バラ色の未来が描かれたその後には、必ず深刻な不況が訪れる。好況の時には既に不況の種がまかれる。しかしながら、人々はそのことには気づかない。インターネットですらそうだった。ソーシャルメディア(関連)においても然り。
新しいテクノロジーはある意味では、一時的に不均衡を拡大する働きがあるのだ。波に乗れる産業と衰退する産業、技術をうまくリードできる企業と破れる企業。それが金融の不均衡を伴う場合、深刻な不況を招くケースがある。新しいテクノロジーでバラ色の未来が描かれていたのに何故?と皆が不思議がるが、そこには必然的なプロセスが存在する。
インターネットバブル崩壊は2001年くらいから。ソーシャルメディア(関連)の場合は今年後半から始まるのではないかと私はみている。
今、一番過熱感が目立つのがソーシャルゲームとグルーポン系サービスだ。
アメリカの成功事例→参入企業が相次ぐ→VCが集中投資→プレーヤーの勝敗がつく(勝者はほんの一部)→負け組は事業縮小・リストラ→VCは大打撃→投資を控える→不況が長引く
このゲームの特徴は、ばくちの掛け金がどんどんあがっていく。最初は恐る恐る賭けていたのが、プレーヤーは熱くなり、1プレー当りの掛け金がどんどんあがり、最終的には負けがこんで、すっからかんになる。
株式会社ソーシャルインパクト・リサーチ代表パートナー。慶応大学大学院(KBS)卒。早稲田大学院環境エネルギー研究学科博士課程在籍中。証券アナリスト。持続可能な社会の実現のために、ソーシャルインパクトの評価測定、そしてソーシャルインパクトをお金にかえる仕組みを提案。ソーシャルインパクトの評価測定、インパクトファンドの運営等を事業としておこなう。Twittier:kumataku1
2011年2月3日木曜日
2011年2月2日水曜日
サトナオさんSIPSモデルをさらに考察
ソーシャルメディア時代の購買決定モデルをさらに考察してみたい。
ソーシャルメディア時代の最大の特徴の一つは、「つながりがないところには情報が流れなくなっている」、「コンテクストがないと情報が流れにくくなっている」ということである。それゆえに、テレビCMに多額の広告費を投じることが有効に機能しなくなっている。
以前電通が提唱したAISASモデルは以下の順序になる
「Attention」(注意が喚起され)
「Interest」(興味が生まれ)
「Search」(検索し)
「Action」(購買し)
「Share」(情報を共有する)
注意を喚起するために、広告が投じられ、その中のある一定数が興味を持ち、その中のさらに少ない一定数が検索というアクションをおこし、購買に至るというモデルになっている。
サトナオさんが提唱しているSIPSモデルはそのつながり、コンテクストの部分をどこに入るかは曖昧なままだ。共感が流れる前提として、つながり、コンテクストがあるとすれば、このモデルの前に、「企業はコンテクスト作り」が必要となる。
もう一つ、ソーシャルメディア時代の最大の特徴は「リアルタイム性」にある。これまでのように、購買プロセスが逐次的に順番に起こるというよりも、その期間が短くかつ同時的に起こるという特徴を有している。したがって、企業はこのリアルタイム性をどう活かしていくかが最大の課題だ。
現在のソーシャルメディア時代の新公式としては、この2つの特徴、コンテクストとリアルタイムをどう活かしていくか、そのための新しいコミュニケーションデザインの発想を持つことが必要だ。
コンテクスト × リアルタイム= 対話(ダイアログ)を提唱していきたい。
この結果何か起こるか?というと、これまでマーケティングでないと思っていたことが実際にはマーケティングになる。例えば、親切であることである。また、これまで費用だと思われたマーケティングが投資になる。その結果、判断基準も変える必要がある。
ソーシャルメディア時代の最大の特徴の一つは、「つながりがないところには情報が流れなくなっている」、「コンテクストがないと情報が流れにくくなっている」ということである。それゆえに、テレビCMに多額の広告費を投じることが有効に機能しなくなっている。
以前電通が提唱したAISASモデルは以下の順序になる
「Attention」(注意が喚起され)
「Interest」(興味が生まれ)
「Search」(検索し)
「Action」(購買し)
「Share」(情報を共有する)
注意を喚起するために、広告が投じられ、その中のある一定数が興味を持ち、その中のさらに少ない一定数が検索というアクションをおこし、購買に至るというモデルになっている。
サトナオさんが提唱しているSIPSモデルはそのつながり、コンテクストの部分をどこに入るかは曖昧なままだ。共感が流れる前提として、つながり、コンテクストがあるとすれば、このモデルの前に、「企業はコンテクスト作り」が必要となる。
もう一つ、ソーシャルメディア時代の最大の特徴は「リアルタイム性」にある。これまでのように、購買プロセスが逐次的に順番に起こるというよりも、その期間が短くかつ同時的に起こるという特徴を有している。したがって、企業はこのリアルタイム性をどう活かしていくかが最大の課題だ。
現在のソーシャルメディア時代の新公式としては、この2つの特徴、コンテクストとリアルタイムをどう活かしていくか、そのための新しいコミュニケーションデザインの発想を持つことが必要だ。
コンテクスト × リアルタイム= 対話(ダイアログ)を提唱していきたい。
この結果何か起こるか?というと、これまでマーケティングでないと思っていたことが実際にはマーケティングになる。例えば、親切であることである。また、これまで費用だと思われたマーケティングが投資になる。その結果、判断基準も変える必要がある。
2011年2月1日火曜日
サトナオさんSIPSモデルに対する5つの素朴な疑問
サトナオさんSIPSモデルに対する5つの素朴な疑問
「サトナオ・オープン・ラボ」はこれからのソーシャルメディアに対応した生活者消費行動を捉える概念を提唱した。
「共感する(Sympathize)」→「確認する(Identify)」→「参加する(Participate)」→「共有・拡散する(Share&Spread)」と整理し、「SIPS」として発表した。
「SIPS」は、「共感(Sympathize)」がすべての入り口となる。購買を伴わない行動も「参加(Participate)」と呼び、友人・知人に対する「共有(Share)」行動がさまざまなつながりに「拡散(Spread)」して、さらに共感を生み出していくとしている。
ここで私が感じた素朴な5つの疑問
疑問1)
共感の広がりと購買行動の関係はどうなっているのか? 共感の広がりの中に購買行動が含まれるということか? 共感が広まれば購買も促進されるという理解でいいのか?
疑問2)
共感の前提として、コンテクストが作られている必要があるが、それはこのモデルの中にどこに入るのか? Facebookでフレンド関係にあることや、Twitterでフォロー、フォロアー関係になることはこのモデルの中にどこに含まれることになるのか?
疑問3)
一般に、買った製品を友達や他人に薦める行為は、非常に満足度が高かったお客に限られる(NPSモデル)。通常は共有したり拡散するにはかなりの満足や感動がなければならない。それが消費者の購買行動モデル全体に組み込むことには無理がないか?
疑問4)
これまでのモデルとの連続性、用語の継続性がよく理解できない。
疑問5)
LooopsTVでは共感の効果測定は難しいとコメントしていたが、事後的な効果測定が難しいのは事前に予想することも難しいと考えられるが、モデルの実用性は一体どこにあるのか?
「サトナオ・オープン・ラボ」はこれからのソーシャルメディアに対応した生活者消費行動を捉える概念を提唱した。
「共感する(Sympathize)」→「確認する(Identify)」→「参加する(Participate)」→「共有・拡散する(Share&Spread)」と整理し、「SIPS」として発表した。
「SIPS」は、「共感(Sympathize)」がすべての入り口となる。購買を伴わない行動も「参加(Participate)」と呼び、友人・知人に対する「共有(Share)」行動がさまざまなつながりに「拡散(Spread)」して、さらに共感を生み出していくとしている。
ここで私が感じた素朴な5つの疑問
疑問1)
共感の広がりと購買行動の関係はどうなっているのか? 共感の広がりの中に購買行動が含まれるということか? 共感が広まれば購買も促進されるという理解でいいのか?
疑問2)
共感の前提として、コンテクストが作られている必要があるが、それはこのモデルの中にどこに入るのか? Facebookでフレンド関係にあることや、Twitterでフォロー、フォロアー関係になることはこのモデルの中にどこに含まれることになるのか?
疑問3)
一般に、買った製品を友達や他人に薦める行為は、非常に満足度が高かったお客に限られる(NPSモデル)。通常は共有したり拡散するにはかなりの満足や感動がなければならない。それが消費者の購買行動モデル全体に組み込むことには無理がないか?
疑問4)
これまでのモデルとの連続性、用語の継続性がよく理解できない。
疑問5)
LooopsTVでは共感の効果測定は難しいとコメントしていたが、事後的な効果測定が難しいのは事前に予想することも難しいと考えられるが、モデルの実用性は一体どこにあるのか?
2011年1月31日月曜日
ベンチャー企業の失敗ベーシックデザイン
失敗のベーシックデザイン
ベンチャーキャピタリストとして働いていた時、約2000のベンチャー企業の中から、「ベンチャー企業の失敗パターン」を類型化して、パターン化したものです。
http://scr.bi/eXeaKT
それぞれ、的外れ、力不足、遠回り、障害が邪魔、動く的、優柔不断、右往左往、敗退、幻想の市場と名付けました。
ベンチャーキャピタルは成功パターンを見つけることとともに、失敗のパターンを知りその徴候を見分け、それを避けるというのも成功確率を高める上で重要な仕事です。上記の失敗パターンに当てはまるもとでの、成功確率はかなり低くなります。このパターンに合致するかどうかが、ベイズの条件付き確率のような働きを果たすのです。
今、ソーシャルエンタープライズの診断カルテのようなものを考案中です。東大i.schoolが、①問題の原因、②解決の原動力、③解決の手段にわけて、項目チェックをしているのですが、実際の有用度はかなり低い感じなので、自分で作ろうと。そもそも問題の原因をとり間違えた場合、次の解決の原動力も手段も無用になっているケースがほとんどです。有用なものを作って、社会の共有財産にしていきたいと思います。
ベンチャーキャピタリストとして働いていた時、約2000のベンチャー企業の中から、「ベンチャー企業の失敗パターン」を類型化して、パターン化したものです。
http://scr.bi/eXeaKT
それぞれ、的外れ、力不足、遠回り、障害が邪魔、動く的、優柔不断、右往左往、敗退、幻想の市場と名付けました。
ベンチャーキャピタルは成功パターンを見つけることとともに、失敗のパターンを知りその徴候を見分け、それを避けるというのも成功確率を高める上で重要な仕事です。上記の失敗パターンに当てはまるもとでの、成功確率はかなり低くなります。このパターンに合致するかどうかが、ベイズの条件付き確率のような働きを果たすのです。
今、ソーシャルエンタープライズの診断カルテのようなものを考案中です。東大i.schoolが、①問題の原因、②解決の原動力、③解決の手段にわけて、項目チェックをしているのですが、実際の有用度はかなり低い感じなので、自分で作ろうと。そもそも問題の原因をとり間違えた場合、次の解決の原動力も手段も無用になっているケースがほとんどです。有用なものを作って、社会の共有財産にしていきたいと思います。
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