「NPO × ソーシャルメディア」勉強会に参加。
日本のNPOのソーシャルメディア活用は海外と比較するとだいぶ遅れている。勉強会ではNGO/PLASのキャンペーン事例など先進的な取り組みを聞くことができた。
NPOと営利企業を比較してみたい。NPOの方がインフルエンサー(影響力が大きい人)にキャンペーン協力してもらうなどのレバレッジをかけやすい。営利企業の場合は、何か見返りをあげないと難しいし、お金を渡しインフルエンサーに協力してもらうと開示が微妙なところがあるし、隠して後でわかると批判をあびることもある。NPOが無償で協力してもらう場合はこのような問題は生じにくいし、インフルエンサーもNPOキャンペーンに協力しているいい人というブランディングにプラスになる面もある。
もう1つはNPOの場合は認知〜アクション(例えばファンドレイズ)までの階段(Ladder of Engagement)が長いことだ。ツイッターで知ってもらってもファンドレイズまでなかなかたどり着かない。大企業の場合は認知の高さもあり、キャンペーンの認知〜商品を買ってもらうという階段はそれほど長くはない。NPOの場合は、認知〜アクションに至るLadder of Engagementをより緻密に設計しなくてはいけない。オンラインだけなくオフラインも絡めたり、様々なプラットフォーム連携も有効だろう。
これまではNPOと営利企業の違いを話したが、企業側も、インフルエンサーを有効に活用することと、認知から購入まで、初期購入者からヘビーユーザーに転化させるLadder of Engagementをより緻密に設計していくということは、ソーシャルメディアの効果を高める上で重要な要素と言えるだろう。
株式会社ソーシャルインパクト・リサーチ代表パートナー。慶応大学大学院(KBS)卒。早稲田大学院環境エネルギー研究学科博士課程在籍中。証券アナリスト。持続可能な社会の実現のために、ソーシャルインパクトの評価測定、そしてソーシャルインパクトをお金にかえる仕組みを提案。ソーシャルインパクトの評価測定、インパクトファンドの運営等を事業としておこなう。Twittier:kumataku1
2010年10月30日土曜日
2010年10月29日金曜日
新しいソーシャルマーケティングに着手
新しいソーシャルマーケティングに着手
今、IT系のソーシャルメディアコンサルタントVS既存のマーケティング系のコンサルタントとの戦争が勃発している。ちょうど、そういうターニングポイントに入ったのだと思う。だから、改めてマーケティングを捉え直す必要を感じている。
時代とともにマーケティングも変わっていくのは当然だ。今後、新しいソーシャルマーケティングの枠組み作りに着手していきたいと思う。まだ未完成であるが、その思考過程もウェブでコンテンツとして提供していきたい。
まず考えるのがソーシャル化という時代の波、影響をどうマーケティングに取り入れるのか? そもそもソーシャル化とは何か?
資本主義の目的として株主価値の最大化がうたわれた時代があった。マーケティングも株主価値との関連付けを精密化する方向に進んできたのも事実。しかしながら、現在はその考え方は古くなり、時代にそぐわなくなったと思う。 株主だけでなく、ステークホルダー全体の期待を持続可能性な形でマネジメントしていかなければならない。企業の方向、目線がまず変わった。
というわけで、新しいソーシャルマーケティングはスタークホルダー全体の影響、そのソーシャルインパクトを計測し、その全体価値の向上を目的にするという方向ではないかと思う。この面では、民間企業はソーシャルベンチャーに学ぶことがたくさんあると思う。
今、IT系のソーシャルメディアコンサルタントVS既存のマーケティング系のコンサルタントとの戦争が勃発している。ちょうど、そういうターニングポイントに入ったのだと思う。だから、改めてマーケティングを捉え直す必要を感じている。
時代とともにマーケティングも変わっていくのは当然だ。今後、新しいソーシャルマーケティングの枠組み作りに着手していきたいと思う。まだ未完成であるが、その思考過程もウェブでコンテンツとして提供していきたい。
まず考えるのがソーシャル化という時代の波、影響をどうマーケティングに取り入れるのか? そもそもソーシャル化とは何か?
資本主義の目的として株主価値の最大化がうたわれた時代があった。マーケティングも株主価値との関連付けを精密化する方向に進んできたのも事実。しかしながら、現在はその考え方は古くなり、時代にそぐわなくなったと思う。 株主だけでなく、ステークホルダー全体の期待を持続可能性な形でマネジメントしていかなければならない。企業の方向、目線がまず変わった。
というわけで、新しいソーシャルマーケティングはスタークホルダー全体の影響、そのソーシャルインパクトを計測し、その全体価値の向上を目的にするという方向ではないかと思う。この面では、民間企業はソーシャルベンチャーに学ぶことがたくさんあると思う。
2010年10月28日木曜日
コトラー、マーケティング3.0をそのまま真に受けるのは安易ナリ
最近のソーシャルメディアのはやりはコトラーのマーケティング3.0のパラダイムの受け売りだが、そのまま真に受けるのはあまりに安易だ。あの本はコトラーの名前貸しの本であり、実際にコトラー自身は書いていない。コトラーが何才か知っていますか? 1931年生まれですよ。
自分は、コンテンツ、プロダクト、コミュニティという区分でマーケティングを捉え直すようにしている。メディアの違いでマーケティングを捉えても(例えばソーシャルメディアマーケティング)、それはあくまで手段であり、簡単に本質を見失ってしまうと思う。
また、環境変化によってマーケティングを分類することもしない。マーケティングは受動的なものではなく能動的な主体的な取り組みだからだ。コントロール可能なものとそうでないものの想定に大きな違いがある。
なぜ、この3分類で捉えているかと言うと、それぞれ、情報鮮度とマネタイズのしやすさやマネタイズ方法に明らかな違いがあるからだ。その情報鮮度が顧客価値の源泉になっているという想定をしている。時間をみつけて、この辺りを体系化して今後発表していきたいと思う。
自分は、コンテンツ、プロダクト、コミュニティという区分でマーケティングを捉え直すようにしている。メディアの違いでマーケティングを捉えても(例えばソーシャルメディアマーケティング)、それはあくまで手段であり、簡単に本質を見失ってしまうと思う。
また、環境変化によってマーケティングを分類することもしない。マーケティングは受動的なものではなく能動的な主体的な取り組みだからだ。コントロール可能なものとそうでないものの想定に大きな違いがある。
なぜ、この3分類で捉えているかと言うと、それぞれ、情報鮮度とマネタイズのしやすさやマネタイズ方法に明らかな違いがあるからだ。その情報鮮度が顧客価値の源泉になっているという想定をしている。時間をみつけて、この辺りを体系化して今後発表していきたいと思う。
2010年10月27日水曜日
ソーシャルメディアの今を振り返る
3ヶ月前にはTwitter関連本の出版ラッシュが続いたが一服感がある。現在は、Facebook関連のスタート本ラッシュが始まりつつある。コンサル会社のセミナーもTwitterからFacebookに主戦場を移しつつある。ほんと、早いですね。
現状の位置づけからすると、Twitterはオープンなメディア、FacebookはTwitterと比較するとかなりクローズドなメディアになっている。Twitterのフォロワーの数とFacebookのフレンズの数を比べてみて下さい。
流れ的にはオープン→クローズ→マネタイズになるとは思います。ただし、現状、Facebookの普及率、勢いがついてきたとは言え、米国とはまだ状況が違います。この当りをはきちがえると効果が出てきません。この流れとスピードを戦略的にマーケティングに活かして行くかは企業の腕の見せ所だとは思います。ブランドのない会社や小さな会社はやっぱりTwitterをまずは地道にやり、潜在顧客基盤を広げるということではないかと思います。コンテンツを磨くことによって誰でも目立つことができる。これが、オープンなネットワークの最もいいところですから。
フェーズとしても、アメリカの先進事例を学ぶという段階(ループスさんの貢献が大きいと思います)から、どう実際の運用からインプリケーションを導くか、plan do seeからさらにどう軌道修正してより効果的なplanを練るのか、より戦略的なマーケティングにソーシャルメディアを取り込んで行くかという段階に入ったと思います。盛んに行われていた無料セミナーも有料化が増えつつあります。勉強の段階終わり。ソーシャルメディアに参入するかどうか悩む段階は終わったということです。
リアルとバーチャルをどう連携させるか? Twitterでどう集客するかも、リアルな関係も重要になります。インフルエンサー、コミュニケーションハブのような方を媒介にするとスムーズにネットワークを広げることができます。これを大企業は常に考えなければならないテーマの1つですね。
既存メディアとソーシャルメディアをどう位置づけるかという問題もあります。最近、mixiのユーザー反応が極めて悪いと思いますね。このメディアは集客ツールとしての位置づけはこの1年でかなり地盤沈下したんじゃないでしょうか? Twitter普及の最大の被害者はmixiというのが私の仮説です。いい方法あったら教えて下さい(笑)
現状の位置づけからすると、Twitterはオープンなメディア、FacebookはTwitterと比較するとかなりクローズドなメディアになっている。Twitterのフォロワーの数とFacebookのフレンズの数を比べてみて下さい。
流れ的にはオープン→クローズ→マネタイズになるとは思います。ただし、現状、Facebookの普及率、勢いがついてきたとは言え、米国とはまだ状況が違います。この当りをはきちがえると効果が出てきません。この流れとスピードを戦略的にマーケティングに活かして行くかは企業の腕の見せ所だとは思います。ブランドのない会社や小さな会社はやっぱりTwitterをまずは地道にやり、潜在顧客基盤を広げるということではないかと思います。コンテンツを磨くことによって誰でも目立つことができる。これが、オープンなネットワークの最もいいところですから。
フェーズとしても、アメリカの先進事例を学ぶという段階(ループスさんの貢献が大きいと思います)から、どう実際の運用からインプリケーションを導くか、plan do seeからさらにどう軌道修正してより効果的なplanを練るのか、より戦略的なマーケティングにソーシャルメディアを取り込んで行くかという段階に入ったと思います。盛んに行われていた無料セミナーも有料化が増えつつあります。勉強の段階終わり。ソーシャルメディアに参入するかどうか悩む段階は終わったということです。
リアルとバーチャルをどう連携させるか? Twitterでどう集客するかも、リアルな関係も重要になります。インフルエンサー、コミュニケーションハブのような方を媒介にするとスムーズにネットワークを広げることができます。これを大企業は常に考えなければならないテーマの1つですね。
既存メディアとソーシャルメディアをどう位置づけるかという問題もあります。最近、mixiのユーザー反応が極めて悪いと思いますね。このメディアは集客ツールとしての位置づけはこの1年でかなり地盤沈下したんじゃないでしょうか? Twitter普及の最大の被害者はmixiというのが私の仮説です。いい方法あったら教えて下さい(笑)
2010年10月26日火曜日
ソーシャルファイナンスの定義?
ソーシャルファイナンスって何? という人もまだ多いと思う。いろいろな人がいろいろな意味で使い、一義的な定義が定まっているわけではない。
よく使われるのは、アイルランド政府報告書の「金銭的収益と同様に社会的収益もしくは社会的配当(=ソーシャルリターン)を追求する機関によって提供される金融活動」という定義である。
実はこの定義はお金を出す目的によってソーシャルファイナンスを定義していることから多分に曖昧性を有している。目的はその主体しか把握できないし、目的は複数にわかれるケースが多いからだ。
例えば、ソーシャルレンダリングの日本のパイオニアの(株)maneoの場合はどうか? 個人と個人を結びつけるP2P金融仲介サービスだが、高い利率で決まっており、お金の出し手は金銭的収益を目的とし社会的な収益の投資ではない。では、(株)maneoはソーシャルファイナンスに入らないのか? しかもその目的は外部の私が比較的高い利率で決まっている事実から推測したものに過ぎない。
そもそもお金の出し手と受け手をつなぐ金融仲介機関は、極端なことを言えば仲介であって、投資目的は関与しないと言うこともできる。
したがって、ソーシャルファイナンスを目的で定義づけることは混乱のもとになる。このため、ソーシャルファイナンスを定義できる人がいないのだ。
私は、目的ではなく機能的アプローチによってソーシャルファイナンスを分類し直すことを考えている。
よく使われるのは、アイルランド政府報告書の「金銭的収益と同様に社会的収益もしくは社会的配当(=ソーシャルリターン)を追求する機関によって提供される金融活動」という定義である。
実はこの定義はお金を出す目的によってソーシャルファイナンスを定義していることから多分に曖昧性を有している。目的はその主体しか把握できないし、目的は複数にわかれるケースが多いからだ。
例えば、ソーシャルレンダリングの日本のパイオニアの(株)maneoの場合はどうか? 個人と個人を結びつけるP2P金融仲介サービスだが、高い利率で決まっており、お金の出し手は金銭的収益を目的とし社会的な収益の投資ではない。では、(株)maneoはソーシャルファイナンスに入らないのか? しかもその目的は外部の私が比較的高い利率で決まっている事実から推測したものに過ぎない。
そもそもお金の出し手と受け手をつなぐ金融仲介機関は、極端なことを言えば仲介であって、投資目的は関与しないと言うこともできる。
したがって、ソーシャルファイナンスを目的で定義づけることは混乱のもとになる。このため、ソーシャルファイナンスを定義できる人がいないのだ。
私は、目的ではなく機能的アプローチによってソーシャルファイナンスを分類し直すことを考えている。
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