2010年11月12日金曜日

今後のソーシャルメディアのマーケティングコンセプトは?

今後のマーケティングコンセプトを一言で言うと・・・

 池田さんが、「リアルタイム・トライバル・マーケティング」という言葉、コンセプトを出されているので、自分も今後のマーケティングコンセプトを考えてみます。

 リアルタイムは絶対外せないキーワード。自分自身もセミナーをやるときにTwitterでそのキーワードを調べて判断したり、そのキーワードをつぶやいている人をフォローしDMを送り参加の返事をもらうと、まさにリアルタイムマーケティングだな〜と実感する。

 tribesはセスゴーディンの本の題名ですが翻訳されなかった(?)のでいまいち認知度が低い。日本語で部族と訳するとさらに意味不明に。コミュニティだと少し陳腐な感じはします。トライバルはあくまで固まり(マス)を狙うというイメージが少し強い気はします。コンテクスト(ソーシャルグラフ)を共有することによって、固まり(マス)ではなく、個々のユーザーのニーズにぴったりあうという感じがもう少し出したい気がする。

 また、リアルタイムとトライバルとマーケティング、この3つの言葉の関係性をどう位置づけるか? マーケティングを入れるべきかどうかは迷うところ。

ということで、私の案は、大胆にマーケティングは削り、じゃーーーん。
「リアルタイム・ソーシャルグラフ・オプティマイゼーション(RSGO)」とします。

2010年11月11日木曜日

ザッポスセミナーの開催:来年はザッポスブームが到来しそう?

 11月15日(月)に、最新ソーシャルマーケティング研究会の第1回として「ワールドカフェで学び合うザッポスモデル」をスタートします。ソーシャルメディアの活用企業として、新しい経営モデルとして学ぶ価値がある会社(コンテンツ)だと思います。12月2日に、米国で300万部以上売れた「ザッポスの伝説(仮)」が出版されますので、今年から来年にかけて、日本でもザッポスブームがおこると思われます。石塚さんの「ザッポスの奇跡」も素晴らしい本だと思います。

 参加者の方にはザッポスをアメリカまでわざわざ見学に行かれた本当の専門家がいらっしゃいますから、私が質問を出すのは全くおこがましいですが、ワールドカフェで議論する事前質問を3つ考えました。

① ザッポスの成功要因は何か?
② ザッポスのソーシャルメディア戦略の特徴、役割は何か? 考え方と実際
  の運用において。
③ ザッポス流の経営を日本で展開することは可能か? どうしたら、ザッポ
  ス流の経営を自分の会社の経営に取り入れることは可能となるか?

「幸せの科学」をベースにした経営。その本質をワールドカフェで皆様との意見交換の中からあぶりだせたらと思います。
詳細はこちら。 http://tweetvite.com/event/ntup 残りあと2名くらいです。
よろしくお願いします。

2010年11月10日水曜日

ソーシャルメディア:Twitterから集合的暗黙値を抽出

 企業は、ソーシャルメディアによって大量の消費者データ(以下、ソーシャルデータ)を入手することが可能となった。ソーシャルメディアは消費者の購買意思決定に大きく影響を与えている。

 企業側は、このソーシャルデータをどう活用するか、頭を悩ましている。ソーシャルデータは大量かつ定性的なデータが主だからである。これまでマーケッターが慣れ親しんだ、形式化された定量データとは違い、そのままでは取り扱うことも意味ある洞察を得ることも難しい。

 大量のデータをゴミの山とするか、そこから意味ある洞察を導き、実際のマーケテイング活動、戦略に活かせるかがマーケッターに問われている。

少なくとも、ソーシャルデータには3つのメリットが存在する。

1.大量のデータがほとんどただ同然で入手できる
2.個人データ(個人知)のみならず、集団データ(集合知)を入手できる
3.消費者も意識していない本音(潜在、無意識の暗黙値部分)を抽出できる

「Tweetfeel」などのツールを使うと、自社製品や会社がどんな感情をもたれているかをリアルタイムに把握することができる。しかし、ソーシャルデータ活用の醍醐味はやはり定性データから有益な洞察を導く点にある。

 ハーバード大学のザルトマン教授は、「本当に購買意思決定に影響を与えているのは意識部分の形式知ではなく無意識の暗黙知にある」というテーゼの元でZMET調査を提唱した。ソーシャルデータはこの「無意識の暗黙知」を抽出する格好のデータを提供する可能性を有しているのである。

 当社で、この辺りの研究がかなり進んできたので、今後事例を使って説明できる機会があればと思っている。

2010年11月9日火曜日

ソーシャルメディア:アドボカシーの意味そのものよりも、その背景を探るべし 

 ソーシャルメディアを語る際によく使われる言葉がある。言葉の意味が統一されていないことが混乱のもとになる。海外の理論をそのまま持ってくることの弊害の一つだ。エンゲージメントとか、アドボカシーとかである。実はよく使われる言葉の変化がソーシャルメディアの本質を最もよく表している。

 よく使われる言葉は、ロイヤリティ→エンゲージメント→アドボカシーと変化してきた。言葉の意味そのものよりも、この3つの言葉が意味する、企業と消費者(ユーザー)の力関係をみてみよう。

ロイヤリティ→エンゲージメント→アドボカシー
ロイヤリティ     企業>消費者(ユーザー)、企業が強い
エンゲージメント   企業=消費者(ユーザー)、対等
アドボカシー     企業<消費者(ユーザー)、企業は先に損して後で得

 ロイヤリティの段階はまだ企業にパワーがあったが、エンゲージメントで企業と消費者は対等の関係になり、アドボカシーでは企業は先に損しないと消費者に相手にされなくなる。
 つまり、ソーシャルメディアが普及するにつれて、企業から消費者にパワーシフトしてきたことをよく表している。

 次は、おそらくは一時的な損ではなく、クレージーな損をとるか、もしくは無償の愛を意味する言葉がソーシャルメディアの本質として語られるはずだ。

位置情報サービス、位置ゲーのポジションの低下の恐れ

位置情報サービス、位置ゲーのポジション低下の恐れ

 位置情報サービスは、コミュニティ系、ポータル系、位置ゲー、AR系にわけられる。全体の方向感は、この4つの境界が融合する傾向(コミュニティ機能強化+エンターテイメント性高まり)+リアル連携で動いている
 
 人がいつもどんな場所に行っているかが分かれば「その人となり」はある程度推測できる。また、その場所に来ている人達というソーシャルグラフ(人と人との関係を表わす相関図、関係図)を逆に作れるという意味でも、位置情報はソーシャルメディアと連携しソーシャルグラフを活性化する重要なコンテンツである。

 コロプラの最近の動きも興味深い。もともとは2003年から(会社設立は2008年10月)からスタートし、位置ゲーの中ではフロントランナー。この1年間で、リアル店舗、輸送機関と提携し、リアルとバーチャルを連携させ、大幅に会員数を増やすことに成功した。また、会員層は通常のゲームマニア層よりも、「30〜40代の大人の層」を取り込むことに成功。バーチャルなゲームがリアルな消費を生み出している点がこれまでになくユニーク(地域活性化ツールとして機能)。

 ただし、位置情報サービスの有望性から、この1年で参入企業が増え、競争が激化。あっという間にグローバル競争に突入しつつある。オープンプラットフォームでの競争領域はグローバル競争になっている。例えば、ライバルのまちつく(運営ウノウ)は世界的なソーシャルゲーム最大手のZyngaに買収(2010年8月)。
 
 また、メガSNS系(mixiチェッック、Facebook pleces)、グーグルGoogle places、Twitterが位置情報サービスの基盤サービスを提供し始め、このようなプラットフォーム側と位置ゲー(アプリケーションレイヤー)の境界が曖昧化。今後、プラットフォーム側が提供する領域が拡大すると、位置ゲーの付加価値が低下する恐れ(パワーシフトする)がある

コロプラはオープン領域で新しいコンテンツ、サービスを開拓していく必要性があるだろう

2010年11月8日月曜日

ソーシャルベンチャーのスピルオーバー

 今日は、「ワールドカフェで学び合う「いろどり」モデル。最新ソーシャルビジネス研究会」開催。http://tweetvite.com/event/2of3

質問3)日本にも高齢者、過疎地はたくさんあるが、いろどりのビネスモデルを他の地域でも同じように展開することができるだろうか? その理由は何か?

 この問題の答えを一般化/定式化することの価値は計り知れないと思いますね。高齢化の過疎地域で新しい産業が生み出せないで苦労しているところが日本国中に至るところにありますから。行政側からも、この問題の問いの答えを求められています。是非、みなさんの集合知を結集して、チャレンジできたらと思います。

ソーシャルベンチャーのRBV理論の適用

 今日は、「ワールドカフェで学び合う「いろどり」モデル。最新ソーシャルビジネス研究会」開催。http://tweetvite.com/event/2of3

事前質問2)
いろどりは全く資源がない状態から、どのように経営資源、ケイパビリテイを蓄積、進化、バーションアップさせていったのか? 環境適応を含めて考えてみて ください。経営資源に乏しいベンチャー企業にも参考になる点はあるか?

 経営戦略論の1つの考え方として資源ベース理論(RBV:Resource-based View)がある。経営資源が企業の競争優位を決めるという考え方である。

 いろどりを考えた場合には最初は経営資源がなかった。いや正確には隠さた資産(hidden asset)となり有効に活用されていなかった。その段階からどう経営資源を蓄積・進化していったのか? これは経営資源の乏しいベンチャー企業にとっても重要な問いとなる。

 次に、何が資源を価値あるものにするのかという問いが重要である。理論的には、顧客デマンド充足性、希少性、占有可能性などがその要件となる。特に、その経営資源が顧客の需要を満たすのにどう貢献するのかという観点から、経営資源の有効性を整理されたい。

ソーシャルベンチャーのステークホルダー

 今日は、「ワールドカフェで学び合う「いろどり」モデル。最新ソーシャルビジネス研究会」開催。http://tweetvite.com/event/2of3

私が考えた事前質問は3つ。
事前質問1)いろどりは、どのようなステークホルダーをもっているか? そのステークホルダーにどのような価値を提供しているだろうか?

 ソーシャルベンチャーでは必ずしも株主が最優先されるわけではない。まずどのようなステークホルダーがいるかを考えて、それぞれのステークホルダーはどのような期待をもっているのか、その期待に十分に応えているのかを振り返ることは極めて重要なことだと思います。

 また、各ステークホルダーの期待に応える過程で、ステークホルダーの利害対立やコンフリクトが起きる可能性もあり、そのコンフリクトをどういうメカニズムによって解決していくのか? この辺りを皆さんと議論できれば面白いのではないかと思いますが、いかがでしょうか?

2010年11月7日日曜日

ベンチャーの精神 孫泰蔵さんから学ぶ



孫泰蔵さんとの飲み会のワンショット
飾らない謙虚な人柄と、仲間思いの熱いハートを持つ方。自分にとっては今一番気になる人でもある。もちろん、お兄さんのことも気にはなるが・・・。昔から孫さんに似てると言われていた。確かに少し似てる・・・。

泰蔵さんが教えて下った言葉に、最澄の「一隅を照らす、これ即ち国宝なり」である。ここにベンチャーの存在意義をみている。

私の座右の銘は、アシジの聖フランチェスコの「おのが身をすてて、死するがゆえに永遠の生命を得るものなればなり。」である。

実は、最澄の言葉と聖フランチェスコの言葉は同じ意味である。
自分を捨てるという言葉に囚われるとわからないが、ここでは本当の自分(真我)とかりそめの自分(エゴ)を区別することで意味が通じる。

つまり、エゴを捨てることによって、より大きな生命と一体になり自分は世界と一つになり永遠に生き続ける存在になることができるのだ。

この精神を自分の肝に銘じて事業に邁進したい。