされる理由は、プロモーションのベネフィットを得る、新製品の情報を得る、独占的な情報を得る、ブランドのついての自分の考えを知らせるためなどが代表的な回答である。

また、メールでFacebookページのファンになることを催促するメールもたくさんくるが、その理由についてはほとんどのブランドで触れていないのが実態である。

もう一方で、とっとも面白いコンテンツをつくっても気づいてもらいないケースもたくさんある。

自分のFacebookページではどういう顧客体験を与えるのか? 顧客からの期待をどう設定し、それにどう応えていくべきかのか、その当たりを明確にする必要性が高まっているということでしょう。

2011年5月18日水曜日

ソーシャルベンチャー×ソーシャルメディア②

 ソーシャルベンチャーとは、「様々な社会的な課題に、ビジネスの手法を用いて解決を図る組織・集団」と定義される。

 ソーシャルベンチャーが目指すのは社会的な課題の解決であって、お金儲けが組織の第一義的な目標ではない。ソーシャルベンチャーはお金では解決することができない問題や、お金を目的にすると取り組むことが難しい社会的な課題を取り組むことが多いのである。

 ソーシャルベンチャーのソーシャルメディアの活用には3つの側面がある。
1つ目は、組織内外のコミュニケーションを円滑にする側面。
2つ目は、需要を生み出すマーケティングの側面。
3つ目はボランタリー経営資源調達マーケティングの側面である。

ボランタリーな経営資源とは、対価としてお金の支払いを必要としない、ボランティア、プロボノ、寄付、アドヴァイス、共感などである。ソーシャルベンチャーにとっては3つ目の側面が特に重要となる。

このボランタリーな経営資源をマーケティングを通じて調達するという考え方、手法には民間営利企業にとっても参考になる示唆が多く含まれていると思う。