2012年9月1日土曜日

良い会社を判断する手法について


 良い会社をみつけたり、その良い会社の話を聞くするのがある種のブームになっている。逆説的ですが、それだけ、自分が勤めている会社や、自分がつき合っている会社にはそういう良い会社が少ないということの現れではないかと思います(笑)

有名なのは、法政大学の坂本教授の「日本でいちばん大切にしたい会社」シリーズだ。
このフレームワークは以下のようになる。


 

命題は、
命題1 価値ある企業は、「社会共通の価値」を創造している
命題2 価値ある企業、目に見えない3つの「企業資源」を大切にしている
命題3 価値ある企業は、目に目えない3つの企業資源は「共感資本」をつくっている
命題4 価値ある企業は、共感資本を媒介に「価値のらせん的発展を描いている

図表で、
共感資本は、企業ソーシャルキャピタルを
価値のらせん的発展は、ソーシャルイノベーション
を意味していると解することができる。

坂本氏の手法は、ここから、経営理念力、人材育成力、信頼形成力をチェックリスト化し、アンケートによって調査する。共感資本はブラックボックスのままだ。

社員によるアンケートというのが恣意性が高くなる上に、
企業のイノベーション力を評価する手法としてはアンケート調査は適していない。

したがって、私はこの共感資本を客観的に定量評価する方法の方が数倍優れていると考えている。また、最終目的に近いものを測定する方が、最終目的を達成しやすくなるのも自明の理だ。

良い会社の成果をどう測定、評価するかはまだまだこれからの課題である。



 
 

リストラ予測モデル


シャープ等の日本の家電業界の大リストラの観測があがっている。
 就職する人にとっても、大リストラがありそうな会社かどうかは気になるところだ。

リストラ可能性を予測するモデルが役に立つのではないかと思う。

金融の世界で、有名な倒産可能性予測モデルがある。このモデルは米国で作られたが、日本企業にも十分に通用することが実証されている。このモデルを応用することで、かなり精度の高いリストラ可能性予測モデルを構築することができると思う。

特に、日本企業のリストラは業績に対してかなり遅効性があるので、
財務分析で、日本企業のリストラ可能性はかなり予測可能となる。

後、日本企業は経営陣が交代したり外資やファンドが資本参加すると、リストラを加速させる傾向を持つ。また、ライバル会社がリストラすると、横並びでリストラをする。

基本モデル

  • アルトマンの倒産予測モデル(Zスコア)
  • 時価総額の低下率
  • 生産性の低下トレンド(1人当りの売上高の低下率)
  • 赤字の継続年数
  • 同業種のリストラ発表の有無
  • 資本構成の変化(外資、ファンド等の資本参加等)
  • 経営者、経営陣の交代

この情報をモデル化することで、リストラ可能性60%が今期は80%に高まったなど、リストラ可能性の予測モデルを作ることができる。簡単にできるので空いた時間で作ってみたい。

 このモデルの数値をもとに、アウトプレイスメント会社は営業をかけたり、社員の人員拡充を図るなどができる。また、就職する新卒者にとっても、この情報は貴重ではないかと思うので、この製品の価値は十分に高いと思う。

2012年8月31日金曜日

「人を幸せにする会社」とは?


法政大学の坂本光司教授の「人を幸せにする会社」を読んだ。
このシリーズは本当に良く売れていますね。

坂本光司教授の考え方は、

価値ある企業は

目に見えない3つの企業資源
①経営理念力×②人材育成力×③信頼形成力
をかけあわせることで、

共感資本をつくり出し、その共感資本を媒体に「価値のらせん的発展」を描いている。

その結果、
   社員など人を大切にすることによって生み出されるこころの価値
   地域社会、自然や環境、伝統や文化、恭聞くなどへの貢献によって生み出される社会の価値
   社会の活動を通じて、国や自治体の負担が軽減されることによって生み出される公共の価値
などの、ステークホルダーに対する社会共通の価値を生み出している、という考え方である。

つまり、経営の目指すべき目的はステークホルダーの幸せだ。

私のフレームワークでは、
共感資本は企業ソーシャルキャピタルに置き換えられ、
社会共通の価値は、経済的便益と社会的便益のダブルボトムライン、トリプルボトムラインに相当する。
また、その2つの総和を増やすことをソーシャルイノベーションと定義している。

坂本教授の考え方との違いは、坂本教授は共感価値をどう測定するのかを明示しておらず、経営資源のチェックリストとして示しているに対して、私はその共感価値を企業ソーシャルキャピタルとして定量的に評価を可能としている点である。