2011年4月23日土曜日

ソーシャルメディア不況のメカニズムについて


tag:ソーシャルメディア,ソーシャルメディア不況,ソーシャルメィア組織論,ソーシャルメディア戦略


今回はインタビュー形式でお送りします。

(質問)ソーシャルメディア普及が不況をもたらすと主張されていいますね。どういうきっかけでそのようなお考えをもつようになったのですか?

(熊沢)2001年にインターネット不況を予言した本が出版されたんです。インターネット普及によって景気循環もなくなったんじゃないかという楽観論がまかり通っていましたから、大変に注目されました。結果はどうだったか? 予想通り、ドットコムバブルが崩壊して、VCも大損して、IT不況が起こったんです。ただ、物語は半分しか真実ではありませんでした。ネットベンチャーでその後、大きく成長した企業もたくさん出てきたからです。日本でも、楽天、サイバーエージェント、ネット証券なども大きく成長しましたね。

現在、ソーシャルメディア普及によってバラ色の未来を予想する人も多いんですが、結果からすると、同じように、ソーシャルメディアが契機となった一時的な不況が起こる可能性は高いとみています。

(質問)それは、どのようなメカニズムなんでしょうか?

(熊沢)新しいテクノロジーの普及は単に技術の世界だけではなく、社会とか、文化とか、働き方とか、価値観まで、いろいろな分野に影響を与えるんです。その影響がある意味での資源の不均衡を必ずもたらすんです。その不均衡が不況の直接的な原因になります。

(質問)もう少し具体的にはどういうことでしょうか?

(熊沢)現在、ソーシャルメディア普及がもたらしたソーシャル化があらゆる産業に影響を与えつつあります。ある商品を買う際に他人の評価やコメントを参考にしたり、自分の友達のつぶやきを購買の参考にしたり。この情報の民主化は相対的には生活者や消費者へのパワーシフトをもたらしています。企業に比べて圧倒的に消費者生活者が有利に賢くなっています。大企業でも1消費者に振り回されちゃうんです。

例えば、ゲーム産業で任天堂などのパッケージゲームが全然売れなくなっています。みんなソーシャルゲームで遊ぶからです。お財布の奪い合いというよりも、パッケージで遊ぶ時間がなくなるんです。そうすると、一時的にこれまでの企業の生産性が著しくて低下して、企業の業績が悪化します。この1年で任天堂の時価総額も1兆円なくなったんです。これが一企業レベルでなく産業レベルでおこっているんです。短期的にはソーシャル化が既存企業の業績悪化、リストラにつながっているんです。既存のゲームパブリッシャーもソーシャルシフオを始めましたが、資源を吸収できるのはもう少し先の話ですから。

(質問)どうしたらいいでしょうか?

(熊沢)企業はソーシャルメディアを部分的に自分たちのビジネスにあわせようとするんです。でも、大部分のケースではそれはうまくいかないんです。部分最適にすぎませんから。ですから、メディアに自分たちのビジネスをあわせる、大胆な変革が必要になるんです。そうしてはじめて全体最適が達成できるんです。そのためには、リアルタイムベースのマインドセット、組織運営が学ぶ必要があると思います。

本日はお忙しいところありがとうございました。

2011年4月22日金曜日

ソーシャルグラフィックスマーケティングの薦め




 マーケティング世界の常識の一つに、「顧客セグメントに応じたマーティング戦略」がある。顧客のニーズ、行動パターンに応じてマーケティングを工夫すべきという考え方だ。

 どのようなカテゴリーで顧客をセグメントするかにはいろいろな考え方があるが、例えば、Geographics(地理的セグメント)、Demographics(顧客属性に応じたセグメント)、Phychographics(心理的セグメント)などがある。

 ソーシャルメディア時代に入り、新しい顧客セグメントが生まれつつある。ユーザーが様々なソーシャルメディア活動が活発しているので、オンラインのソーシャルな行動パターン(Socialgraphics)に応じた顧客セグメントがますます重要になってきている。

 Facebookでファンを1万人獲得するぞ〜と意気込むのもいいが、そのファンが自分の会社がターゲットする顧客層と違っていたら、その努力の大部分は徒労に終わるだろう。

Jeremiah Owyangが以下のような質問を投げかけるように提唱している(1部改変)

・オンラインのどこに自分の会社の顧客がいるのか?
・顧客はオンラインでどのような行動パターンをとっているか?
・顧客が影響を受けるオンラインの情報はどこか? また、オンラインで影響を与える人々は誰か?
・また、逆に、オンラインで顧客はどのような社会的影響を与えているか? どのような人々に信頼されているのか?
・あなたの製品の文脈で、どのように顧客はソーシャルウエブを使っているのか?

ソーシャルメディア参加者も急速に変化しつつあるので、より精度の高いターゲティングが求められていく中では、Socialgraphics、そしてソーシャルグラフィックスマーケティングがより重要になっていくだろう。

SMM(ソーシャルメディアマーケティング)の米国マーケッターの悩み⑩

 米国マーケッターのSMMにおける10 番目の悩みは 「ソーシャルメディアの活動を最大化するための時間の使い方」です。多くのマーケッターは、SMM活動をおこなう時間をどのようにマネージするかに関心をもっています。

簡訳(米国マーケッターの悩み)
・SMM活動を最も効果的におこなうにはどれくらいの時間を費やせばいいのか?
・膨大なフォーローしていてかつ他の活動もあるのに、どうやって、フォロアーと対話していけばいいのか?
・どれくらいの頻度で、ツイートしたりFacebookで投稿したりすべきなのか?
・最もSMM活動を効果的にするためにどのようなツールを使うのがいいのか?

私のコメント
・なかなか効果が見えづらいという点もあり、どのくらいの時間を費やすべきかが決めにくいということもあると思います。
・SMMの主な活動に分けておおまかにその時間を決めておくというものがあります。
自分の例で言えば、①〜③をとれる時間でそれぞれ3等分にします。①観察/リスニング(他人ブログやサイトから学ぶ、インプットの時間)、②参加(他社サイトにコメント)、③自分のサイトのコンテンツ作り(アウトプット)
・最初は3等分にしながら、徐々に効果が最適になるように時間配分を変えていきます。だんだん①インプットがたまってくると③アウトプットも時間をとられずにスムーズにできるようになってきます。

みなさんはどうSMMの時間配分を決めていますか?

2011年4月21日木曜日

ソーシャルメディア不況がやってくる!?




2000年9月に、インターネット不況(マイケル・マンデル著)の原書が出版された。著者のマイケル・マンデルはビジネス・ウイーク誌の経済関係の編集者であった。インターネット革命のまっただ中であった。

その序文を、インターネットをソーシャルメディア、アメリカを日本に、ニューエコノミーをソーシャルエコノミー(Social Economy)に変えて読み直してみよう。多くの示唆が得られるように思う。

「多くのエコノミストや経済ジャーナリストとは異なり、私は日本には唯の在来型産業経済とは異なる『ソーシャルエコノミー(Social Economy)』が存在すると確信しているものである。私はソーシャルメディアと情報革命がわれわれの生活を変化させる力を持っていると信じている。

産業革命がはじまって以来、どの世紀もその前の世紀より急速に成長してきた。われわれの世紀も同じことになるであろう。われわれの子供達はわれわれより良い生活を送るであろうし、社会 保障についての疑念はあろうが、ベビー・ブーマー達は首尾よく退職して、豊かな生活ができるであろう。そして、運に恵まれれば、この『 ソーシャルエコノミー(Social Economy)』 は世界の他の地域にも広がるであろう。

だが、私が『ソーシャルエコノミー(Social Economy) も決して晴天続きではなかった』として書いたように、ブームに引き続いて ソーシャルエコノミー(Social Economy) が破綻する可能性が高い。政策立案者が正しい処置を行わなければ、その破綻はソーシャルメディア不況、 即ちここ何年かの経済効果の多くが失われるという、長期にわたる停滞が起こる可能性がある。こういった暗い側面を直視することは大切である。これが本書を書いた理由である。

「私が目標とすることの一つは、ソーシャルメディア不況進行を傍観するグループと、何もしないことを希望するグループが自己満足するのを打ち破ることである。あるグループは2000年代の日本の経済成果は唯の一時的な技術的な『ショック』に過ぎないと未だに確信している懐疑派のエコノミストである。これらの懐疑派は景気低下を当然の結果として歓迎するであろう。その他のグループは新しいテクノロジーは永遠に成長するとの信念を持ち、情報革命が景気のサイクルを克服するパワーを持つと考える真の信者を含んでいる。いずれのグループもそれぞれ危険なほど誤っている。

「わたしのもう一つの目標は、経済が下り坂に入るときにこそ、そこで何が起こっているかについて、一般の投資家や企業経営者及び 労働者が理解するのに手を貸すことである。スランプな最中にされる判断 ・・・ 売るのか買うのか、投資をするのか控えるのか、職業上のリスクを冒すのか それとも安全運転をするのか、支出を続けるのか債務を返済するのかというような判断 ・・・は今後の何年間かのあいだに誰が繁栄するのか、を決定するのに 極めて重要であろう。

「最後に私は、将来のために多少の希望を述べたい。もしソーシャルメディア不況が経済に大きな打撃を与えるとすれば、ソーシャルエコノミー(Social Economy) は唯の妄想だと思われるであろう。しかしながら、ソーシャルエコノミー(Social Economy) は明らかに現実のものであり、一度スランプを脱すれば ・・・1年後、5年後、ある いは10年後かも知れないが ・・・ 再びよき時代が始まるであろう。

 結局のところ、日本の経済はかっての大不況から立ち直ったし、1930年代のタフな時代に成長した人々は、1950年代、1960年代にその家族を豊かにすることができた。それは日本の資本主義の黄金時代であった。運に恵まれれば、さらに適切な政策がとられれば、再度同じようなことが起こるであろう。

ゲーム業界 ソーシャルバリューシフトの動き?




ゲーム業界は「ソーシャル化の波」によって激変にさらされている。

任天堂の時価総額がこの1年で約36%約1兆円減少
それに対して、ソーシャルゲームのプラットフォームを提供するDeNAとグリーの時価総額は約1500億円増加した。

ゲーム業界の「ソーシャルバリューシフト」が進んでいる。
ソーシャルバリューシフトとは、「既存産業がソーシャル化の波により、その富が、新しくソーシャル化に対応した産業やプレーヤーにシフトする現象」と定義している。

このソーシャルバリューシフトの波は、今後、コミュケーション産業、人と人の繋がりが重要な産業に広まって行くだろう。つまり、ほとんど全ての産業がこの波にさらされる。

ゲーム業界では、
マイナスが1兆円、 プラスが1500億円、
差し引きすると、約8500億円のマイナス。

このギャップからすると、ソーシャル化がまだまだ発展途上にあるという見方もできる。

このソーシャルバリューのシフトは何をもたらすのか?
既存ゲーム業界から、ソーシャル化された産業や企業に、人材やスキルが流れ込む、「資源のトランスファー」を引き起こすことになる。

最初に小さなゲーム制作会社、そして次にゲームパブリッシャーが、このソーシャル化の動きを察知して、資源シフトを進めている。

一番、ソーシャル化の波の影響を受けるプラットフォーマーはなんとかこのソーシャル化の波を押さえようと最後の抵抗を続ける・・・・

発想が間違っているのだ。
ソーシャル化の波をどうやってら抑えるかではなく、必然的にソーシャル化する波にどうやったらサバイブできるか? そう問うべきなのだ。

SMM(ソーシャルメディアマーケティング)における米国マーケッターの悩み⑨

米国マーケッターのSMMにおける9番目の悩みは、「ソーシャルメディアにおける主なトレンドは何か?」です。マーケッターは次のソーシャルメディアのトレンドが何なのかを知りたがっています。

簡訳(米国マーケッターの悩み)
・次のソーシャルメディアにおける主な進歩は何なのか?
・様々な顧客属性や産業において、オンラインのユーザーの利用状況にどのような変化がおきているか?
・ソーシャルメディアにおける変化についていくベストな方法は何か?
・それぞれのソーシャルメディアプラットフォームの寿命はどれくらいなのか?

私のコメント
・ソーシャルメディア業界は技術の変化が激しいだけに、何がおこっているのか?をキャッチアップしていくのが大変です。さらに、今後どうなっていくかを予想して先手を打っていくこともなかなか難しいです。
・日本だとマーケッターの方がそれほどITに詳しくない人も多かったりしますので、このあたりの事情は米国同様に切実だと思います。
・簡単な対策としては、ユーザーとして流行に敏感に反応して試してみる、専門サイトを定期的にチェックする、勉強会・後援会に参加する、技術に詳しい人と友達になる、などがあると思います。
・もう一つ重要なのは、顧客のオンラインの行動を知る「Socialgraphics」という考え方です。顧客(セグメント)のオンライン行動を定期的にチェックしていくことです。これまでのマーケティングは、顧客属性(Demographics)や地理的(Geographics)という形で顧客セグメントしてきましたが、今後はオンラインの行動属性に応じて顧客をセグメントしていく必要性が高まっていくと思います。このテーマはまた今度。

ご意見、コメントはFacebookページ(ソーシャルメディアIn-Depth Report)まで是非、是非お願いします。

2011年4月20日水曜日

ソーシャルメディアROI  握手の対価は本当に計れないのか?


ソーシャルメディアの効果は計りにくいと言われる。
それは握手みたいなものだと、言われる。

あなたはソーシャルメディアの「握手の対価、握手の値段」を計れますか?


握手の相手が誰だかわからなければ計れないかもしれない。
しかし、誰だかわかっていたらどうだろう? どう行動するかのエンゲージメントデータが入手できたとしらたどうだろうか?

AKBの場合であれば、ファンが握手しにきてくれたら、だいたいCD3枚は売れるみたいな皮算用も成り立つかもしれない。それだけ熱狂的なエンゲージメントの高い顧客層が握手を求めにくるからだ。

ソーシャルビジネスで最もマネタイズが進んでいるのはソーシャルゲームの世界だ。ソーシャルゲームは利用ユーザーは基本無料でアイテムを有料にするのが一般的な課金形態である。

この場合、握手にあたるのが基本無料でソーシャルゲームを遊ぶことにあたる。その無料利用ユーザーのうち3〜5%が有料アイテムを購入することで、とてつもない利益をあげることが可能となっている。モバゲー、グリーの驚異的な収益性をみてほしい。

握手の対価は、アイテムを有料課金で購入する顧客からの利益になっているのだ。そういう意味では、握手の対価ははっきりとはかることができるのだ。

特に、アイテム課金が企業側にとって効率的なのは、ユーザーのエンゲージメントに応じたwilling to payの課金体系が可能なためだ。ゲームの中毒度が高いユーザー(高く評価するユーザー)ほどアイテムをたくさん高額購入するのでお金を落とす。そうでないライトなユーザーは少ないお金を落とす。

これが、握手の対価を巧妙に得るカラクリになっているのだ。

mixiの呪いを解く呪文は・・・

まずは、任天堂とグリー、DeNAの株価の推移の比較







任天堂の岩田社長にソーシャルゲームの脅威について1年前に質問したことがあるが一蹴された。だから言ったのに・・・


ソーシャル化に乗り遅れた会社と、ソーシャル化に乗れた会社の価値の違いを示してる。

その次は、DeNA、グリーとmixiの株価の推移の違いを比較したい。



これは、ソーシャル化に乗れた+マネタイズに成功した会社と、ソーシャル化に一番乗りしながら+マネタイズに失敗した会社の価値の違いを示している。


他人事と思うことなかれ。


Facebookでファン数を多く集めたとしても、その後のマネタイズに失敗したら、mixiと同じ運命を辿ることになる。私はこれを「mixiの呪い」と呼びたい。

あなたが、このmixiの呪いをとく呪文を知っているなら・・・何も心配はない。そうでないなら・・・

SMM(ソーシャルメディアマーケティング)における米国マーケッターの悩み⑧

米国マーケッターのSMMにおける8番目の悩みは、「どうやってニッチマーケットにおいてソーシャルメディアを使うことができるか?」です。

簡訳(米国マーケッターの悩み)
・垂直型産業やニッチ産業のマーケッターは、彼らのマーケットでどのようにすればソーシャルメディアをうまく使えるのか?
・NPOは SMMを活用して、 コストを抑えて露出を高めて、ミッション実現のためにファンドレイズできるのか?
・大学はSMMを活用して生徒を引きつけ獲得するためにできるのか?
・アーティストやエンターテイナーは新しいファンを獲得したり、彼らの製品を販売するのにどのようにSMMを活用できるのか?
・病院や医師がFBやTwitterを活用してマーケティングできるか?

私のコメント
・それぞれの方が、自分のフィールドでどのようにSMMを使えるかを模索しています。昨日のブログで書いたように、個人事業主、スモールビジネスのオーナーはSMMを活用して一番成果をあげているセグメントです。ですから、SMMはニッチに向かないというよりも、むしろニッチの方が向いていると言えると思います。
・ニッチを狙う意義は、大手の競争相手が入りがたい、有利なポジションを素早く築ける、「これが私のため」という反応が得られる、熱狂的に支持してくれる顧客に販売できる、媒体を絞れる、少ない資本ですむなどが挙げられます。
・ニッチな小さな池だから自分の狙う魚にたくさん餌をまくのではなく、自分が狙う魚の方から寄ってくるえさをどう作るか? ターゲットとする魚の方から探してもらう、そんなポジションをどのように獲得するか? その池の中での影響力とそのの範囲をどう高めていくか? 顧客の心の中で自分が、尊敬に値し、信頼でき、エキスパートというポジションをどう得ることができるか?

みなさんはいかがお考えでしょうか? ご意見、コメントはFacebookページ(ソーシャルメディアIn-Depth Report)まで是非、是非お願いします。

2011年4月19日火曜日

週6時間、ソーシャルメディアに投資しよう!

ソーシャルメディアで一番恩恵こうむっているのは、スターバックス? コカコーラー?デイズニー?

いえ、違うんです。実は、自営業やスモールビジネスなんです。これがアメリカの調査(social media examiner)で明らかになりました。

67%のスモールビジネスのオーナーにとって、ソーシャルメディアはもはや不可欠になっていんです。

その一番の理由は、目立てるんです。小さい会社にとって目立てるって重要ですよね、それが一番の弱点ですから。いいもの作っても目立てないということが悩みですから・・・

実際に結果も、約半数のスモールビジネスのオーナーは売上もソーシャルメディアの直接の効果としてあがったと言っているんです。しかも、コストも下がった上で。

どのツールを使うべきなんでしょう?
普通は、Facebook,Twitter,ブログ、アメリカならLinkedInも入りますね。
「ブログを制するものはB2Bソーシャルメディアを制する」、これは私の信念です(笑)

じゃ、どれくらいソーシャルメディアに時間を使えばいいでしょうか?
週6時間、この時間とそれ以下だと、結果に2倍差がつく「ソーシャルメディアの分水嶺」になってるんです。
忙しくても、歯を食いしばって週6時間がんばりましょう!

後、スモールビジネスオーナーは専門家にアウトソーシングで手伝ってもらっているのも特徴です。リテラシーが低いのとオーナーの時間コストが高いですから。

重要なことは、ソーシャルメディア単独でマーケィングをやるんではなくて、いろいろとツールを組み合わせるんです。組み合わせの妙を活かすんです。

少し古いですけど、eメール。古いと馬鹿にするけど、これもソーシャルメディアと組み合わせることでまた生き返らせることができるんです。
そして、イベント、PR。ソーシャルメディアとこれまでのツールを組み合わせることでさらに効果があがるんです。

さあ、 歯を食いしばって、週6時間がんばりましょう!
1年後には今までとは違った世界が開けているはずです。

SMM(ソーシャルメディアマーケティング)における米国マーケッターの悩み⑦

 米国のマーケッターの悩みの7番目は「ソーシャルメディア活用におけるベストプラクティス」を知りたいというものです。既に成功して有効性が証明された戦術や戦略を用いることで自社のSMMをスピードアッップしたいという願いです。

簡訳(米国マーケッターの悩み)
・パーソナルとプロフェッショナルなメッセージをどう混ぜるのがいいのか? 他社はどうやっているのか?
・成功したソーシャルメディアのマーケッターはどのくらいの数のプラットフォームを利用しているのか?
・それぞれのプラットフォームで最も効果的なテクニックは何か?
・メッセージをバイラルするにはどうしたらいいのか?

私のコメント
成功事例をみる際に、どうやったのか? どのがポイントか? 成功要因は何か? 日本でやる場合の注意点は何か? を理解するとともに、深いレベルで理解する必要があると思います。わかるのと実際にやれるのは大違いだと思うので、成功をモデリングする際には、メンタルモデル、マインドセット、考え方の前提を含めて深い理解をする必要があると思います。

日本で成功例として取り上げられるsatisfaction guaranteed(FBファン数32万人)。もともとブランド力があったわけではなくFBでブランドを作ったということで注目されているので、事例研究してみたいと思います。

・成功要因/先攻してFBに参入、広告にもお金をかけた、FBユーザーが多いアジアマーケットを狙う(目的が明確!)、もともと広告スキルがあった、リアルとネットの融合戦略

・考え方/戦略なくして成功なし、Facebookをやる位置づけをまず明確化、自社にとってファンとは? ファンの価値は何かを明確にする、その企業にとってのファンの価値を見いだす、従来の広告の費用対効果だけ求めても×

・運用/運用代行はファンに失礼、自社が主体・エージェンシーは補助、対話を生み出すために質問を投げかける、対話はニーズの把握、リサーチに活かす、売り込みすぎ×、毎日そこにある存在としてつながっておく、Twitterとの違い

・ファン/Cost Per Fanの考え方、ファン数=ブランド、ブランドはファン自身ががつくるものに変化、ファン=見込み客ではない、ファン=ライトな見込み客、販売にはもう1ステップ必要、ファンに対してさらに広告でエンゲージメントを高める、長いスパーンで効果をあげていく、CPA×、ファン数の変化とともにファンの位置づけ変わる(サンプル→ブランド→マスコミ的)

・広告の考え方/媒体費用がかからない分、費用は逆にかけて効果を高める、お金をかけないとLiving deadへ、目に見えないものに投資する、これまで見えなかったものが可視化されたことをどう活かすか?予算配分の考え方を変える

・やるべきこと/サイトのソーシャル化、ファンページ同士のコラボ、アプリコンテンツ充実、デジタルアイテム販売、他企業とのコラボ、リアルなイベントとのコラボ、マスメディアとのコラボ

第一段階のFBファンをどう集めるかを成功、第二段階のFBファンをどう活かすか? 収益化していくかに注目したい。

ご意見、コメントはFacebookページ(ソーシャルメディアIn-Depth Report)まで是非、是非お願いします。

2011年4月18日月曜日

猿が群れを必要とするように、人間はソーシャルを求める



要旨
人間の本能には、出会った人を敵か味方か、内か外か、仲間か仲間ではないかを区別、峻別する本能が備わっている。ソーシャルとは内(仲間)と外(仲間以外)を判断、峻別する境界を意味しているのではないか? SNSはある意味でその判断基準を内包するメタ認知システムとして機能しているというのが私の仮説だ。様々なソーシャルビジネスも、前者だけではなく、後者の観点から見直すことでより深い洞察を得ることができる。

 ソーシャルって一体何だろう? この問いの答えは常に自分では追い求めてきたと思う。ソーシャルとは一体何か? 自分はこの概念をもっとDNA、動物の本能レベルで捉えることで、より深くかつ明快に理解できるのではないかと思う。

 例えば、SNSはオンラインで人とつながるためのものと言われている。しかしながら、人とつながるとともに、出会った人を内(友達、マイミク)と外にわける機能を必ず備わっている。この後者の部分は実は人間の本能(動物も含めて)に根ざしたもので、より本質的機能ではないか?

 動物の世界では、森の中で他の動物に出会った時に、本能的に逃げる(フライト)か、それとも戦いを挑む(ファイト)を決めなくてはいけない。これはストレス反応と言われるもので、実は現代の人間にも残っている反応だ。知らない人と会うのは動物にも人間にもストレスを与える。このストレス反応は、人間の長い進化の過程の中で本能的に培われたもので、脳の深層部の原始的な部分からおこっている。

 このストレス反応を減らす方法として、ある種類の高等動物は社会的行動(Social behavior)で対処してきた。例えば、共同生活。猿は群れで行動する。予め敵でないとわかった仲間と共同生活をすることで、ストレスを減らすことができる。また、もう一つの方法は、こちらは敵ではない、攻撃するつもりはないというシグナルを相手に送る社会的行動もある。例えば握手だ。自分が危害を加えるつもりがないということを瞬時に伝えることは、自分の生存確率を高める上で重要である。

 デジタル化以前の人間関係の変化はゆるやかな固定的なものだった。例えば、リアルなコンテクストを共有するかどうかが内と外、仲間と仲間以外を分ける、ある一つの判断基準になってきた。同じ地域の出身、同じ大学の出身、同じ会社、同じ会社のグループなど。

 それが、デジタル化社会の到来によって劇的に変化しつつある。オンライン上でいろいろな人と接触、接点、ノード接触がある。しかしながら、人間の本能として、その接触で瞬時に自分にとっての内と外を区別したいという本能がおこる。それがないとストレスだからだ。

 つまり、ソーシャルとは内(仲間)と外(仲間)以外を瞬時に判断する境界を意味しているのではないか。また、SNSはある意味の判断基準を内包するメタ認知システムではないかというのが私の仮説だ。

それが人間には快適だからだ。不快を減らすからだ。

Facebookの友達申請はまさにその内と外を区別、峻別する承認メカニズムだ。誰かの友達承認、承認される、お互いに友達関係であることが両者に認識され、情報公開はなされる。
派生語でいえば、ソーシャル的だよね、とかは仲間を拡大する行為、ソーシャル的でないは外を広げることを意味している。

 以上の議論を進めると、SNSは人と人をつなげるとともに、どうやって内と外を区別するメタ認識システムを組み入れるかが本質的に重要なことがわかる。これは、ソーシャルビジネス一般に言える議論ではないかと思う。どう区別すると、その本人にとって意味のあるソーシャルグラフを生み出すことができるのか? この視点からソーシャルビジネスを捉え直すとより深い理解ができるのではないかと思う。

SMM(ソーシャルメディアマーケティング)における米国マーケッターの悩み⑥

SMMにおける米国マーケッターの6番目の悩みは「ターゲッットオーディエンスの選定」です。

簡訳(米国マーケッターの悩み)

ソーシャルメディアでいかにしてターゲットオーディエンスを効果的にみつけることができるのか?多くのマーケッターは、ソーシャルメディアで理想的なターゲットオーディエンスを見つけ出す方法を探しています。

・ソーシャルメディアで見込み客の関心をつかむベストな方法は何か?
・ソーシャルメディアの、ますます混雑したスペースの中で、短期的な利益を得るだけのためのギミックに訴えることなく、いかにして自社を際立たせることができるか? 
・ソーシャルメディアで、押し付けがましくみえることなく、いかにしてクライアントや登録者を獲得することができるか?

私のコメント
・当然、ある特定のソーシャルメディアのプラットフォームの参加者=自社のターゲット顧客ではありません。ですから、まず自社のターゲットオーディエンスを選定し、どのプラットフォームを選択するのか、どうやってそのターゲットオーディエンスを見つけ出し、接触してかを決めなくてはいけません。
・このターゲットオーディエンス選定は単独では答えを出すことはできません。まずは、自社のゴール、目標選定が必要となります。流れは、「ソーシャルメディア戦略マップ」を策定し、その中に位置づける必要があります。①ソーシャルメディア戦略のゴール、その目的は何か?→②ターゲットとするオーディエンスは適切か?→③プラットフォーム選択→④統合戦略→⑤資源戦略→⑥ツールと戦術の決定→⑦効果測定のような流れになります。
・これまで、このターゲットオーディエンス選定プロセスが軽視されてきたという感があります。「Facebookをなぜやるのか?そこに人がいるから。」という議論が多かったように思います。本来はそうではなくて、「ターゲットオーディエンスがいるから。そのターゲットとエンゲージメントできるから」が正解だと思います。この部分はやりようによっては、極めて創造的で十分に投資する価値がある部分だと思います。逆にこの部分をいい加減になると、ゴール、目標設定も実はあまりエッジが効かないケースが多いと思います。

いつくか参考になる質問(beth kantter参考)

・ソーシャルメディアを活用することで組織の目標にそうターゲットにリーチすることができるか? なぜ、このターゲットグループなのか説明できるか?
・このターゲットグループは組織のマーケットプランと同じものかどうか?
・彼らに、あなたの組織について知ってもらいたい点や信じてもらいたい点は何か?
・彼らはどんなソーシャルメディアツールを使っているか?
・彼らはあなたのブランド/目標/問題/競争相手に関連して何を話していますか?
・どんな追加調査があなたの対象者のオンラインの社会的行動、理解/知覚に関してあなたの組織は学ぶ必要があるか?

ご意見、コメントはFacebookページ(ソーシャルメディアIn-Depth Report)まで是非、是非お願いします。