2011年4月8日金曜日

番外編



この歌をCD販売して、そのお金を義援金で寄付するのはどうでしょう。
歌って大切ですね。

ソーシャルメディア時代のブランドとは?




前回のレポートで、トリプルメディア論の3分類、①ペイドメディア(Paid Media)、②オウンドメディア(Owned Media)、③アーンドメディア(Earned Media)は現状をうまく説明できていないと論じました。

さりとて、この3分類にさらに新しい分類を加えても、決してわかりやすくなるわけではありません。

一番必要なのは、メディアのコミュニケーション特性で評価する「共通の評価軸」でしょう。

メディアを評価する軸は何でしょうか?

私は、(対話型か、一方向型か)、(リアルタイムか、ノンリアルタイムか)の2軸が一番有力ではないかと考えています。この違いによって、顧客側の満足が大きく異なるからです。この場合のリアルタイムは「場所と時間の制約がない」、ことを意味しています。

そうしますと、メディアを4分類することができます。大まかに分類すると以下のようになります。

①(対話型×ノンリアルタイム)  email、Q&A、コールセンター
②(対話型×リアルタイム)  コミュニティ、ソーシャルメディア
③(一方向型×ノンリアルタイム) テレビ、雑誌、ラジオ
④(一方向型×リアルタイム)   テレビ、WEB

現在の特徴は、②の領域(対話型×リアルタイム)が、顧客にとっても、企業にとっても、非常に魅力的になってきました。

 一方型の宣伝メディアの信頼度が落ち、③、④の領域(一方向型のメディア)でブランドを築くことが非常に難しくなっています。リアルタイムの双方型の対話、体験、そして経験こそがブランド構築のカギになっています。ソーシャルメディアの真の力は、個々の顧客にパーソナルに対応しつつ、企業との対話に引き込む能力にこそあります。

リアルタイムマーケティング・メッセージ
・現状のメディアポートフォリオ(①〜④)を作り、評価する
・ それをどのような方向に変えていくことが、顧客との関係性を深めることができるか?どの顧客セグメントの価値を具体的に高めることができるか、という観点からメディアミックスを考え直す必要があるでしょう

ご意見、コメントはFacebookページ(ソーシャルメディアIn-Depth Report)まで是非、是非お願いします。

2011年4月7日木曜日

トリプルメディア論の再考!?




メディアの分類方法として、有名なトリプルメディア論がある。①ペイドメディア(Paid Media)、②オウンドメディア(Owned Media)、③アーンドメディア(Earned Media)の3分類とする考え方。それぞれ、①お金を払って購入するメディア、②自社サイトなどのメディア、③ソーシャルメディアを意味している。

メディアの機能役割が複線化、複雑化する中では、この3分類ではなかなかうまく整理しきれないと考える人が増えている。

マッキンゼーはこの3分類に加えて、Sold Media、Hijacked Mediaを加えて5分類を提唱。
Sold=Your company invites other marketers to place their content on its owned media.
Hijacked =Your company’s asset or campaign is taken hostage by those who oppose it.

また高広氏はユーザー主導型メディア(USER INITIATIVE MEDIA)を加えて、4分類にすることを提唱している。

 この定義の問題点は機能分類ではない点だ。大きくは、企業が広告するのにお金がかかるかかからないかという、企業側からの分類に過ぎない。(このため、実例を図式化すると、簡単にある集合の中にまた別の集合が入る形となる)

もちろん、それぞれのメディア特徴を生かして、消費者・生活者の消費行動スタイルを考慮して、メディアを複合的・複線的に組み合わせて広告効果を最大化するという考え方自体は正しい。

成功事例ではFordの例があげられる。昔はペイドメディア中心だった時は打上げ花火型だったのが、オウンドメディア(Owned Media)、アーンドメディア(Earned Media)を組み合わせることで、製品発売前から関心をじょじょに高めて、ペイドメディアで打上げをして、発売後もアーンドメディアを駆使することで、潜在顧客の関心を持続することができ、予約と販売の比率は従来のケースの10倍に達した。

注意点は、メディア配分を支出で考えてはならないということだ。重要度と支出は既に大幅に乖離している。また、潜在顧客の関心(Attention)を如何に引きつけていくか、どういう引きつけ方が顧客満足、最終購買に結びつくかのコミュニケーションデザインという考え方が重要となる。そして、エンゲージメントの異なる潜在顧客に対して、メディアを複合的・複線的に組み合わせることで、その階段(Ladder of Engagement)をあがらせることで、最終的にどれだけROIを高めることができるかである。

今後、このメディアをどう組み合わせて効果を最大化していくかの試行錯誤が続くと思う。また、クライアントの関心が非常に高いテーマである。

2011年4月6日水曜日

ビジネスブログの効果を活かす4つのステップ 実践編

今回は、ビジネスブログの実践編です。

ベンチャーコンサルの会社からどうブログをすべきか相談を受けたので、前回のレポートを参考に、ビジネスブログをどう展開していけばいいかを簡単にまとめてみる。

第1ステップ
まずは、目的設定。例えば、ブログを通じて、「自らの専門性と信頼を獲得することによって顧客獲得する」、というような目標設定。顧客は成長志向のベンチャー企業だ。ブログは見込み客の集客のためというよりも、自らのポジショニングとして位置づける。

第2ステップ
顧客は誰かを考え、それぞれの悩み、解決したい問題点、現状の解決策に対するお客の怒りや不満などを書き出す。インキュベーション会社であれば、ベンチャー企業、ベンチャーキャピタル、市場関係者など。

ベンチャー企業の願望、悩みであれば、
・資金調達したい
・誰に相談したらいいのかわからない
・自分の会社でVCは投資してくれるものなのか?
・事業をどう成功させるか? そのために何をすべきなのか?
・優秀な人材を採用したい
・効果的なアライアンスを作りたいなど、
など様々なニーズがある。

第3ステップ
以上を大まかにまとめて、ブログのテーマは
VC動向、資本政策、新規ビジネス動向、IPO市場動向、成長戦略、パートナー戦略などと大まかにまとめる。

コンテンツ管理表を作る。テーマを質問形式でカードに書き出して潜在意識を刺激するといい。お客の悩み事の解決策を常に考えているベンチャーコンサル会社が他の企業を1歩も2歩もリードできるのは間違いない。これを社員全員で考えれば、どの業種でも、最強軍団ができるだろう。

第4ステップ タイトルを決めてコンテンツ配信
例えば、
/過去3ヶ月でVCはどういう業種に投資しているのか?
/米国VCが多額の投資をするビジネスモデルとは?
/ベンチャー企業が資本政策で気をつける7つのポイント
/VCの投資を受ける際の3つの落とし穴
/今年のIPO市場を市場関係者はどうみているか?
/ベンチャー経営者が今困っていること

など、ベンチャー企業が知りたいことを、ブログのタイトルに少しキャッチーにまとめる。最終ベネフィットをいつも意識することがはずさないポイントだ。

これを、週2〜3回、3ヶ月続ければ、このベンチャーコンサル会社は目に見える成果が出てくるだろう。これを1年やり続ければ、業界では知らない会社がないくらいに有名になることは間違いないだろう。

さらに、効果を高めるためには、
市場ビジョン、ストーリーを語るなど高度なテクニックを駆使すると、さらに効果的だ。

この方法は、どの業種でも簡単に実践できて、すぐに成果(約3ヶ月)があがる方法なので是非実践して見て下さい!

ご意見、コメントはFacebookページ(ソーシャルメディアIn-Depth Report)まで是非、是非お願いします。

ビジネスブログの効果を活かす4つのステップとは?



自分の会社はB2Bビジネスだから、ブログを書く気はない?
また、それはどうして?

いろいろと理由はあるだろうが、B2B企業にとってブログを書くメリットはその手間を大幅に上回る可能性がある。

米国ではB2B企業もビジネスブログを積極的に活用して成果を上げている。日本でも、特に専門性の高い業種においては、今後さらに重要度が増していくと思う。ソーシャルメディアとうまく連携させて効果を高めることができるからだ。

Hubspotのアンケート調査では、
・2009年から2011年にビジネスブログを持っている割合は48%から65%に上昇
・57%の企業はビジネスブログを通じて顧客を獲得(Facebook,LinkedIn,Twitterを上回る)
・ビジネスブログをもつ85%の企業は、ブログが役立つ(23%)/重要(35%)/決定的に重要(27%)。決定的に重要の比率はこれまた他のソーシャルメディアを上回っている。

しかも、ブログ更新頻度が高いほど、見込み客獲得と強い相関があることも示されている。

つまり、ブログはB2Bの会社にとって、決定的に重要と認識されるようになっています!

より効果を高めるための4つのステップ

ステップ1
まずは目的設定。例えば、ブログを通じて、「自らの専門性と信頼を獲得することによって顧客を獲得する」、というような目標設定。ブログは見込み客の集客のためというよりも、自らのポジショニングとして位置づけるのが正解だ。

第2ステップ
顧客(+利害関係者)は誰かを考え、それぞれの悩み、解決したい問題点、現状の解決策に対するお客の怒りや不満などを書き出す。これらのことをテーマにしてブログのテーマにしていく。

第3ステップ
以上を、ブログのテーマを大まかにまとめる。コンテンツ管理表を作るといい。質問形式でカードに書き出して潜在意識を刺激するとさらにいい。お客の悩み事の解決策を常に考えている会社が他の企業を1歩も2歩もリードできるのは間違いないだろう。

第4ステップ
タイトルを決めてコンテンツ配信
タイトルはお客のベネフィットを意識しつつ、少しキャッチーにまとめる。最終ベネフィットをいつも意識することがはずさないポイントだ。質問形式にしたり、数字を使う。

これを、週2〜3回、3ヶ月続ければ、目に見える成果が出てくるだろう。

さらに、
コーポレイトキャラクターの設定、コーポレイトストーリーを語る、市場ビジョンを打ち立てる、など高度なテクニックを駆使するのも効果をさらに高めるだろう。

ご意見、コメントはFacebookページ(ソーシャルメディアIn-Depth Report)まで是非、是非お願いします。

2011年4月5日火曜日

ソーシャルメディアの本質をスターバックスCEOから学ぶ、9つのポイント




スターバックスはFacebookのトップブランド。スターバックスCEOのインタビューからソーシャルメディアの本質を学ぶことができる。

ポイント
1.全ての企業のブランド構築にソーシャルメディアが必要になってきている
2.消費者の情報アクセス、購買行動の変化から、ソーシャルメディア活用が必要
3.企業と消費者の関係性の変化(一方向→双方型、対等でオープンな場)
4.顧客体験をデザインする必要性
5.企業の姿勢は、製品サービスの売りこみでなく信頼できるソーサーになること
6.ソーシャルメディア活用にはオープンな文化、傾聴の姿勢が大切なこと
7.attention economy→関心をもってもらえることの価値の大きさ
8.ソーシャルメディアが企業文化、および企業戦略に大きな影響を及ぼすこと
9.ソーシャルメディア導入のメリットとして、コストの削減とともに、外部の知見を取り入れるプラス面を活用すること

スターバックスCEOハワード・シュルツのインタビューから

伝統的なマーケティング手法との関わりは終わりました。ブランドを創造、あるいは構築しようとしている段階であれ、すでに有名ブランドを展開している段階であれ、いまはソーシャルメディアをよく理解すべき

なぜなら、人々の情報のアクセス方法が大きく変わり、その結果、人々の行動様式も様変わりしたからです。情報はもはや企業から消費者へ一方的に伝わるものではありません。消費者が情報を選べる、情報を共有できると感じる対等な場が必要なのです。カギとなるのは、人々が何かを発見したという優越感を抱き、友人や知人にこれを教えたいと考える機会をいかに創り出すかです。

形のあるツールではなく、振る舞い方や先を見越した行動の新しい様式、様々なデジタル・メディアやソーシャルメディアを通じて、全体像を把握するやり方を編み出し、製品やアイデアの推進者というよりもむしろ適切で信頼できる情報源になれる方法を作り出したのです。

外部の者に私たちのよくない点を指摘させるようにすることには、社内で強い抵抗もありました。しかし、オープンになることによって考え方が変わりました。私たちはもっと謙虚で敏感になり、人の意見に耳を傾けるようになりました。

(得られたことは何なのでしょうか?)
私たちの言動に大きな関心を寄せてくれているということです。当社の市場参入戦略、すなわちコミュニケーションや情報開示、イノベーションのあり方、最終的には市場へのアプローチの仕方も変わりました。

今年行なった各種施策の成功は、顧客の獲得や外部とのコミュニケーションのコストが伝統的な広告メディアにお金を使ったり、新しいメディアを正しく理解していなかったりする人々たちに比べて格段に安いという事実と直接結びついています。このフィードバックループが私たちに役立っています。社外の人々から新しい知見が得られるからです。ソーシャルメディアのお陰でお客との接点がもう一つ増えました。

いかがでしょうか? いろいろと学ぶべき本質が語られていたと思います。ご意見、コメントはFacebookページ(ソーシャルメディアIn-Depth Report)まで是非、是非お願いします。

2011年4月4日月曜日

グルーポン型ビジネスの存在意義ってどこにあるんですか?



グルーポン型ビジネスの存在意義ってどこにあるんですか?

今回はインタビューを編集してお届けします。

(質問)昨年からアメリカで成功したグルーポンを真似たビジネスが日本でも急増しましたが、このビジネスをどうみていますか?
(熊沢)ソーシャルメディアを使って情報を拡散してお客を集客するところに重きが置かれすぎていますが、本質はそこにはありません。

(質問)どこに本質があるんですか?
(熊沢)このビジネスは、典型的な、価格弾力性の違いを利用した価格差別戦略です。仲介者がいるかどうかは本質とは関係がありません。生産者が、価格に対して非弾力的な顧客とそうでない顧客を区別する方法をみつけ、その違いによって、価格を変えることができるならば、同一の課す場合よりも、消費者余剰を吸い上げることができます。

(質問)昔からあるもんものなんですか?
(熊沢)昔からある意味ではあります。クーポンによる差別化、マイレージとかも本質的には同じなんです。他にも、ソーシャルゲームのフリーミアムなども本質は同じなんです。利用を無料にしてアイテムを有料でエンゲージメントの高い顧客とそうでない顧客を見つけ出す。

広告業界で、「広告の半分はムダだがどちらのムダかはわからない。だらら、その両方に広告を出さなければいけない」という笑い話がありました。グルーポン型ビジネスはこれとは違うんです。どちからがムダかがわかる方法を見つけたということなんです。

いわば、お客のエンゲージメントデータを開示させる方法なんです。そのエンゲージメントの低いところでは安い価格を、高いところには通常の価格を課すというあり方です。

(質問)よくグルーポンを使うことが損か得かということが言われますが・・・
(熊沢)価格弾力性が低いビジネスではこの2重価格による差別化がうまく機能しないでしょう。あくまで、その違いがあるところが重要なんです。全てのお客が価格弾力性が高い場合も、グルーポンに殺到して、実際の店舗で通常料金でお金を払う人がいなくなっちゃいますから。

(質問)今度は、このようなビジネスはどうなると予想されますか?
(熊沢)今後、もっと、消費者のwilling to payに基づいた、消費者の価値を開示させて、それに基づいて1人1人のプライシングを変える手段が生み出されて行くと思います。ソーシャルメディアのお陰で様々な手法がやりやすくなっているんです。

本日はありがとうございました。

ご意見、コメントありましたら、是非Facebookページ(ソーシャルメディアIn-depth report)にお願いします!