2010年12月20日月曜日

プロボノEnhanced Programの提供を開始します!

来年より、社会的企業人材創出プログラムの一貫として、
当社で、「プロボノEnhanced Program」の提供を開始します。

当社が提供する 「プロボノEnhanced Program」は

職業人が、働きながら負担なくプロボノ支援ができる一方、
会社のリーダー研修プログラムとしてもご利用することができます。
大企業からベンチャー企業まで利用することができます。

プロボノのメリットを活かし、なかなか研修しづらい新規事業立ち上げスキルや社会問題への理解力を高めることができます。

来年より約60の社会起業家のプロジェクト立ち上げを支援することが決まっていますので、
自分が共感する社会起業家のプロジェクトにすぐにプロボノ支援をすることができます。

ご関心ありましたら、是非ご参加くださいませ。
会社のリーダー研修プログラムにご興味ありましたらご説明に伺います。
よろしくお願いします。

2010年12月14日火曜日

今年も終わりが近づいてきました。

自分の関心分野を振り返ってみると、
ベンチャーキャピタルに見切り→ソーシャルメディア→社会起業家分野→社会起業家×ソーシャルメディアの切り口→集合知を用いる問題解決手法→プロボノ→社会起業家とプロボノマッチングおよび教育→ソーシャルベンチャーキャピタル

 まあ、いろいろな意味でソーシャルだったのかな、と。来年はこの1つ1つの流れを束ねていくことが必要かなと思っています。来年は、これまでのパラダイムがさらソーシャルな力でガラガラと崩れ去るのが誰の目にも明らかになっていくのではないかと思います。

2010年12月7日火曜日

ソーシャルキャピタルの可視化事業を始めました

 今日は、プロボノOpenIDEOの第2回目。社会起業家プレゼンの後で、参加者にその事業をワールドカフェ形式で話し合っていただき、いろいろとアドヴァイスをしていだく。今後も、その起業家を支援してもいいという方には、Facebookのグループコミュニティ上で支援して頂いたり、プロボノ・ユニット(チーム)に参加して頂く。

 事業を始めた段階の社会起業家にとってはビジネスマンのアドヴァイスも貴重だし、その後もプロボノ支援していただけるのは有り難い。

 この事業の本質って何だろうと考えてみると、ある意味での、目に見えない資本(ソーシャルキャピタル)を創造する場をつくり、ソーシャルキャピタルを目に見える形に可視化する事業だな、ということに気づいた。ソーシャルキャピタルという目に見えない資本を目に見えるようにすること、人と人とのリアルなつながりをつくることで資本(将来の利益を生み出すもと)を生み出していく。

プロボノはボランタリーだからこそ、人と人がつながりやすい。

2010年12月6日月曜日

マネタリー経済とボランタリー経済の連結部にはまだまだ未開の市場が隠されている

 最近よく考えていること。マネタリー経済とボランタリー経済をどう連結させるか、その方法論など。

 この2つの概念は対立概念ではないとは思う。むしろ、連結されることができればもっと全体の価値創造力を高めることができる。自分のブログで情報を提供するのも、Q&Aサイトで知らない人の質問に答えてあげるのも、掲示板に書き込むのも、基本なボランタリーである。このボランタリーな行為がマネタリー経済に大きな影響を与えるようになっている。

 雇用の分野にも、また、新しいプロジェクトをスタートするにしても、この2つの経済ロジックを連結させることができればまだまだ新しい市場を開拓できると思っています。

2010年12月1日水曜日

新しいワーキングスタイルの提示、いよいよプロボノOpenIDEO開幕

 NPO,ソーシャルベンチャーにとって、創業期に重要なのは、お金とともに、プロの人材スキルであると私は考えています。このため、プロボノ支援事業を開始致しました。私からすると、ここが、ボランタリー経済とマネタリー経済の連結する場所でもあり、私の事業全体構想の1つの要所と考えています。将棋で言えば5五の地点です(笑)。ここを押さえられるかどうかで後の駒の働きや全体の勢いが決まってしまう要所です。

 これまでもプロボノ支援団体はありましたが、まだソーシャルインパクトを与えられていないと思います。これまでのプロボノの問題点としては、①支援対象をNPOに限定、②プロボノ支援者の意向によって支援対象が選べるわけではない点、③画一的なプロボノ体系(例 1週間5時間程度のコミットメント)が挙げられると思います。

 そこで、我々は、①支援対象をNPOのみならず、ソーシャルベンチャー、社会に価値をもたらすベンチャーと対象範囲を広げています、②プロボノOpenIDEOというイベントでプロボノ支援者と団体とのマッチングを図るので、プロボノ支援者は自分が気に入った団体を支援することができます、③オンライン上でコミュニティを作り、プロボノ支援者はその人なりの参加をすることができます(単に、コミュニティサイトで発言をみてたまにコメントするだけでもOK〜プロボノユニットの参加など)

 私どももいろいろ工夫はしますが、プロボノはあくまでプロボノ支援者の方の自発的な意志ですから、やはりその事業にどれだけ共感してもらえるのかが最も重要なベースとなります。少しでも、新しいワーキングスタイルが日本で広まることに貢献できればいいと考えています。

2010年11月26日金曜日

ソーシャルって何? 定義できる人いる?

 いろいろなプロジェクトを評価する時、「これってソーシャル的だよね」「それってソーシャル的じゃないよ」とか、とか言うけど、実際にソーシャルを定義しようとするとなかなか難しい。

 私はお陰さまでという言葉が好きです。その精神が好きです。私は、このお陰さまの精神がソーシャルに関係していると思います。

 あるAさんが、Bさんに親切なことをしてあげて、Bさんはその親切なことに応える行為をAさんに返す。これは当たり前な話です。貨幣経済の基本です。

 BさんがそれをCさんに返してあげて、CさんがDさんに、DさんはAさんにとぐるぐると周り、誰から受けたとか、誰に与えたとかあまり考えずに、みんながよくなれば自分もよくなるからいいじゃん、みたいな感覚が生まれてきます。

 貨幣経済だとこの関係をつくることが難しい。しかしボランタリー経済や、情報経済で生産コストがかからない場合は可能となります。ゼロサムでないプラスサムの世界。そして、それを支える暗黙のルールや規律の存在など。

お陰さまで。みんなのお陰。コミュニティに帰属している恩恵。この辺りに、私はソーシャル性の本質を垣間みます。

2010年11月24日水曜日

プロボノ元年 新しい働き方の模索、個人からの働き方革命?

 今年はプロボノ元年と言われおり、プロボノがメディアでとりあげられる機会も増えている。プロボノは、ビジネスマンが職業上持っている知識・スキルや経験をNPOやソーシャルベンチャーに無償で提供することである。

 今なぜ日本でプロボノかというといろいろな要因があるが、時代的な文脈なのだと思う。米国では転職サイトとプロボノ支援団体が提携するケースが多い。仕事を探している人、新しい働き方を模索している人と、プロボノ活動の相性がいいようだ。今の日本のビジネスマンが新しい働き方を模索しはじめたということだと思う。

 単純化すると、個人の働き方の変化は会社の変化に結びつき、会社の変化は社会の変革に結びつくと思う。プロボノがいいのは、会社の許可は別に必要なく、個人の判断で決められること。働き方という、どうしても会社という枠で考えなければならないことが、最初の一歩を個人が決められるということには大きな意味があると思う。

 プロボノアンテナというプロボノ支援団体がある。いいネーミングだと思う。プロボノは、ある意味で社会のアンテナである。アンテナはあった方がいいし、たくさんの方向にアンテナがあれば社会からの情報をたくさん吸収できて、それだけ会社の競争力も高まると思う。こういうことの価値がわかる経営者も今後増えていると思う。

12月1日、12月7日に、
プロボノOpenIDEOという会を主催しますので、是非ご参加ください。  http://tweetvite.com/event/upwh

2010年11月23日火曜日

NPO 寄付者を集う最も根幹的な戦略は何か?

 ルーム・トゥ・リード日本代表の松丸佳穂さんから話を伺う。 ルーム・トゥ・リードは寄付金で年間1億7000万円程度を集める。ファンドレイズという点では極めてうまくいっているNPOである。そもそも米国で知名度もあり、話題性もあることから、企業からの支援やコーズマーケティングの引き合いが相次ぐ。現在は法人からの寄付が35%、個人からの寄付は65%である。

 ファンドレイズがうまくいっている要因はいろいろある。まず、米国での知名度が高い、創業者がマイクロソフト幹部、そして、ストーリー性があること。日本に住む外国人富裕層の支持が厚いこと。また、間接コストを低く抑えている点も寄付者からすると好感がもてるところ。日本でも海外途上国向け支援はかなり人気がある分野である。チャリティイベントが各地で企画されるサポーターなどの参加意識の高さも挙げられると思う。

 日本の知名度の低いNPOが同じようにやってもうまくいかないとは思う。コーズマーケティングをやりたいと思っても、その団体が掲げるミッションと企業の価値観との適用性が求められるとともに、団体自体にある程度の知名度がないと、企業側がパートナーに選択するメリットがあまりなくなってしまう。コーズマーケティングは米国よりも日本の方が活発だそうです。米国でも最近になって漸くガイドラインをつくったそうです。その辺りは面白いですね。

 ルーム・トゥ・リードが寄付者にとって何よりいいのは、成果が図書館の数という目に見える形になること。やはり成果、ソーシャルなインパクトを寄付者にとって、ありありと鮮明に目に見えるようにしてあげることが寄付者を集い、安心させる上で非常に効果的な戦略ではないかと思う。みなさんは、どのように成果を目に見える形に変換してますか? それは効果的に機能してますか?

2010年11月22日月曜日

ソーシャルメディアの最適化戦略

「Facebookをゼロからスタートして1年でがっつり儲ける会」をスタートしました。参加者に面白いプランをもった方がいらっしゃったので、皆でそれをパイロットプロジェクトと位置づけて支援することになりました。この会はどこに行くんでしょうかね?(笑)

 この会のために、「ソーシャルメディアの最適化戦略」のフレームワークをまとめました。Facebook勉強会ですけど、現在はFacebookだけでなく他のソーシャルメディアも考えないと最適化に全くならないと思います。むしろ、他のソーシャルメディアとどう連携させるか、トラフィックの流れをつくるかが成功の肝になっています。

 ソーシャルメディア戦略においては、Publisherのように考え振る舞うというのが1つの考え方です。メーカーでも、サービス業のソーシャルメディア戦略でもそれは変わりません。リアルのPublisherは出版もゲーム業界も苦戦していますが、Publisherのように振る舞うのがソーシャルメディアにおいては成功の鍵というのが矛盾していて面白いですよね。そのこころは、魅力的なコンテンツで人を引き寄せるということです。

 大まかかには、コンテンツをつくる→配信する→関係作り→評価測定という流れだと思います。より効果をあげるために、そのプロセスを7つのシートによって管理するフレームワークを作り上げました。パーソナルブランド管理シートなど入れた点などいくつか独自性があります。どれくらい効果があがるかを今後計測していきたいと思っています。

2010年11月18日木曜日

ソーシャルマネジメントのススメ

 何でもソーシャルつけばいいってもんじゃないとご批判はごもっともです。しかしながら、企業にも社会的責任がますます求められる中で、なぜかマネジメントだけはクローズで内輪だけで秘密裏におこなわれ全然ソーシャル化していない気がします。僭越ながら、(株)ソーシャルインパクト・リサーチで新しいマネジメント手法「ソーシャルマネジメント」を開発しましたので、今後、世の中に提案していきたいと考えています。

 お客のニーズがはっきりわかっている自信がありますか? もしそうであれば経営的には絶対失敗しない、少なくとも失敗しない自信が得られるはずです。ただ今の時代、社長さんが「うちの会社は顧客ニーズがわかっているから絶対失敗しないんだよ、ワッハハ」と言ったら、ほとんどの人がこの会社は傲慢だから絶対失敗すると確信すると思います。今の時代は逆説的にお客のニーズがわかっていないということを前提としたマネジメントシステムをつくれるかどうかが成功のポイントになっています。

 ソーシャルマネジメントは、これまでのマネジメントコンサルティングに対する大きなアンチテーゼであります。マネジメントは社内の専門の人間によってクローズでおこなわれるものから、外部の人間を含めてオープンにすることへ大きなパラダイムシフトであります。これまでは、MBA出身のいわゆる頭のいい人達に、お金をたくさんかけて、戦略立案をお任せするスタイルが横行しています。結果は、戦略立案と戦略実行にギャップが生まれ、思うように結果が出せないケースが多かったと思います。

 当社のソーシャルマネジメントは、お金はかけずに、自分で考える、戦略をオープンにして市場からのフィードバックをもらい、市場からの集合知を自社組織に取り入れるという考え方に基づいています。戦略をオープンにするメリットとデメリットを比較しますと、オープンにするメリットがますます高まっております。

 特に、経営資源に限りがある、個人事業主やベンチャー企業、NPO、ソーシャルベンチャーにこのソーシャルマネジメントの考え方を理解してもらい、広めて行きたいと考えています。

2010年11月17日水曜日

ソーシャルメディア時代にブランドはどうなるのか?

 ソーシャルメディア時代にブランドがどうなっていくかは興味深いテーマです。
透明性の時代になり企業が丸裸にされると、ブランドを維持していくのが難しくなる一方で、別の方法や新しい原理でブランドを簡単につくることができるという2つの方向性がみられています。

 池田さんがブランドの意義を「後見人」と位置づけ、例えば、アディダスを皇居ランという社会善を後押しする存在として位置づけている。
 しかしながら、アディダスの例で言えば、アディダス自身では「皇居ラン=good」というブランドをつくることはできないと思います。TEDの裸踊りのビデオのように、変わり者1人が参加し、口コミでまた1人参加というプロセスを通じて、「皇居ラン=good」というブランドを醸成することが可能になります。

 ソーシャルメディア時代の特徴は、企業がブランドを自ら作り出すことはできない、それは顧客、社会との協同作業であるということが明らかになったというのがこれまでとの一番の違いだと思います。

これまでのブランドとソーシャルメディア時代のブランドの対比をざっくり比較すると

広告費   ←→人と人とのつながり(ソーシャルグラフ)
過去    ←→リアルタイム
リーチの広さ←→感動の強さ
マス    ←→個 
マス媒体  ←→口コミ
顧客に無知 ←→顧客はよく知っている  
顧客洗脳  ←→顧客との恊働・共感
フロー概念 ←→ストック概念
目にみえる ←→目に見えない

2010年11月16日火曜日

ザッポスのケースから学んだ点

 ソーシャルメディア時代には人がメディア。従業員と顧客がメディア。社員で言えば、できるだけ多くの人が舞台にたてるか、いつも見られていることを意識していることが重要になってきている。
 
 ソーシャルメディアは拡声器であり、本質を増幅するだけという見方もあるが、みられていることを意識するだけで人間の行動は変わるし、よりよく見せたいという気持ちが進歩を生み出す。

 ザッポス流の経営が日本にそのまま持ちこめるとは思わないが、新時代を生き抜くマインドセットには多いに学ぶ点があるのではないだろうか? 会社で働いているということは、既にあなたは舞台にのぼっており、観客に魅せる演技で聴衆を引きつける必要があるのだ

2010年11月15日月曜日

ソーシャルグラフを巡る戦いをみる2つの視点

 ソーシャルグラフに関しては2つの視点が重要だと思います。1つは、ソーシャルグラフの所有者は誰なのかということです。ソーシャルグラフを巡る戦いが勃発しているのはまさにその所有者が誰なのかの社会的合意が得られていないからです。もう1つは、そのソーシャルグラフの価値はどれくらいなのかという問題です。ソーシャルグラフを巡る戦いが起こっているのは、まさにその価値がものすごく高くなる可能性がはっきり認識されたからだと思います。

 ソーシャルグラフも情報財ですので、限界コスト0で複製可能、非競合的、非排除的な性質をもっており、所有権が設定しづらい面があります。今後を考えると、おそらくはソーシャルグラフの所有権と使用権が分離される形になると思います。それがソーシャルグラフの価値を最大化する方法だからです。

 我々ユーザーサイドからすると、究極のプライバシーでもあり価値あるソーシャルグラフや行動履歴を無料でプラットフォーム企業に提供してしまっているので、その価値が認識されると、高く売ろうと考えたり、それをまとめて儲けようとするホールセラーのような存在が現れてくるかもしれません。

2010年11月12日金曜日

今後のソーシャルメディアのマーケティングコンセプトは?

今後のマーケティングコンセプトを一言で言うと・・・

 池田さんが、「リアルタイム・トライバル・マーケティング」という言葉、コンセプトを出されているので、自分も今後のマーケティングコンセプトを考えてみます。

 リアルタイムは絶対外せないキーワード。自分自身もセミナーをやるときにTwitterでそのキーワードを調べて判断したり、そのキーワードをつぶやいている人をフォローしDMを送り参加の返事をもらうと、まさにリアルタイムマーケティングだな〜と実感する。

 tribesはセスゴーディンの本の題名ですが翻訳されなかった(?)のでいまいち認知度が低い。日本語で部族と訳するとさらに意味不明に。コミュニティだと少し陳腐な感じはします。トライバルはあくまで固まり(マス)を狙うというイメージが少し強い気はします。コンテクスト(ソーシャルグラフ)を共有することによって、固まり(マス)ではなく、個々のユーザーのニーズにぴったりあうという感じがもう少し出したい気がする。

 また、リアルタイムとトライバルとマーケティング、この3つの言葉の関係性をどう位置づけるか? マーケティングを入れるべきかどうかは迷うところ。

ということで、私の案は、大胆にマーケティングは削り、じゃーーーん。
「リアルタイム・ソーシャルグラフ・オプティマイゼーション(RSGO)」とします。

2010年11月11日木曜日

ザッポスセミナーの開催:来年はザッポスブームが到来しそう?

 11月15日(月)に、最新ソーシャルマーケティング研究会の第1回として「ワールドカフェで学び合うザッポスモデル」をスタートします。ソーシャルメディアの活用企業として、新しい経営モデルとして学ぶ価値がある会社(コンテンツ)だと思います。12月2日に、米国で300万部以上売れた「ザッポスの伝説(仮)」が出版されますので、今年から来年にかけて、日本でもザッポスブームがおこると思われます。石塚さんの「ザッポスの奇跡」も素晴らしい本だと思います。

 参加者の方にはザッポスをアメリカまでわざわざ見学に行かれた本当の専門家がいらっしゃいますから、私が質問を出すのは全くおこがましいですが、ワールドカフェで議論する事前質問を3つ考えました。

① ザッポスの成功要因は何か?
② ザッポスのソーシャルメディア戦略の特徴、役割は何か? 考え方と実際
  の運用において。
③ ザッポス流の経営を日本で展開することは可能か? どうしたら、ザッポ
  ス流の経営を自分の会社の経営に取り入れることは可能となるか?

「幸せの科学」をベースにした経営。その本質をワールドカフェで皆様との意見交換の中からあぶりだせたらと思います。
詳細はこちら。 http://tweetvite.com/event/ntup 残りあと2名くらいです。
よろしくお願いします。

2010年11月10日水曜日

ソーシャルメディア:Twitterから集合的暗黙値を抽出

 企業は、ソーシャルメディアによって大量の消費者データ(以下、ソーシャルデータ)を入手することが可能となった。ソーシャルメディアは消費者の購買意思決定に大きく影響を与えている。

 企業側は、このソーシャルデータをどう活用するか、頭を悩ましている。ソーシャルデータは大量かつ定性的なデータが主だからである。これまでマーケッターが慣れ親しんだ、形式化された定量データとは違い、そのままでは取り扱うことも意味ある洞察を得ることも難しい。

 大量のデータをゴミの山とするか、そこから意味ある洞察を導き、実際のマーケテイング活動、戦略に活かせるかがマーケッターに問われている。

少なくとも、ソーシャルデータには3つのメリットが存在する。

1.大量のデータがほとんどただ同然で入手できる
2.個人データ(個人知)のみならず、集団データ(集合知)を入手できる
3.消費者も意識していない本音(潜在、無意識の暗黙値部分)を抽出できる

「Tweetfeel」などのツールを使うと、自社製品や会社がどんな感情をもたれているかをリアルタイムに把握することができる。しかし、ソーシャルデータ活用の醍醐味はやはり定性データから有益な洞察を導く点にある。

 ハーバード大学のザルトマン教授は、「本当に購買意思決定に影響を与えているのは意識部分の形式知ではなく無意識の暗黙知にある」というテーゼの元でZMET調査を提唱した。ソーシャルデータはこの「無意識の暗黙知」を抽出する格好のデータを提供する可能性を有しているのである。

 当社で、この辺りの研究がかなり進んできたので、今後事例を使って説明できる機会があればと思っている。

2010年11月9日火曜日

ソーシャルメディア:アドボカシーの意味そのものよりも、その背景を探るべし 

 ソーシャルメディアを語る際によく使われる言葉がある。言葉の意味が統一されていないことが混乱のもとになる。海外の理論をそのまま持ってくることの弊害の一つだ。エンゲージメントとか、アドボカシーとかである。実はよく使われる言葉の変化がソーシャルメディアの本質を最もよく表している。

 よく使われる言葉は、ロイヤリティ→エンゲージメント→アドボカシーと変化してきた。言葉の意味そのものよりも、この3つの言葉が意味する、企業と消費者(ユーザー)の力関係をみてみよう。

ロイヤリティ→エンゲージメント→アドボカシー
ロイヤリティ     企業>消費者(ユーザー)、企業が強い
エンゲージメント   企業=消費者(ユーザー)、対等
アドボカシー     企業<消費者(ユーザー)、企業は先に損して後で得

 ロイヤリティの段階はまだ企業にパワーがあったが、エンゲージメントで企業と消費者は対等の関係になり、アドボカシーでは企業は先に損しないと消費者に相手にされなくなる。
 つまり、ソーシャルメディアが普及するにつれて、企業から消費者にパワーシフトしてきたことをよく表している。

 次は、おそらくは一時的な損ではなく、クレージーな損をとるか、もしくは無償の愛を意味する言葉がソーシャルメディアの本質として語られるはずだ。

位置情報サービス、位置ゲーのポジションの低下の恐れ

位置情報サービス、位置ゲーのポジション低下の恐れ

 位置情報サービスは、コミュニティ系、ポータル系、位置ゲー、AR系にわけられる。全体の方向感は、この4つの境界が融合する傾向(コミュニティ機能強化+エンターテイメント性高まり)+リアル連携で動いている
 
 人がいつもどんな場所に行っているかが分かれば「その人となり」はある程度推測できる。また、その場所に来ている人達というソーシャルグラフ(人と人との関係を表わす相関図、関係図)を逆に作れるという意味でも、位置情報はソーシャルメディアと連携しソーシャルグラフを活性化する重要なコンテンツである。

 コロプラの最近の動きも興味深い。もともとは2003年から(会社設立は2008年10月)からスタートし、位置ゲーの中ではフロントランナー。この1年間で、リアル店舗、輸送機関と提携し、リアルとバーチャルを連携させ、大幅に会員数を増やすことに成功した。また、会員層は通常のゲームマニア層よりも、「30〜40代の大人の層」を取り込むことに成功。バーチャルなゲームがリアルな消費を生み出している点がこれまでになくユニーク(地域活性化ツールとして機能)。

 ただし、位置情報サービスの有望性から、この1年で参入企業が増え、競争が激化。あっという間にグローバル競争に突入しつつある。オープンプラットフォームでの競争領域はグローバル競争になっている。例えば、ライバルのまちつく(運営ウノウ)は世界的なソーシャルゲーム最大手のZyngaに買収(2010年8月)。
 
 また、メガSNS系(mixiチェッック、Facebook pleces)、グーグルGoogle places、Twitterが位置情報サービスの基盤サービスを提供し始め、このようなプラットフォーム側と位置ゲー(アプリケーションレイヤー)の境界が曖昧化。今後、プラットフォーム側が提供する領域が拡大すると、位置ゲーの付加価値が低下する恐れ(パワーシフトする)がある

コロプラはオープン領域で新しいコンテンツ、サービスを開拓していく必要性があるだろう

2010年11月8日月曜日

ソーシャルベンチャーのスピルオーバー

 今日は、「ワールドカフェで学び合う「いろどり」モデル。最新ソーシャルビジネス研究会」開催。http://tweetvite.com/event/2of3

質問3)日本にも高齢者、過疎地はたくさんあるが、いろどりのビネスモデルを他の地域でも同じように展開することができるだろうか? その理由は何か?

 この問題の答えを一般化/定式化することの価値は計り知れないと思いますね。高齢化の過疎地域で新しい産業が生み出せないで苦労しているところが日本国中に至るところにありますから。行政側からも、この問題の問いの答えを求められています。是非、みなさんの集合知を結集して、チャレンジできたらと思います。

ソーシャルベンチャーのRBV理論の適用

 今日は、「ワールドカフェで学び合う「いろどり」モデル。最新ソーシャルビジネス研究会」開催。http://tweetvite.com/event/2of3

事前質問2)
いろどりは全く資源がない状態から、どのように経営資源、ケイパビリテイを蓄積、進化、バーションアップさせていったのか? 環境適応を含めて考えてみて ください。経営資源に乏しいベンチャー企業にも参考になる点はあるか?

 経営戦略論の1つの考え方として資源ベース理論(RBV:Resource-based View)がある。経営資源が企業の競争優位を決めるという考え方である。

 いろどりを考えた場合には最初は経営資源がなかった。いや正確には隠さた資産(hidden asset)となり有効に活用されていなかった。その段階からどう経営資源を蓄積・進化していったのか? これは経営資源の乏しいベンチャー企業にとっても重要な問いとなる。

 次に、何が資源を価値あるものにするのかという問いが重要である。理論的には、顧客デマンド充足性、希少性、占有可能性などがその要件となる。特に、その経営資源が顧客の需要を満たすのにどう貢献するのかという観点から、経営資源の有効性を整理されたい。

ソーシャルベンチャーのステークホルダー

 今日は、「ワールドカフェで学び合う「いろどり」モデル。最新ソーシャルビジネス研究会」開催。http://tweetvite.com/event/2of3

私が考えた事前質問は3つ。
事前質問1)いろどりは、どのようなステークホルダーをもっているか? そのステークホルダーにどのような価値を提供しているだろうか?

 ソーシャルベンチャーでは必ずしも株主が最優先されるわけではない。まずどのようなステークホルダーがいるかを考えて、それぞれのステークホルダーはどのような期待をもっているのか、その期待に十分に応えているのかを振り返ることは極めて重要なことだと思います。

 また、各ステークホルダーの期待に応える過程で、ステークホルダーの利害対立やコンフリクトが起きる可能性もあり、そのコンフリクトをどういうメカニズムによって解決していくのか? この辺りを皆さんと議論できれば面白いのではないかと思いますが、いかがでしょうか?

2010年11月7日日曜日

ベンチャーの精神 孫泰蔵さんから学ぶ



孫泰蔵さんとの飲み会のワンショット
飾らない謙虚な人柄と、仲間思いの熱いハートを持つ方。自分にとっては今一番気になる人でもある。もちろん、お兄さんのことも気にはなるが・・・。昔から孫さんに似てると言われていた。確かに少し似てる・・・。

泰蔵さんが教えて下った言葉に、最澄の「一隅を照らす、これ即ち国宝なり」である。ここにベンチャーの存在意義をみている。

私の座右の銘は、アシジの聖フランチェスコの「おのが身をすてて、死するがゆえに永遠の生命を得るものなればなり。」である。

実は、最澄の言葉と聖フランチェスコの言葉は同じ意味である。
自分を捨てるという言葉に囚われるとわからないが、ここでは本当の自分(真我)とかりそめの自分(エゴ)を区別することで意味が通じる。

つまり、エゴを捨てることによって、より大きな生命と一体になり自分は世界と一つになり永遠に生き続ける存在になることができるのだ。

この精神を自分の肝に銘じて事業に邁進したい。

2010年11月6日土曜日

実名性が信頼経済の基盤か?

「ソーシャルな問題」の解決には、「ソーシャルな解決法」が向いている。昨日は「最新ソーシャルファイナンス研究会」でmaneo(株)の妹尾社長をお招きし、講演後、妹尾社長に参加者に考えてもらいテーマを2つ設定しワールドカフェ形式でグループディスカッション、全体セッションと進んだ。このグループディスカッションの中から鋭い視点がいくつも出された。

 私が「ソーシャルな問題」と言っているのは、誰かが唯一の正解をもっているわけでなく、その解決のための情報が広く分散されている状態にある問題のことを意味している。このような問題には、対話形式のいわば「ソーシャルな解決法」が向いている。

 ソーシャルファイナンスはお金の貸し手側に経済的なリターンと社会的なリターンを提供する。現在は貸金法の規制もあり、貸し手も借り手も匿名性になっている。ソーシャルレンディングのソーシャルな部分と匿名性が矛盾しているのではないかという指摘がなされた。この点は慧眼だと思う。

 日本でも、SNSはmixiの匿名性から、Twitter、Facebookの実名性に移りつつある。オープン、ソーシャルにおいて、実名で顔が見えるという効果は非常に大きい。匿名のプラットフォームは信頼の基盤としては危い部分をもっている。
 まさに、この点はソーシャルファイナンスにおいても、ソーシャルメディアにおいても、匿名から実名に移ることによって、プラットフォームが信頼経済の基盤となるという未来の方向性が示されているのではないか? 
 

2010年11月5日金曜日

コトラーのマーケティング3.0は幻想or現実?

 ソーシャルメディア業界ではやっているコトラーのマーケティング3.0のリアリティをチェックしてみたい。

顧客(ユーザー)の感じる価値はピラミッド型になっている。
下層から、ファクト、機能ベネフィット、情感ベネフィット、パーソナリテイ、コアバリュー。わかりにくいコアバリューはユーザーがその企業とつながりを保ちたいという一体感である。

ユーザー価値はユーザーが評価判断するものである。決して企業側ではない。この前提を忘れる、もしくは前提としないことが議論を混乱させるもとになっている。

多くの企業がユーザーに以上の価値の全てを提供しようとする。しかしながら、それを決める、受け取るのはユーザーであって企業ではない。

実際は、多くの企業が提供できる価値はファクト、機能レベルにとどまっている。優れた企業が、上部の、情感ベネフィットやパーソナリテイを提供することができる。そして、本当に偉大な企業がコアバリューを提供することができる。今の日本なら、ユニクロ、ソフトバンク、日本マクドナルドなど本当に数少ないだろう。

ソーシャルメディアがいくら普及しようが、この事実はあまり変わらない。コアバリューまでを提供することができる企業はごくわずかだ。むしろ、仮面がはがされる透明性の時代にはより少ない会社しかコアバリューを提供できないかもしれない。

この辺りがマーケティング3.0のパラダイムをすんなりと我々が受け入れられない根本原因だと思う。「ソーシャルメディア時代だから、コアバリューを提供しましょう」と言っても、受け取るのがユーザー側だから、多くの企業は受け取ってもらえない。その辺りの現実を身にしみている企業が多いため、マーケティング3.0に「そうはいってもね・・・」という反応となり、すんなり乗れきれないのだ。

2010年11月4日木曜日

ソーシャルメディア時代の新しい購買モデル(AAS熊沢モデルの提唱)

ソーシャルメディア時代の新しい購買モデル(AAS熊沢モデルの提唱)

 マーケティング分野で長く使われてきた購買モデルはAIDMAである。1. Attention(注意)→2. Interest(関心)→3. Desire(欲求)4. Memory(記憶)→5. Action(行動)。

 ネット時代に入り、消費者の購買プロセスは変化したため、電通によりAISASモデルが提唱された。
1. Attention(注意)→2. Interest(関心)→3. Search(検索)→4. Action(行動、購入)→5. Share(共有、商品評価をネット上で共有しあう)

 では、ソーシャルメディア時代にはどういう購買モデルが妥当なのか、AISASモデルはどう変わる可能性があるのかを考えてみた。

 Facebookで自分の趣味嗜好に近い友達がいいね!と言っていたら、そのようなソーシャルフィルタリングを介すると、モデルは以下のように短縮化される。
1Attention(注意)→4 Action(行動、購入)→5 Share(共有、商品評価をネット上で共有しあう)

Interest(関心)とSsarch(検索)はソーシャルフィルタリングによってプロセスから省くことができる。

 AAS熊沢モデルでプロセスが短縮されるので注意から購買までの時間も短縮される。企業にとってはリアルタイムマーケティングの必要性が高まっていくだろう。また、これまでは注意から行動までの抜け落ちが大きかったが、その抜け落ち率は低下する。しかし逆に、比較購買の必要性が減ると、このソーシャルグラフ上に入っていない商品・製品は最初から消費者の購買選択肢から除外されてしまう。

今後さらに実際にどうかを観察していきたい。まだアイデア段階なのでご批判ください。

ソーシャルメディア VS ソーシャルファイナンス

ソーシャルメディア VS ソーシャルファイナンス

 明日、「最新ソーシャルファイナンス研究会」がスタートする。ソーシャルファイナンスというと、NPOバンク的なアプローチをとる方が多いが、私は、お金を仲介する業態や機関によって整理するのではなく、果たす機能によってソーシャルファイナンスを整理し直そうと考えています。売り手と借り手を結びつけるために、仲介機関がどのような機能を果たしているのか? 

 取引がなぜおこなわれるのか? 逆に取引がなぜおこなわれないのか? この疑問を解く鍵は「取引には取引コストがかかる」という単純なものだ。この研究したのが、ノーベル経済学賞を受賞したロナルド・コースやオリバー・ウィリアムソンだ。私の大学院での論文が、フランチャーズチェーンによって、なぜ直営戦略とFC戦略をとる違いが生じるのか? その理由を計量的に研究するテーマだった。実はこれも取引コストの経済学の応用問題なのである。

 現在、社会的な事業に十分にお金が回っているとは言いがたい。つまり取引がおこなわれていない。取引コストが高いからだ。この問題は「お金の出し手とお金の受け手の間の取引コストを仲介機関がまだ十分に引き下げることに成功していない」と言い換えることができる。
 どのような情報を提供すれば、また、どのような補完的なシステムを導入すれば、取引コストを下げられるか? ソーシャルメディア普及によるソーシャルグラフが信用情報の可視化を可能とし、貸し手からも意味と価値を持ってきている点も興味深い。ソーシャルファイナンスとソーシャルメディアの融合領域である。この辺りを(株)maneoの妹尾社長をお招きして、参加者とワールドカフェで意見交換してみたい。

 この辺りは、間違いなくソーシャルファイナンスの最先端の研究分野で、参加者も蒼々たるメンバーとなった。ソーシャルベンチャーの経営者の参加率が高くないのが今回は残念ではあるが、世の中にこの英知をフィードバックしていきたいと考えています。

2010年11月3日水曜日

2WayコミュニケーションからMany to Manyコミュニケーションへ

2WayコミュニケーションからMany to Manyコミュニケーションへ

「ぬるま湯がいいのか悪いのか?」で議論されていますが、私はこう考えます。
日本のソーシャルメディア業界が進歩、進化するためには、どんどん議論があっていいんじゃないかと思います。

 まだ皆、Facebookのコメントにどういうこと書いていいのか? どこまで批判しても許されるのかなど、戸惑っている状態だと思います。「役立つ情報提供してくれてありがとう」みたいな挨拶程度のものが多いです。その情報の有用性は、書いた人とコメントくれた人の2Way コミュニケーションに限定されます。他の第三者からの情報有用度ははっきり言って低いです。「あなたはそういうけど、私はこう考える。その根拠は・・・」ぐらいの方が第三者的には面白いし有用です。FacebookのコメントはMany to Many のコミュニケーションなんですから。その辺りがまだ無意識に誤解されているんだと思います。

 比喩的に言いますと、参加者はそれぞれ役者に徹した方がいいと思います。役者は観客を盛り上げてなんぼですから。最低限のルール、個人攻撃はしないなどを守って、活発に議論していきたいと思います。

2010年11月2日火曜日

これまでのマーケティング体系をぶっつぶす

 ソーシャルマーケティングというと、通常は社会の変革などを目的とした啓蒙的マーケティングのことを意味しています。コーズマーケティングやソーシャルメディアを活用するマーケティング(SMM),Nonprofitマーケティングと位置づけとしては並立的です。しかしながら、企業の役割として、社会全体のことを考えて行かなければ立ち行かないし、マーケティングも成り立たない時代に入りました。企業のマーケティングも社会全体の善にプラスにならなければ消費者にも受け入れられることが難しくなっています。というわけで、私はソーシャルマーケティングをより上位概念として、その下に、コーズマーケティングやソーシャルメディアマーケティング、Nonprofitマーケティングに包括する形に体系化したいと考えています。

 そして、マーケティグを考える際にも、単に売れるか? 単に株主にプラスになるか?だけではなく、社会全体、ステークホルダー全体にプラス価値を本当にもたらしているか? 短期的のみならず中長期的にも社会全体にプラスとなっているか? 経済的なリターンのみならず、ソーシャルリターンも含めたソーシャルなインパクトを与えうるかという観点から、結果効果重視の計量的な、ソーシャルな価値をはっかり示すマーケティングを今後進めて行きたいと考えています。

 つきましては、11月15日から、「最新ソーシャルマーケティング研究会」をスタートする予定ですので、ご興味ある方は是非ご参加くださいませ。
詳しくは http://tweetvite.com/event/ntup

新たなパーソナルブランド確立法:ソーシャルサーフィンの薦め

 この2年をみると、ソーシャルメディア分野ではパーソナルブランドを急激に高めたのは、質の高いブログを継続的にアップしできる多産能力のもった人たち。ループスの斉藤さんとイケダハヤトさんなど。
 今後価値が高まりそうなのは、情報集約フィルタリング能力とソーシャルサーフィンのスキル(後述)だと思う。
 時間が少なくなると中々質の高いブログでも全部ちゃんと読めなくなるし、その辺りをフィルターしたり、まとめてくれるキュレーターの存在は本当にありがたい。時間を節約させてくれるという価値を読者に提供している。この辺りはホリエモンや佐々木さんがよく言っていることだ。

 もう一つ、今後求められるのはソーシャルサーフィンのスキルだと思う。ソーシャル化の波に乗る能力のことである。Facebookが普及しつつあり、その特徴はなんと言っても豊富なコミュニケーション機能。自分は一次情報を生み出すのではなく、その一次情報の便乗し、質の高いコメントや批判、評論するというあり方である。私はこの能力を造語だがソーシャルサーフィンと呼びたい。どこに波が来ているのか、どこに波が来そうかを的確に予測して、あっちこっちと顔を出す。自分のホームベース(ブログ)は持たずに。そんなありかたもソーシャルの波に乗る方法としては考えられる。

2010年11月1日月曜日

熊村剛輔さんにこんな質問したら怒られるかな?

 日本マイクロソフトの熊村剛輔さんが講演されるので参加してみた。せっかくなので、熊村さんに昔から思っている質問をぶつけてみた。「(私)日本MSのソーシャルメディア戦略はうまくいっているんですか?」答えは、「この場でうまくいってないなんて言えるわけないじゃないですか(苦笑)」「(私)ソーシャルメディアの厚いバイブルを苦労して作りましたけど、他の会社にも作ることを薦めますか?」「ケースバイケースで少人数の会社には必要ないでしょう」。うまく言っているという根拠は?と聞きたかったが今回は時間切れ。

 講演自体は軽妙なテンポで内容も面白く自然に入り込むことができた。さすがプロのサックス奏者。スライドで説明されたのは以下の通り(間違えがあったらゴメンナサイ)。
Social Influence Marketing is more than WOM
Social strategy begins with your digital strategy.
Your owned platform can be just as social as Facebook.
Every traditional marketing objective can be made social.
Measurement must be actionable.
 欧米はソーシャルメディア利用者が多いから、現実的に、企業もソーシャルメディア対応し、全体デジタル戦略の一部として位置づけられている。測定は、アクションに結びつく形で計測されているという話。

 日本でもソーシャルメディアの目標設定・効果測定が常に問題になるが、本当にアクションにつながる意味ある実行性がある指標をモニターしているのかどうかが問われる。今後、リアルタイムマーケティングがさらに進むと、この部分をさらに磨く必要がある。

2010年10月31日日曜日

スケダチ高広伯彦氏のマーケティング論を読み解く

最近何かと話題の
スケダチ高広伯彦氏のマーケティング論を読み解く

 宣伝会議10/1号に、スケダチ高広伯彦さんが寄稿している。ちなみに私は同氏には直接の面識はない。

簡単に要約すると
・キャンペーンを企画する際には、①シナリオ、②コンテクスト、③コンテンツの順に考える
・ ①シナリオは企業側の意思、②コンテクストはターゲットとなる人と結びつく文脈、③コンテンツはコンテクストの具現化と位置づけている。シナリオの最終ゴールは常に「商品の価値をターゲットにうまく説明すること」に設定
・商品とターゲットを結びつけるものとして「コミュニケーション資産」と「メディア利用態度」を把握が必須
・ソーシャルメディア活用ではユーザーのつぶやくしかけと仕組み作りが必要
・今の時代は、消費者の間で話のネタに入らないと広告は広がらない。考える手順と発想法を変えるべき。

以上の話から分かる点は、
・高広氏もソーシャルメディア時代にマーケティングは変わらなければならないという認識を持っている
・ソーシャルメディアは手段としての重要性は鑑みつつも、特に重視しているのは、ユーザーと商品を結びつけるコンテクスト作りである。
・ユーザーがメディアするが、それはコントロールできるものではない。企画の中に、話題となる必然性(コンテクスト作り)が重要

私が解釈するに、高広氏は、コンテクストをより上位に位置づけ、ソーシャルメディアを手段、道具としてその下位に位置づけているのではないか? だから、IT系のソーシャルメディアコンサルの方々が「ソーシャルメディア万歳!」と叫ぶ時に、「それは手段でしょ。コンテクスト作りがより重要であり、それは各キャンペーンなりいろいろ考えて工夫しないと、手段(道具)を振り回してもうまくいかないよ」と警鐘を鳴らしている、と考える。

2010年10月30日土曜日

企業がNPOのソーシャルメディア活用事例から学べることもある

「NPO × ソーシャルメディア」勉強会に参加。
日本のNPOのソーシャルメディア活用は海外と比較するとだいぶ遅れている。勉強会ではNGO/PLASのキャンペーン事例など先進的な取り組みを聞くことができた。

 NPOと営利企業を比較してみたい。NPOの方がインフルエンサー(影響力が大きい人)にキャンペーン協力してもらうなどのレバレッジをかけやすい。営利企業の場合は、何か見返りをあげないと難しいし、お金を渡しインフルエンサーに協力してもらうと開示が微妙なところがあるし、隠して後でわかると批判をあびることもある。NPOが無償で協力してもらう場合はこのような問題は生じにくいし、インフルエンサーもNPOキャンペーンに協力しているいい人というブランディングにプラスになる面もある。

 もう1つはNPOの場合は認知〜アクション(例えばファンドレイズ)までの階段(Ladder of Engagement)が長いことだ。ツイッターで知ってもらってもファンドレイズまでなかなかたどり着かない。大企業の場合は認知の高さもあり、キャンペーンの認知〜商品を買ってもらうという階段はそれほど長くはない。NPOの場合は、認知〜アクションに至るLadder of Engagementをより緻密に設計しなくてはいけない。オンラインだけなくオフラインも絡めたり、様々なプラットフォーム連携も有効だろう。

 これまではNPOと営利企業の違いを話したが、企業側も、インフルエンサーを有効に活用することと、認知から購入まで、初期購入者からヘビーユーザーに転化させるLadder of Engagementをより緻密に設計していくということは、ソーシャルメディアの効果を高める上で重要な要素と言えるだろう。

2010年10月29日金曜日

新しいソーシャルマーケティングに着手

新しいソーシャルマーケティングに着手

 今、IT系のソーシャルメディアコンサルタントVS既存のマーケティング系のコンサルタントとの戦争が勃発している。ちょうど、そういうターニングポイントに入ったのだと思う。だから、改めてマーケティングを捉え直す必要を感じている。

 時代とともにマーケティングも変わっていくのは当然だ。今後、新しいソーシャルマーケティングの枠組み作りに着手していきたいと思う。まだ未完成であるが、その思考過程もウェブでコンテンツとして提供していきたい。

 まず考えるのがソーシャル化という時代の波、影響をどうマーケティングに取り入れるのか? そもそもソーシャル化とは何か?

 資本主義の目的として株主価値の最大化がうたわれた時代があった。マーケティングも株主価値との関連付けを精密化する方向に進んできたのも事実。しかしながら、現在はその考え方は古くなり、時代にそぐわなくなったと思う。 株主だけでなく、ステークホルダー全体の期待を持続可能性な形でマネジメントしていかなければならない。企業の方向、目線がまず変わった。

 というわけで、新しいソーシャルマーケティングはスタークホルダー全体の影響、そのソーシャルインパクトを計測し、その全体価値の向上を目的にするという方向ではないかと思う。この面では、民間企業はソーシャルベンチャーに学ぶことがたくさんあると思う。

2010年10月28日木曜日

コトラー、マーケティング3.0をそのまま真に受けるのは安易ナリ

 最近のソーシャルメディアのはやりはコトラーのマーケティング3.0のパラダイムの受け売りだが、そのまま真に受けるのはあまりに安易だ。あの本はコトラーの名前貸しの本であり、実際にコトラー自身は書いていない。コトラーが何才か知っていますか? 1931年生まれですよ。

 自分は、コンテンツ、プロダクト、コミュニティという区分でマーケティングを捉え直すようにしている。メディアの違いでマーケティングを捉えても(例えばソーシャルメディアマーケティング)、それはあくまで手段であり、簡単に本質を見失ってしまうと思う。

 また、環境変化によってマーケティングを分類することもしない。マーケティングは受動的なものではなく能動的な主体的な取り組みだからだ。コントロール可能なものとそうでないものの想定に大きな違いがある。

 なぜ、この3分類で捉えているかと言うと、それぞれ、情報鮮度とマネタイズのしやすさやマネタイズ方法に明らかな違いがあるからだ。その情報鮮度が顧客価値の源泉になっているという想定をしている。時間をみつけて、この辺りを体系化して今後発表していきたいと思う。

2010年10月27日水曜日

ソーシャルメディアの今を振り返る

 3ヶ月前にはTwitter関連本の出版ラッシュが続いたが一服感がある。現在は、Facebook関連のスタート本ラッシュが始まりつつある。コンサル会社のセミナーもTwitterからFacebookに主戦場を移しつつある。ほんと、早いですね。

 現状の位置づけからすると、Twitterはオープンなメディア、FacebookはTwitterと比較するとかなりクローズドなメディアになっている。Twitterのフォロワーの数とFacebookのフレンズの数を比べてみて下さい。

 流れ的にはオープン→クローズ→マネタイズになるとは思います。ただし、現状、Facebookの普及率、勢いがついてきたとは言え、米国とはまだ状況が違います。この当りをはきちがえると効果が出てきません。この流れとスピードを戦略的にマーケティングに活かして行くかは企業の腕の見せ所だとは思います。ブランドのない会社や小さな会社はやっぱりTwitterをまずは地道にやり、潜在顧客基盤を広げるということではないかと思います。コンテンツを磨くことによって誰でも目立つことができる。これが、オープンなネットワークの最もいいところですから。

 フェーズとしても、アメリカの先進事例を学ぶという段階(ループスさんの貢献が大きいと思います)から、どう実際の運用からインプリケーションを導くか、plan do seeからさらにどう軌道修正してより効果的なplanを練るのか、より戦略的なマーケティングにソーシャルメディアを取り込んで行くかという段階に入ったと思います。盛んに行われていた無料セミナーも有料化が増えつつあります。勉強の段階終わり。ソーシャルメディアに参入するかどうか悩む段階は終わったということです。

 リアルとバーチャルをどう連携させるか? Twitterでどう集客するかも、リアルな関係も重要になります。インフルエンサー、コミュニケーションハブのような方を媒介にするとスムーズにネットワークを広げることができます。これを大企業は常に考えなければならないテーマの1つですね。

 既存メディアとソーシャルメディアをどう位置づけるかという問題もあります。最近、mixiのユーザー反応が極めて悪いと思いますね。このメディアは集客ツールとしての位置づけはこの1年でかなり地盤沈下したんじゃないでしょうか? Twitter普及の最大の被害者はmixiというのが私の仮説です。いい方法あったら教えて下さい(笑)

2010年10月26日火曜日

ソーシャルファイナンスの定義?

 ソーシャルファイナンスって何? という人もまだ多いと思う。いろいろな人がいろいろな意味で使い、一義的な定義が定まっているわけではない。
よく使われるのは、アイルランド政府報告書の「金銭的収益と同様に社会的収益もしくは社会的配当(=ソーシャルリターン)を追求する機関によって提供される金融活動」という定義である。

 実はこの定義はお金を出す目的によってソーシャルファイナンスを定義していることから多分に曖昧性を有している。目的はその主体しか把握できないし、目的は複数にわかれるケースが多いからだ。

 例えば、ソーシャルレンダリングの日本のパイオニアの(株)maneoの場合はどうか? 個人と個人を結びつけるP2P金融仲介サービスだが、高い利率で決まっており、お金の出し手は金銭的収益を目的とし社会的な収益の投資ではない。では、(株)maneoはソーシャルファイナンスに入らないのか? しかもその目的は外部の私が比較的高い利率で決まっている事実から推測したものに過ぎない。

 そもそもお金の出し手と受け手をつなぐ金融仲介機関は、極端なことを言えば仲介であって、投資目的は関与しないと言うこともできる。

したがって、ソーシャルファイナンスを目的で定義づけることは混乱のもとになる。このため、ソーシャルファイナンスを定義できる人がいないのだ。
 私は、目的ではなく機能的アプローチによってソーシャルファイナンスを分類し直すことを考えている。

2010年10月23日土曜日

同志的結合?

 今日は楽しみにしていた孫泰蔵さんの講演会。今日は起業の話だった。最澄の「一隅を照らす人物こそ国の宝である」という言葉を紹介して下さった。私の信条として言葉に、アシジの聖フランチェスコの「自分を捨てて、永遠の命を頂くのですから」という言葉がある。この2つの言葉は本質的には同じことを言っていると思う。

 坂本龍馬も、ヤフーの創業者も、自分のエゴを捨てて大義に身を捧げたから大きな仕事や人を感動させる仕事が出来たのだと思う。

 利己ではダメで利他の力。これを根本的に資本主義のエンジンに埋め込む必要がある。ボランティア、本当の仲間、大義に身を捧げる同志。起業家の周りの利害を超えたな仲間達の励まし。世の中の共感など。

 大上段に構えると、ボランタリー経済と貨幣経済の連結するところに、今後の資本主義の未来の姿があると思う。自分の会社のビジネスモデルに共感して頂き、自分勝手に、同志的な結合がはかれたのではないかと思っている。

2010年10月21日木曜日

ソーシャルベンチャーの新しいフレームワーク

 ソーシャルベンチャーのための分析フレームワークを考えたいと思っています。来月の社会起業ケーススタディ研究会は11月8日(月)に予定。そのためにケースを読み質問を考えているところ。やっぱり通常の会社とは違う面もある。

1つは目ステークホルダー全体の把握と提供する価値を考えなくてはいけない。特に、無償のボランティアや寄付者は彼らの期待に対して価値を提供しないとすぐ離れしまう。

2つ目は、通常の会社でよく使うポーターの5フォースなどはあまり役立たない。規模が大きくないということもあるが、ソーシャルな分野は概して競争、囲い込みにはなじまないものだだ。

3つ目としては、通常の組織図やバリューチェーンに収まらない部分がある。だから、ソーシャルベンチャーのダイナミックなオーガニックグラフみたいなものを考えたいと思っている。

4つ目としては、ケイパビリティ、資源アプローチが分析ツールとしては有効性が高いという感じがしている。これまでにない新しいニーズを探すケイパビリテイ、それをどう満たすかという組み立て・設計のケイパビリティ。変わりゆくニーズや規制の変更に対応する能力など。経営資源がほとんどない状態から、上記のようなケイパビリティを生み出すためにどう経営資源を蓄積し、進化していくかがポイントとなる。

分析フレームワークは、ソーシャルベンチャーのビジネスプランを作る際にも有効になるわけなので、早速開発に取りかかりたい。

2010年10月20日水曜日

NPO/ソーシャルベンチャー:寄付の前にマーケティングの視点

コーズマーケティングの専門の方にお話を伺った。印象に残ったのは、コーズマーケティングにおいて、企業とNPO/NGOの「対等の価値の交換」という視点である。企業からは、人、モノ、金(寄付)の支援をNPO/NGOに与える代わりに、NPO/NGOから企業には、消費者に対するアピール力、そのコーズに対するブランドイメージや公益性などが与えられる。

 したがって、それだけNPO/NGOにはミッションオリエンテッドなポジショニング、ブランドがなければならない。そういう意味では、日頃からマーケティングができているかどうかが問われることになる。NPO/NGOもピラミッド構造になり、ごく一部の会社しか明確なブランディングができていない。企業側がパートナーに選ぶのはそういう企業に限定されがちである。

 国民の寄付に対する意識が低い、税制の問題から寄付が集まらないというのは事実だけれども、NPO/ソーシャルベンチャーにとって、まず第一に自社のマーケティングを見直して、ミッション、ポジショニング、ブランディングを再確認する必要がある。

2010年10月19日火曜日

ソーシャルマーケティング:コーズ・ブランディング

 慈善事業を自社事業と関連づけたブランド戦略「コーズ・ブランディング」が広がりつつある気配。株主だけでなく、顧客、社員、地域社会、政府、サプライヤーなど様々なステークホルダーに向けて有意義な方法でコーポレイトブランドを売り込みたいというニーズが高まっているからだ。

 どの分野を対象とするか? よくあるテーマを支援対象としても市場での差別化にはつながりにくい。ニッチを狙うと目立つが、それには、それなりの主張、理論武装、ステークホルダーに対する説得力を必要とする。目的は、あの活動といえば自分の会社を想起させることを狙うのだ。

 かつてないほど社会貢献が注目される今、それを完全に無視していくことは難しい。では、どのレベルで行って行くべきか? 消極的な慈善活動〜コーズ・ブランディング〜ポーターの競争優位を狙うアプローチ。コーズはスペクトラムの中間に属するため比較的取り組みやすいというメリットをもっている。自分たちが課された、もしくは自分が自ら課した責任を、どう価値ある資産に転換していくかという発想と戦略が必要になる。

2010年10月18日月曜日

ソーシャルベンチャーのもたらす価値 ソーシャルインパクト

 ソーシャルベンチャーに対する批判の一つに、民間企業と比較すると大した売上、利益になっていないじゃないかというものがある。確かに、ソーシャルベンチャーで有名なフローレンス、(株)いとどりにしても売上は2億円程度だ。民間企業ではこの数字だけでは胸を張って成功とは言い難い。

 ただし、ソーシャルベンチャーのもたらした価値を論じる場合に、金銭的な価値以外に、ソーシャルな価値、ソーシャルインパクトがあり、それをどのように測定するかが問題となる。

 葉っぱビジネスで有名な「いろどり」のケーススタディを読んでみた。この会社のソーシャルインパクトは、高齢者が生き甲斐をもって働けたことによる健康増進効果、Uターン者が増えた効果、地域コミュニティの活性化、見学者が増えたことによる宿泊施設の潤いなどがある。
つまり、株主以外のステークホルダーが受け取るソーシャルインパクトある。
 
 また、このビジネスを参考にして他の高齢化・過疎化地域でも新しいビジネスにチャレンジするなどのスピルオーバー効果も期待できる。

 このような主張もソーシャルインパクトをより具体的数値で説明した方が説得力がますので、私はそのようなチャンレジ、ソーシャルインパクトの可視化に取り組んで行きたいと考えている。

2010年10月15日金曜日

ザッポス 成功の秘訣は「幸せの科学」???

 我が社はお客様の満足を目指します。お客様を幸せにすることが我が社の使命ですとうたう会社は多い。では、どうすればお客様は幸せに感じるのか? その幸せを哲学レベル、そして科学レベルで追求している会社はほとんどない。

 ザッポスCEOトニー・シェイはその幸せの科学にどれくらいの時間を使っているかを問いかける。そして、その幸せの科学がビジネス、ブランド、そして自分自身にどれだけ役に立つかを考えてみてくださいと問うている。

彼が幸せのフレームワークとして挙げているのは
Perceived Control
Perceived Progress
Connectedness
Vision / Meaning(Being part of something bigger than yourself)

もう一度、自分の会社が、従業員を、そして顧客をどうしたら幸せにすることができるかを考えてみるといいかもしれない。

2010年10月14日木曜日

ザッポスから学ぶ10レッスン

相変わらず、ザッポスからソーシャルメデキィアの成功法則を導くべく研究中。オンライン上の口コミを有むには顧客の期待を上回るサービスの提供が必要。期待のマネジメントが重要である。そして正直でオープンな企業文化をつくることだ。

ザッポスから学ぶ10レッスン
1.Eコマースはリピート客で成り立つビジネスである

2.口コミこそがオンラインでは本当によく効く

3.価格で競争してはいけない

4.ウェブサイトの在庫表示は100%正確であるべきだ

5.顧客の場所から最適な流通拠点をおさえる

6.カスタマーサービスは投資である(単なる支出ではない)

7.小さくスタートして、フォーカスを失わない

8.秘密主義にならず、競合のことで思い煩わない

9.会社の文化を積極的にマネージする

10.専門家の話を鵜呑みにしない

2010年10月13日水曜日

企業がソーシャルベンチャーから学ぶ点

 フローレンスのケースを勉強したときに、ソーシャルベンチャーを通常の企業と同じフレームワークで分析していいのか迷ったことがあった。私はやっぱり異なるフレームワークを採用すべきだと感じた。

 ソーシャルベンチャーと営利企業とどう違うのか? 明確に答えることは難しいが、単純化すると組織の目的関数が異なるのだと思う。営利企業の場合は株主利益の最大化が基本原理である。最終目的関数が株主利益だとしても必ずしも顧客利益や従業員利益が切り捨てられるわけではない。あくまで株主の残余利益を最大化を図るということである。この過程で社会的な損失が生じてもそれは最大化する目的の中には含まれていない。

 ソーシャルベンチャーの場合はどうか? 社会利益を含めたステークホルダー全体の利益の最大化を図る。

 この目的関数の違いによって、2つの組織の振る舞い方はだいぶ異なる。民間の会社と役所が異なるように、企業の制約条件と目的関数の違いによって、行動は全く異なるものになる。
現在ソーシャルベンチャーが注目されるのは、サステナブルな社会を作る上で、ソーシャルベンチャーのあり方は通常の会社にも参考になる点があるのだと思う。

2010年10月12日火曜日

ソーシャルメディア時代の成功事例:ザッポス

 
 新しいザッポスのケーススタディが出たので研究中。ザッポスはソーシャルメディア時代の注目株。今後の新しい企業像、新しいパラダイムを提示していると思う。

かいつまんでまとめると、
・ソーシャルメディアは有効だが手段。事実ザッポスはコールセンターを重視する。
・広告より顧客の期待を上回るサービスでWOWをよび、口コミ紹介を広げる
・NPSを顧客の満足度指標として採用し、どれだけ人にその会社を薦めたいかを常にモニターする。
・ソーシャルメディアを活用するにはオープンな企業文化が不可欠
・会社、社員、ブランドの連携、一貫したブランドイメージ作り
・幸福の哲学と科学をもち、従業員、顧客をどう幸せにできるかを考える
・モチベーションとインスピレーションの違いの認識。お金でモチベートはできるが大切なのはビジョンやカルチャーでインスピレーションを与えること
・企業文化が最大のブランドであり、差別化。

ザッポスはHappiness frameworkとして、perceived control,perceived progress,Connectedness,vision/meaningを挙げています。

 マス広告の有効性がどんどん落ちて行った際の企業の対処法を教えてくれています(どこまでできるかは別ですが)もう少し研究していきます。

2010年10月11日月曜日

コンテンツ<プロダクト<コミュニティ

ビジネスを考える場合に、

コンテンツの役割:見込み顧客をよびこむ、自分の専門性をアピールする
プロダクトの役割:クライアントの問題解決に役立つためにコンテンツの再編集・パッケージ化
コミュニティの役割:一方的でなく双方向、そしてクライアント同士の対話から価値が引き出さ
れる

 例えば、ソーシャルメディア関連で、有効期間でいうと、コンテンツ3日、プロダクト半年、コミュニティ2年。コンテンツもプロダクトも作らずに一足飛びにコミュニティ形成が可能であればそれが一番いい。目的はクライアントの問題を解決すること。

2010年10月8日金曜日

ソーシャルファイナンス:共感をよびこむことができない市場

 
 今年IPO市場も低調だ。IPOの数もそうだが、質的にも魅力的な会社が少ない。数少ないIPOの中から粉飾会社がでる始末・・・。
 VCは海外IPOに活路を見いだそうとしているが、おそらく徒労に終わるだろう。

 いろいろな原因はあるが、一番大きいのは、「IPOモデル」が、社会に共感をよむことができなくなったことである。

 IPOを目指して会社を興す。IPOを目指してがんばる。IPOをえさに従業員をストックオプションで採用する。そして、最後はIPOで儲かるのはオーナーである自分自身。上場後に購入した投資家は損をするのが当たり前。
 このドラマの結末では1回は許せても、投資家としては何度も許すわけにはいかない。

 ソーシャルな時代には社会に共感をよぶことができるかが大きなファクター。共感は利己的な行動ではなく、利他的な行動やより大きな大義(Cause)からよびおこされる。そのような共感ファクターをどこかに入れないとIPO市場が復活することはないだろう。

 仕組みとして、株式の流動性が生じるものであっても、実際には買い手、買いたいと思う人、つまり共感がいなければ流動性は担保されないのだ。結局のところ、市場経済は感情の上に基盤を築いている砂上の楼閣なのだ。

 そういう意味では、私はソーシャルベンチャーに注目している。ここにどういう形で、どれくらいのお金が流れて行くかが日本の将来を決めていくのではないか? 

2010年10月7日木曜日

ソーシャルベンチャー:今後の戦略を考える

 今日がいよいよ、社会起業ケーススタディ勉強会だが、事前質問の問いに、
「今後のフローレンスの方向性について評価して下さい。あなたが駒崎氏の立場だったなら、「病児保育事業」についてどのような成長戦略を描きますか?」

 今後の展開で一番の岐路は、フローレンスは病児保育のこの領域にとどまるべきか? それとも他の分野に進出すべきか? フローレンスのミッションは「こどもの熱や軽い病気の時に、安心して預けられる場所が圧倒的に少ないという病児保育問題を解決する」。他の分野に進出するのであればミッションからはみ出ることになる。

 企業でも無関係な分野への多角化はパフォーマンスが低いが、強みやコンピタンスをもとにした多角化展開は成功確率が高いとされる。ならば、フローレンスの強みはどこにあるのか? どこにその強みを活かすべきか? 

 問いをさらにブレークダウンすると、「フローレンスはどのような新しい問題に直面しているか? フローレンスにどのような新しい機会があるか? 組織にとってどのような新しい課題が現れているか?」
 また、「顧客のニーズはどう変わっていているか? 顧客の価値はどう変わってきているか?」なども点検する必要がある。

 現実はどうあれ、必ずしもそれが正解とは限らない。ケースの場合はその時の情報のみで決断することで、意思決定能力を磨くのが目的だ。

2010年10月6日水曜日

ソーシャルビジネス:ブームの背景?

 事前質問を考えた張本人が自分の考え方がないのもどうかと思いますので、今日は、自分の質問に対する自分の考え方をまとめたいと思います。

社会起業ケーススタディ勉強会の事前質問の1つ。
「現在、社会起業家ブームとなっているが、社会起業家を押し上げている社会的背景はどこにあるのか? それは単なるブームで終わらないか? フローレンスはどういう時代の文脈にマッチしたのか?」

 基本的には、f(ミッション実現)←(機会、能力、コミットメント)と思います。現在、フローレンスが注目されるのはミッションを実現してきたから。そのミッションがうまく時代の機会を捉え、それに対する組織内部の能力とコミットメントを高めることができた。

パラダイムのシフト
価値観/  オーナー、株主IPO →より広い、社会全体の価値の重視
既成概念/ 行政がやる仕事、補助金でやる事業→民間がやる、民間の方がうまくやれる
NPOのあり方/ ミッション重視、弱い持続可能性→自助努力、マネジメントも重要に
ミッションの時代適応性/ 男が働き、女性が支える社会→働く女性を応援する社会
社会的問題の解決/ 単純、行政が解決 → 複雑化、単一の企業だけでは解決が難しい
行政への認識/ お役所の安心感→行政は非効率、ニーズ対応力が弱い、多様なニーズに対応できない

 民間企業でも、NPOでも、ソーシャルベンチャーでも、成功する割合は低位、一定率しかありませんが、多くの人がソーシャルベンチャーという方向で事業をおこなっていけば、数としてはどんどん成功事例も生まれてくるんではないでしょうか? 昔のIT,ネットバブルと同じです。

ソーシャルビジネス:成功の基準は?

社会起業ケーススタディの事前質問の1つ。
「フローレンスの成功要因は何か? フローレンスは成功していると考えられるか? 何をもって成功を評価すべきか?」

 社会起業の成功の基準を何と考えるか? これがいつも議論の混乱を生む原因の一つともなる。以前、ダイヤモンドの特集でビジネス側の人たちが社会起業家に否定的な見解をしたことがあった。その原因も実はここにある。

ビジネス側の人たちの成功基準は業績、売上、利益、ROI、成長率など。目に見えるもの、測定可能なもの、比較可能性があるものとなる。売上が1億〜2億円で成功と評価されるのが、ビジネス側の人たちには到底理解できないのだ。

 それに対して、社会起業は社会の問題解決とビジネス性の両立を目指すとはいえ、全てがビジネス性で判断されるわけではない。より重要なのはミッションの実現可能性を高めることである。そのミッションはその社会起業組織固有のものであるとすると、他社と比較可能なのか、比較すべきかが実は難しい問題となる。

 また、「成功を考える範囲の違い」と言う問題もある。ビジネスの場合は極論すれば株主が儲かるかが成功の判断基準となる。最近はさらに修正されたステークホルダー全体という考え方も出てきてはいる。社会起業の場合は、その組織と社会を含む範囲を成功を考える範囲として捉えている。したがって、組織だけ、株主に還元する利益だけでは成功の判断はできないのだ。

2010年10月5日火曜日

ソーシャルビジネス:生き残る組織アーキテクチャーは?

フローレンスのケーススタディ勉強会で考えた事前質問の紹介。
「フローレンスはNPOという組織形態を採用していますが、NPOである必要性があるのか? 株式会社では駄目なのか? 組織形態のメリット、デメリットを考えてみてください。」

 この問いに対して、正直、自分自身明確な答をもっているわけではない。評価の基準をまず何にするかが問題となる。それぞれの組織形態によって目的が異なり、それにともない評価基準も異なるはず。

 通常のビジネスを考える場合は、環境と戦略に基づき、組織アーキテクチャー(意思決定の権利、評価システム、報酬システム)を、最適に決めていくアプローチをとる。組織アーキテクチャーは組織形態(NPO or 株式会社)によって異なるものになる。

 環境が異なれれば、戦略が異なれば、最適な組織アーキテクチャー、そして最適な組織形態も異なるものとなる。

 時代を通じて、競争を通じて、生き残っていく形態が適者生存の理となる。今後を考えると、ソーシャルベンチャーも株式会社形態がドミナントになると私は予想しています。

2010年10月4日月曜日

ソーシャルビジネス:ミッション、ビジョンの設定

「社会的起業ケーススタディ勉強会」を主催している。第1回は10月7日でフローレンスのケースだがすぐに30名以上が参加希望者が集まる。ソーシャルベンチャー周りは熱い。

ケースの事前質問を考えてみた。
「フローレンスのミッション、ビジョンを評価してください。フローレンスがおこなっている事業は彼らのミッション実現の方法として適当かどうか評価してみてください。」

 営利企業でもそうだが、非営利企業はとりわけミッションの設定が重要である。ミッションとビジョンはよくこんがらがるが、ミッションは、その組織が現在の活動をなぜ行っているかという理由、組織の存在価値、目的である。ドラッカーは「何をなしたことをもって人々の記憶に残ることを願っているのか」に答えなさいと教えてくれている。ビジョンは組織のとって望ましい未来図。

フローレンスの場合は、
ビジョン「子育てと仕事そして自己実現の全てに、誰もが挑戦できる、しなやかで躍動的な社会」
ミッションは「こどもの熱や軽い病気の時に、安心して預けられる場所が圧倒的に少ないという「病児保育問題」を解決する。」

どういうミッションがいいミッションなのか? 判断するにはその評価基準が必要である。
ミッションの実現がビジョンの実現にスムーズにつながるか? ミッションは短く、焦点が絞られているか? そのミッションは外部の機会、組織の能力、コミットメントのバランスはとれているか?

また、そこから、顧客が明確になるか? 成果が明確になるか? 組織の人材が正しい仕事をするように動機づけられているか? 顧客にどういう価値を提供するかが明確化されるか?
などなど。

参加される方々の解答が楽しみです。

2010年9月29日水曜日

ソーシャルメディア時代のパラダイム:コンテクストマーケティング

 ソーシャルメディア時代の新しいマーケティングをどう名付けるか? 私はコンテクストマーケティングというのはどうか?と考えている。

 バイラルループ(アダム・ペネンバーグ著)の佐々木氏のまえがきによると、ソーシャルメディアの進化した背景には、例えばツイッターの情報収集には「あの人から流れてきた情報」「その情報についてフォローしている人たちの感想」というコンテクスト(文脈)が付随していることがある。このコンテクストが社会との接続性を生んで、情報に対するある種の安心感をもたらしている。堀江モンが言っている、ソーシャルフィルタリングである。

コンテクストがあって初めて情報、コンテンツが流れるし、そのコンテクストから流れてきた情報ということでそもそもその情報の信頼度が高いわけである。

あらゆる情報が流れるためには、その前に情報通路(これがコンテクストにあたる)がなければならない。その情報通路は検索時代のパラダイムではユーザーが選ぶことができなかったが、ソーシャルメディア時代にはそれを選ぶことができる。これが大きな違いだ。
情報通路がどう形作られているかを見極めた上で情報を流さないとそれがどこにいくかもわからないし、バイラルに広がるかどうかもわからない。

2010年9月28日火曜日

大前研一とソーシャルメディア

 大前研一氏の著作を久しぶりに読んだ。「デフレ不況時代の新・国富論 民の見えざる手」。大学時代はすごく好きだったが、だいぶご無沙汰した。本の中では、ソーシャルメディアやソーシャル的な発想の記述はそれほど多くない。

・以前のネットでは機能的な左脳的な製品が売れていたが、現在のネットでは感性的な右脳製
 品が売れるようになっている
・注目しているのは、ファッションのネット通販サイト「ZOZTOWN」
・左脳的製品ではフルフィルメントを活かしてアマゾンの一人勝ち
・人は選択肢が多くなると選択しなくなるから、価格コムよりも、1日1品しか売らない
 「超1品.COM」
・ ポイントを中心に経済圏ができあがりつつある

 日本を元気にするには、高齢者が気前よく消費できる社会を作るのが大事という思想が基本的に貫かれる。それには合理性よりも、センチメント、感情の方が大事と考える。米国では高齢者のソーシャルメディア利用が急激に増えていることがよく話題になる。日本はまだそれほどではないし、高齢者がソーシャルメディアを使いこなすにはまだ数年は要するだろう。だから、日本では、リアルとバーチャルをどう結びつけて、高齢者の消費を刺激するか、そのビジネスモデルをどう構想するかが問われている。

2010年9月26日日曜日

ソーシャルファイナンス:ソーシャルベンチャーキャピタルが期待される

ソーシャルファイナンス:ソーシャルベンチャーキャピタルが期待される

 今日は、SVP東京のネットワークミーテイングに参加した。農家のこせがれネットワークの宮治さんの話が面白かったし、プラスリジョンの福井さんのプレゼンも短時間であったがうまさを感じた。
 ソーシャルベンチャーにとって周りの人たちをどう巻き込んでいくか、共感を得ていくかは重要。ベースは利己ではなく利他。自分のためではなく世界のため。

 SVP東京はソーシャルベンチャー、NPOに投資する団体という認識であったが、実際には投資ではなく寄付である。仕組みは、10万円払ってパートナーになる。パートナーが参加し投資委員会をひらき投資先を決定する。投資ともにプロボノ支援を2年間おこなう。投資といっても寄付という形でお金を出した見返りはソーシャルリターン(満足感)であって金銭リターンはなし。

 私自身ベンチャーキャピタリスとして働いてきた。VCはIPOを目当てに未公開企業に投資してきたが、現状の国内IPO市場では開店休業状態で、海外IPO に活路を見出そうとしている。国内はソーシャルベンチャーが注目され、今後の成長領域。ここにどういう形でお金を回していくか? 現状は、ファンドレイジングといっても寄付がほとんどで、お金の出し手に金銭リターンはない形が多い。やはり、金銭リターンを見込めないと資金供給のパイプは太くならない。ソーシャルベンチャーに投資するにはどういう形が可能か? これが、私が考えている「ソーシャルベンチャーキャピタル」という概念である。

コーズマーケティング「Volvicの1L for 10L」

 今日はコーズマーケティングの勉強会に参加。日本のコーズで最も有名なのは「Volvicの1L for 10L」。今回はその話を担当者の方から直接聞ける貴重な機会。

 ボルヴィックが売れると、その売上の1部がユニセフに寄付され、ユニセフがアフリカのマリに井戸を作る。売上1L分につき10Lの水が作られるという仕組みだ。

 成功の背景としてポイントは4点。1点目は、ボルヴィック(ダノン)にとっては本業の水にかかわるグローバルプロジェクトである点。2点目は持続性を重視した支援内容となっている点。3点目は消費者が参加しやすい支援の仕組みになっている点。4点目はプログラムを効果的に広める認知活動をおこない支援している点など。

 キャンペーンも既に5年目に入り、今後どうやって消費者の賛同を得続けていくべきかをグループワークで話し合い会社側に提案した。

 私(およびグループ)の提案は、より消費者参加型のプロジェクトに変更していく方向。例えばNPOにマリに水を増やすためにどうすればいいかを提案してもらい、消費者に投票してもらい、その上位プロジェクトに寄付を分配するなど。
 また、水は低関与製品なので、いかに消費者側の関与を増やしていけるかがポイントでもある。キャンペーン期間中3ヶ月はペットボトルの色をピンクにしたり、リボンをつけたりするなど。ソーシャルメディアを活用する方法性も考えられる。例えば、ボルヴィックを飲むと、携帯でチェックインし、飲んでいる者同士の交流を増やすなどして、新しいソーシャルグラフを生み出すなど。

 このキャンペーンはグローバルにおこなわれているが日本のキャンペーンが一番反応がいいらしい。寄付やコーズがメジャーな国よりも、それがまだ根付いていない日本の方が、手軽に参加でき、しかも目立つということか。

2010年9月23日木曜日

ソーシャルファイナンス:ミュージックセキュリティーズのカンボジアファンド

 発展途上国への融資や森林再生、グリーンエネルギー開発などを支援する「社会貢献型投資」が広がっているそうだ。今日は、ミュージックセキュリティーズのカンボジアファンド説明会に参加した。当社はソーシャルファイナンスの潮流には欠かせないプレーヤーの1社。純米酒ファンド、妖怪ファンドなど、純粋な金銭リターン以外の共感で個人の小口投資を集めている点は評価できる点だ。

 当社はもともと音楽ファンド(インディーズレーベルCD投資)からスタートしたが、現在は途上国へのマイクロファイナンスに力を入れている。カンボジアファンドはLiving in Peaceが企画し、当社は募集販売を担当する形で累計40百万円程度の募集に成功している。

 マイクロファイナンスはソーシャルファイナンスの分野の中でも比較的大きな位置づけ。マイクロファイナンスは儲かるというイメージも強く、純粋に金銭リターンからのみで興味をもっている人も多い。
 
 参加者の声を聞くと、途上国の人々のためになるという社会的貢献の部分と、リターンで2~3%期待できる点(あくまで想定)を好意的にとらえているようだ。社会貢献型投資は、資金使途が明確な分、お金の出し手の思いが伝わりやすい。このダイレクトに貸し手と借り手をつなぐという点が重要な部分である。

 ただし、このファンド説明会に参加したがスキーム面で分かりにくい点が多かった。お金が何に投資されてどういう契約のもとでリターンが決まるか肝心の部分がわかりにくい。質問したら、サミック(投資対象会社)が前年並みの業績を達成すると2〜3%のリターンが期待できるという(曖昧すぎないか?) 貸し出し3%(年36%)がなんで2〜3%になるのか、その途中は何に消えるのか? カンボジアファンドはインディーズCD投資と異なる金融商品なので、この部分ははっきりと明示すべきだろう。友達が当社のインディーズCD投資に1万円投資したら1万1円でかえってきた(笑)。共感を得て売るというイメージ戦略はわかるが、その前に金融商品販売としての説明責任、販売責任を果たすべきだろう。実際に投資を(ほぼ)決めた人のウェブ画面で採算シュミレーションができるというが、極めて不親切である。

 スキーム面でも、募集人数が50人以上で法的に大丈夫かとか、貸金業の規制対象とならないのか、グレーゾン金利に該当しないかなど、不明点も多い。

 為替ヘッジをしていない点もスキーム上の大きな問題である。途上国の人のための貢献投資がいつの間にか投資家にはFX投資になってしまうリスクが生じるからだ。

2010年9月22日水曜日

CSR3.0の時代

 今日は竹井善昭氏の講演会に出席した。テーマは「CSR3.0の時代」
出席者は200人あまり。企業側とNPOではNPO側の出席者が多かったように思う。独特のカラーがあるので、なんとなく、だいたいわかる。

 コトラーのマーケティング3.0 (人間志向)、 ダニエル・ピンクのモチベーション3.0(世の中に役立っている感)を提唱し、CSRも2.0から3.0に変わらなくてはいけないという主張。
これからのCSR3.0は儲かる CSRだというのがキャッチフレーズだが、その具体的な方法論の提示はなく、いささか消化不良。

 人に見られると自分の行動も変わるけど、我々はソーシャル時代に、適応戦略の結果として、新しい人間像に脱皮しているのかもしれない。(より他人にやさしく親切に)。ゲーム理論でも情報の双方向性が囚人のジレンマで協調行動を誘発する契機になることが示されているし、繰り返しゲームの側面もあり、協調を誘発するインセンテイブを有する。

 CSRでどう企業の利益につながていくかは、私が提案している、「ミッションリンクと売上のリンク」をロジックモデルで整理すると活動インパクトと関連性を整理することができる。これはNPO側の企業へのマーケティング提案にも有効と思われる。相手の企業のミッションと自分たちが提案する マーケテイングがどう関連し、インパクトを与えうるかを説得力をもって示すことができる。

 NPO側と企業側はカラー、色、においが違うので、なかなか相手の立場にたった提案になっていないきらいがある 今回の参加者の方々の質問から、いかにNPOの人たちが企業側に受け入れられる提案をしていくかに 苦労しているかが分かった。「NPO向け、企業に認められるマーケテイング提案の考え方と実践」というコンテンツつくるといい かもしれない。。

2010年9月20日月曜日

企業がソーシャルメディアを使う理由は何か?

 企業がソーシャルメディアを使う理由は何か?を考えてみたい。99年には、企業はネットを使う理由は何かを様々議論したが、現在はネットがソーシャルメディアに変わった。

 目的には中間目標と最終目標がある。この両者をわけることが重要である。中間目標からwhyを繰り返していくことで最終目標に到達することができる。

 企業がソーシャルメディアを使う理由は何か?(why)→従来のマーケティング手法の有効性が落ちたから(why)→消費者が変化したから+ウェブ環境が変化したから(why)→ネットが発信型メディアに変化+企業広告よりもCGMの方が信頼される→→・・・・・・
→(最終目標)SMMで消費者(顧客)の満足度を高めることができるから。

 中間目標はいろいろあるが、ソーシャルメディアを企業が使う最終目標は消費者(顧客)の満足度を高めることができるからだ。この最終目標がソーシャルメディアを活用する判断基準を提供する。というわけで、企業は具体的にSMMでどうやって顧客の満足度を高められるかを問うことが重要となる。

 顧客満足度を示す一つの指標=(結果+プロセスのクオリティ)/(売価+入手コスト)

 ソーシャルメディアを活用し購買プロセスのクオリティを高め、入手コストを下げることができる。この入手コストにはリスクも含んだものだ。

 自分の買おうとしなかったものを友達の紹介で買ったり、信頼できる友人の紹介であれば探す手間コストが少なくなったり、比較的自分と嗜好が似ている友人紹介で掘り出しものを見つけたり、買う過程で友達とその商品に関して話すことができるなどの楽しみも付加される。また、企業側も口コミによって知らせるコストを下げることができる。

コーズマーケティング:社会貢献でコーポレイトブランドは上がるか?

 今月の広報会議の特集は社会貢献でコーポレイトブランドは上がるか? 答えはわかりきっているが、要はケースバイケースだ。実際の成果をあげるのは結構難易度が高い。

 成功事例として、ボルヴィックの「1L for 10L」、ユニチャームのカーボンオフセット商品「ムーニーマンスリムパンツ」、コカコーラの省パッケージ飲料水「い・ろ・は・す」などが挙げられていた。これらも、コーズマーケティングなのか、商品の差別化戦術なのかの境界はかなり曖昧だ。

 多くの企業がまだ社会貢献と自社のマーケティングをどう結びつけるかの解を得ておらず、様々な面で模索段階である。

 まずは、自社のミッションを明確にし、その社会貢献活動がどうミッション実現に結びついていくかを考えてみることだ。「活動内容→短期的成果→中期的成果→長期的成果→ミッション・ビジョン」のフローを明らかにしてみることである。

 活動内容とミッションがあまりにかけ離れていると消費者へのアピールが弱くなりし、活動内容と成果の直接的、直感的な結びつきも消費者へのアピールに影響を与える。また、実際にその活動内容が社会に意味のあるソーシャルインパクトに結びつくものでなければ企業の自己満足に終わってしまう。この辺りを消費者に見透かされると効果は弱まってしまう。以上の流れの中で、売上リンク(活動内容が実際の売上にどう結びつくか)を明確にしておくことも不可欠である。

 今回の特集ではあまり触れられていなかったが、コーズマーケティングにおいてソーシャルメディアをどう活用できるかは重要であり、企業側としてもこの面では知見を積んでいく必要がある

2010年9月18日土曜日

ソーシャルグラフが付加する情報価値って何なの?

 今、起こっているソーシャルメディア革命を、コミュニケーション理論で説明するとどう解釈できるかを考えてみたい。

 コミュニケーション理論では、コンテンツ、コンテクスト、そしてコミュニケーションが重要な概念になる。AとBでコンテクストを共有しているとそこにコンテンツが流れ、コミュニケーションが成立する。逆にコンテクストを共有していないとそこはコンテンツの流れが悪くなり、コミュニケーションが成立しづらくなる。

 文化論的にいうと、高いコンテクストを有する国と低いコンテクストを有する国がある。日本はハイコンテクスト、米国はローテクストと言われる。外国の方がいくら日本語を学んでも、なかなかコミュニケーションが難しいのは、日本がハイコンテクスト国だからである。

 ソーシャルグラフは、いわば自分を含むコンテクストのことを意味している。人と人とのつながり(友人、知り合い関係)というコンテクストである。このコンテクストをオープンにすることで、自分にあったコンテンツが流れやすくなるメリットが生じる。つまり、自然と自分にあったコンテンツ、情報が流れてくるメリットを得ることができるのだ。

 企業の立場からすると、自分たちのコンテンツとコンテクストをうまくマッチングさせることで、ユーザーにあったコンテンツを提供でき、コミュニケーションが円滑にすることができる。一度、この視点で自分たちのビジネスを抽象度を高くして考え直してみることをおすすめする。

2010年9月17日金曜日

ソーシャルグラフデザイナーって何?

インターネットがソーシャルネットに変わる時、何がどうかわるのか?

人と人の関係       → 人ともの、コンンテンツの相互関係
ネットとリアルの分離   → ネットとリアルのより深い融合(生活空間)
クローズド        → オープン化
SNS           → ソーシャルグラフプロバイダー
SNS収益(広告モデル)  →SNS収益(ソーシャルグラフアクセスフィー)
SEO(検索エンジン最適化)→SGO(ソーシャルグラフの最適化)
情報を集める時代へ    →情報が集まる時代へ
コマース業者、CP     →ソーシャルグラフデザイナー

 現在、mixiがソーシャルグラフプロバイダーを標榜している。今後、ビジネスモデルも広告モデルからソーシャルグラフへのアクセスにチャージしていく形に変わるだろう。コマース業者やコンテンツ業者(CP)も、SEOからSGOを重視に変化し、この過程で必然的にグーグルからFacebookなどのソーシャルグラフプロバイダーへのパワーシフトが生じていく。

 コマース業者やコンテンツ業者(CP)はソーシャルグラフプラバイダーから提供されるソーシャルグラフとどう連結し、ソーシャルグラフプロバイダーから提供される情報と自社が所有する情報のマッチングを図り、経済価値を生み出していくかというデザイン思考が必要になる。

ソーシャルグラフデザイナーという言葉は私の造語ですが、というわけで、ソーシャルグラフデザイナーという視点なり、考え方が今後重要になっていくと予想しています。

2010年9月16日木曜日

ソーシャルメディア時代の企業像?

ザッポスの伝説から何を学ぶか?

 今月のHBRはザッポスのCEOトニー・シェイのインタビューが掲載されている。ザッポスはソーシャルメディアの申し子のように思われているが、インタビューでは在庫管理、コールセンター、顧客サービス、企業文化などベタな話が多かった。

 ザッポスは、広告にかけるお金があるなら顧客サービスに投資すべきと考える。顧客が口コミでマーケティングしてくれるからという理由からだ。顧客サービスはコストではなく投資と捉えている点がユニークだ。

 また、顧客対応にマニュアルはなく、個人的なきずなを育むことをモットーにしている。従来のマーケティングはROIを計算するとき顧客生涯価値を一定と考えるが、徹底した顧客サービスで顧客の心にブランドとのきずなを作ることで顧客生涯価値を向上できると考えている。ザッポスにとって企業文化を最大の差別化の武器である。

 日本にここまで徹底した会社は聞かない。ネット上の口コミの影響力が増すにつれ、従来型広告は力を失い、本物の顧客サービスがよりペイする傾向が強まることは重要な傾向である。これは、広告の投資効果(残存効果、ブランド形成効果)が薄れているということだ。ザッポスから、ソーシャルメディア時代の今後の企業像を導くことができるだろう。

2010年9月14日火曜日

ソーシャルメディアポリシー:ソーシャルメディアポリシー立案

 今日は、ADKインタラクティブ総研のソーシャルメディアポリシーを策定した方からお話を聞く機会があった。策定の背景としては、「コミュニケーションのプロならソーシャルメディアのプロでもありたいという思い」と、「他社に先駆けて知見を高めたい」という理由から。

 悩ましかった点はポリシーの適用対象。広告業の場合は制作会社も自社内に普通に机をもって仕事をしているので情報は筒抜け。自社社員のみならず制作会社も適用対象にするかどうかが悩ましい点だ。

 社長ツイッターも、外部からみると会社の公式見解ととられる可能性も高いので、このポリシーの適用対象になっているそうだ。そこは面白い。

 社員向けの内部版ポリシーでは具体的な事例を提示することで理解を深める工夫をしている。例えば、社員がツイッターで「これからmixiと打ち合わせ」とつぶやいた場合にどういう影響が起こるか? 具体的に考えていくと様々なリスクがこの一言でも引き起こす可能性はあるのでなかなか悩ましい。また、ポリシーを破った場合に罰則を設けるのかどうかなども明確には決めがたい。

 各社の事情があるのでよいポリシー、悪いポリシーはないという見解をとられていた。ここは私と意見が異なるところ。公表するソーシャルメディアポリシーは潜在ユーザーとのコミュニケーションのベース、コンテクストになることを目的としているので、その目的を十分に果たす要件を満たすポリシーかどうかが問われるので、よいポリシーと悪いポリシーは分かれる。逆説的に、だからこそ、各社がオーダーメイドで各社の事情を配慮してポリシーを立案する必要があるのだ。最近、個人ブログでもポリシーを掲げている方もいらっしゃる。これもまた同じ意味からだ。

2010年9月13日月曜日

「団体ホームページで寄付集め失敗しないコツ」

 セミナーに参加。自分が寄付を集めるビジネスを展開するつもりはないが、ソーシャルなお金の流れには注目している。また、社会の課題解決とビジネスの利益追求をどう両立させるかは私の研究テーマ。寄付をして頂くくらいの共感をどう集めるかは重要。

 これまでのネット募金は、クリック募金、寄付ポータルサイト経由、決済事業者経由。最近ではツイッター募金も加わる。これはあくまで他力なので、NPO団体としては自力で、自社ホームページでどう寄付を募るかが課題。

 流れは、①サイトの実力把握→②目標設定→③ターゲット設定→④寄付ページのコンテンツメッセージ。①Google Analyticsなどでよくホームページの来訪者の動きをモニターして設計、コンテンツ制作に活かすことが必要。②目標設定は年間収支計画からブレークダウンしたり、現実的に現在のユニークユーザーの1%程度を目標にしたり。③ターゲットは、既接触者をどう寄付者に変えるかがポイント。④メッセージではファーストルックや見出しを大切にし、寄付したくなるストーリー作りが大切。寄付のボタンを大きく目立つ色にするのも効果があるそうだ。

 ネットの寄付者の年齢層は20代後半から30代前半で男女比は半々とのこと。緊急災害援助はものすごく寄付が集まるそうだ。モバイル募金はまだハードルがかなり高い。本気で日本の寄付市場を育てるつもりならば、お金持ちの方やシニアー層が寄付していただく後押し(税制その他)が必要だろう。

ソーシャルメディア活用の話は全くなし。ホームページとソシャルメディアをどう連携させていくかは今後の重要なテーマだと思うのだが・・・

ソーシャルメディア:売上リンクとミッションリンク

 企業側がソーシャルメディアの活用で、効果測定をどうすればいいのか、KPI設定にどの指標を採用するのがいいかなどが悩みどころになる。コンサル会社はきっちとした目標設定しなければならないと盛んに言うが、いざ実際にどの指標を使えばいいか企業側が質問しても明確に答えることができないのが実情だ。実際にソーシャルメディアの活用が売上にどうつながっているかという「売上リンク」の考え方である。

 NPO、社会的企業の場合はどうか? ソーシャルメディアを活用した、情報発信、情報収集、コミュニケーションなどの機能からどう具体的なアクションにつなげていくかが課題になる。一番重要なのは自分たちのミッションを効果的に伝え、ミッション実現の推進力を得ること。自分たちのソーシャルメディアを活用したアクションがミッション実現にどうつながるかという「ミッションリンク」という考え方である。

 透明性の時代になり、企業も時代にあった社会的・文化的なメッセージを製品、行動に入れることが信頼の元になってきている。この辺りの理論構築ができないと成功が難しくなる。要はコンセプトとストーリー作りである。

 だから、企業側も、ソーシャルメディアを活用する上で、「売上リンク」とともに、「ミッションリンク」のデュアルシステムをとるのがいいというのが私の考えである。

2010年9月12日日曜日

プロボノという働き方の選択

プロボノという働き方の選択

 自分がプロジェクトマネジャーとして関わるプロボノ活動が一段落ついたので、自分なりの考え方をまとめておきたいと思います。

 自分はこれまでVCで成長企業の調査は何千社とやってきましたが、社会的起業のリサーチは初めての体験でした。いろいろと学びがありました。VCの調査では、その企業がIPOまで成長できるかが判断基準ですが、社会的起業の場合は成長至上主義ではないのでミッションが最初に重要になってきます。

 実はここでいきなり難題がふりかかります。そのミッションも、経営者の、その団体の価値観に基づき、何が社会にとって重要な課題なのかという主観的考えに基づくもので、必ずしもプロボノ支援側の価値観と同じというわけではありません。ここにあまりにギャップが大きい場合はプロボノを行うことが難しくなると思います。

 また、社会的な課題の解決方法も様々です。起業家が考えているアプローチがミッションに対して有効性が高いかも冷静にもう一度考えてみる必要があります。

 今回は3名のリサーチャーで社会起業家をサポートする体制でした。プロボノのプラス面は、バックグランドの違う人とコーワークし、新鮮な情報や刺激を受けられる点が挙げられます。逆に、問題点は、グループワークの常ですが、特定の人に極度に負担が生じるケースがあり、それをどうプロマネするかとバッファリングをどうするかは考えたほうがいいです(中間組織側に負担がかかるケースもあります。穴をあけると、プロボノとは言え、起業家に迷惑をかけてしまうリスクが生じてしまいます。

 目的や期間が限定されている方がやりやすい面がありますが、先ほど言った負担が短期的に特定の人に生じるリスクも高くなります。プロボノ中間支援組織は、各リサーチャーのスキル、起業家のビジネスプランの課題をうまくマッチングされることが必要になります。

 経営資源の少ない社会起業家にとっては、多くの人の共感を得て、組織外の人に応援してもらうことは必要となります。そういう意味で、うまくプロボノを活用できることは社会起業にプラスになると思います。

 ただし、通常のプロボノは、支援対象をNPOに限定したり、まだまだ使い勝手がよくありません。社会起業側とプロボノ支援者側の両方の満足度を高める方法はまだたくさんあると思います。今回のプロボノ体験を踏まえて、今後、世の中に新しいプロボノ体系を提示したいと思います。プロボノが、日本の文化に根ざした、社会起業の不可欠なインフラになる可能性は十分にあると思います。

 日本に寄付の文化を立ち上げるよりもプロボノの文化を立ち上げる方がよっぽど現実的というが私の率直な感想です。

2010年9月11日土曜日

mixi新プラットフォーム発表、人と人のつながり何が変わるのか?

 mixi新プラットフォームの発表会がおこなわれた。方向性はソーシャル化の強化、オープン化の推進、他国のSNSと連携しグローバル展開という流れ。ソーシャル化の方向は大方の予想通りであったが事業展開がスピードアップした感があった。

ネットの世界も急速に地殻変動が続いている。インターネットの最初の利用画面がポータルや検索からソーシャルストリームに変わったり、情報収集も検索からソーシャルグラフを利用する形になったりと、我々のネットの行動パターンもここ1〜2年でだいぶ変わりつつある。

 企業側もこれまでは、検索画面の上位に自分たちを表示してもらうための最適化(SEO)が重要だったが、これからはSGO(ソーシャルグラフ最適化)が重要になり、友人知人にいかにバイラルしてもらえるかがポイントとなっていく。

 ソーシャル化によって何が根本的に変わるか? 一つはユーザーが求める情報を探す時代から自然に集まる時代になっていく。また、その情報を画一的な情報から、よりそのユーザーにあったカスタマイズ化された情報になっていく方向性が予想される。

 ソーシャルグラフプロバイダーを標榜するmixiにとって克服しなければならないのはソーシャルグラフの劣化(データが古くなった)と匿名性の弱みの克服である。

1人1人がつながることで何が変わるのか? これまでのデータを単に流すという機能面が重要な時代から、より感情、生き生きとした息吹が流れる世の中になっていくのではないだろうか? それはツイッターによって既に証明されていると思う。

2010年9月10日金曜日

ソーシャルファイナンスの機能

 もともと、金融機関は資金余剰主体から資金不足主体にお金を流す(資金仲介)が一つの重要な役割である。お金とともにリスクのトランスファー機能も有する。これとともに、情報生産機能、情報仲介企業も金融機関の重要な役割だが、この情報機能がソーシャル化の影響を大きく受けている。

 新しい金融は、借り手の定型的なデータだけでなく、定性的なデータ、お金が必要な背景、事業に対する思いなどもリアルに伝えられるようになった。そうすると、借り手側は貸し手の共感をどう得るかが重要になってくる。要は、これまでの無機的な金融が、ソーシャル化によって、より人間らしく、人と人とを 瞬時に結びつけるシステムとして機能し始めてきたと言えるかもしれない。

2010年9月9日木曜日

ポータル系サイトのグルーポン型サービスの参入が増えるか?

 宿泊予約の(株)一休が、プレミアムクーポン共同購入サイトを今秋オープンすることを発表した。いわゆるグルーポン型サービスの参入である。発表後、株価の上昇が続いている。ポータルサイトとグルーポン型サービスの潜在的な価値獲得の可能性を評価している。

ぐるなびはピクメディアとの提携という形をとったが、今回は直接参入型。今後、ポータル系の会社が独自サービスとして、グルーポン型サービスの参入が増えていくと思われる。私も1社コンサルティング中である。ポータルに登録している個々の会社にはできないことでポータル系の会社で実現できることが実はたくさんある。

購買フェーズを購買検討段階〜お試し〜購入と考えると、ポータル系の役割は前半の比較検討に情報的価値が高い。そのような価値をグルーピング化して、パッケージ化することで、クーポンとしてまとめることも可能である。また、リアルタイム性をどう引き出すかもサービス設計のポイントとなるところで、設計者の腕の見せ所である。

2010年9月7日火曜日

日本経済のソーシャル化、信頼ネットワーク

信頼資本財団が面白い試みをしている。熊野理事長の考え方はラディカルで刺激的だ。ソーシャルの本質を理解する上で非常に役立つ。

 社会的企業に対して無担保・無利子で300万円を上限に融資する。その際に、融資を受ける人は「信頼責任制」といって自分の知り合いを3人紹介する。この人たちは融資を返済する法律的な義務は負わない。あくまで、「信頼できる人の輪作り」と「信頼の可視化」を目的としたものなのである。また、融資を受ける人は知恵の提供を義務づけられ、データーベース化され原則公開される。

 数値化も言語化もできない無形の信頼という価値が、有形の貨幣価値を生み出すもとになるというのが考え方のベースである。

 ただし、融資期間は25ヶ月。信頼が貨幣価値に転換していく期間としては短かすぎる嫌いはある。また、初期投資を必要とするビジネスにも融資なのでそぐわない面もある。
しかしながら、社会的企業への融資の第一歩の試みとしては評価できよう。

 信頼が貨幣価値を生み出すベース。日本経済という貨幣価値の転換物が不調に陥っていることは、逆にみると、日本の様々な関係の信頼関係が傷ついていることを意味している。会社と従業員の信頼関係、投資家と会社の信頼関係、会社とその取引先の信頼関係など。

 日本経済(貨幣的価値を高める)が再生するには目に見えない信頼というネットワークをもう一度結び直す必要があるのだろう。逆説的だが、信頼は利己的行動ではなく利他的な行動によって生み出されるということがヒントとなる。

コトラーのマーケティング3.0って面白いの?

 「コトラーのマーケティング3.0」が出版されたので読んだ。副題にはソーシャルメディア時代の新法則と書かれているが、これは原本には書かれておらず、売るためのキャッチである。

 マーケティング1.0は製品を販売することが目的。マーケティング2.0は顧客を差別化によっていかに満足させるかが目的。マーケティング3.0で、世界をよりよい場所にすることが目的となり、マインドとハートと精神性を持つ人人的存在として考え、価値を追求といけないというのがざっとした内容。最後に、マーケティング3.0の10原則を掲げているがこれはややチープな感じがした。

これからは刺激を受けた私の考え
 ソーシャルメディアによって、顧客1人1人が結びつき、セグメントマーケィングが有効性を失いつつある。アプローチできるのは個ではなく、その自律的集団であるコミュニティだけとなる。その場合の企業とユーザーとの関係性は販売する者と購入する者という関係ではなく、企業もコミュニティの参加者という位置づけになる。パワーは企業からコミュニティに移り、企業は顧客の支配力、コントロール力を失う。有効な戦略は健全なコミュニティを育て、寄り添うような関係を維持することか? そのためには企業のミッションを掲げ、ストーリーを語り、内と外の間の垣根を取り払い、完全な透明性を獲得しなければならない。

2010年9月6日月曜日

社会起業家の競争って何だろう?

 1ヶ月余りにわたる公共未来塾(プログラム)が終わり、めでたく卒業。社会起業家の目的すべきものは何かということを考えてみたい。

 資本主義の競争は、その目的は株主価値の最大化である。要は株主を儲けさせるための競争。それに対して、社会起業家の競争は、様々な社会に関わる方々をよりハッピーにするための競争と言えるかもしれない。単一の経済主体のためというよりも、より大きな社会的な大義(コーズ)のための競争。
 
 どちらが経済のエンジンとして強いか? 働く人たちにパワーを与えるか? 資本主義の競争は、その目的は明確である。所有権、強いインセンティブがエンジン。ただし、所有と経営の分離によってだいぶ効率が低下した。いわゆるエージェンシーコストの発生である。経営者に一生懸命働いてもらうために多額のストックオプションを発行したり、モニタリングするために多額の監査報酬を出したり。本来、所有者=経営者の場合には存在しなかったコストである。社会起業の場合、大きな大義ということが働く人たちに大きな力を与える場合もある。また、金銭的報酬を支払わなくても、共感してくれた方々が手伝ってくれたりと、効率性が高まる要素ももっている。大義、ミッションからぶれない経営をするかがパワーの源泉となる。
 
「会社は誰のものか?」は問われ続けている問題だが、いまでもやっぱり、所有権は株主といっていいと思う。問題は、会社は誰のためにあるのかが重要となっている。地域、社会、みんなのため。

 自分を含むみんなのためであれば競争は論理的にはありえないので、「みんなのための協調、協力」ということになるだろう。この部分が本質的なところでもあり、逆に利害関係者の調整が難しいところでもある。健全なコミュニティをどう形成するか? という問題につながる。

2010年9月4日土曜日

ソーシャルファイナンスの定義は?

ソーシャルファイナンスの定義は?

 今日(もう昨日だが)は、ソーシャルファイナンスの講演会に出席した。ソーシャルファイナンスを定義するのはなかなか難しい。ある本には、「金銭的収益と同時に社会的収益もしくは社会的配当を追求する機関によって提供される金融活動」と定義されている。

 例えば、最近日本でも盛んになっている「途上国向けのマイクロファイナンス」。金利を年10%以上とるケースも多く、日本と比べて高い金利と成長性が目当てのリターン目的の投資も多い。金銭的収益目的が主目的であればソーシャルファイナンスと言えないのではないかという見方もできる。

 講演者の方は、ソーシャルファイナンスを「悪いことに投融資しない、よいことに積極的に投融資する」という定義で捉えていた。では、ソーシャルレンダリングのmaneoは上記の定義ではソーシャルファイナンスに入らない。maneoでよくあるフランチャージの開業資金は悪いことともよいこととも言えないだろう。

 仲介機関の役割を排し、個と個のダイレクトの投融資をソーシャルファイナンスの定義することもできる。

 いずれにしても、ソーシャルファイナンスを投資目的や価値判断(社会にとっていい投融資かどうか)で定義づけると、曖昧性や恣意性が高くなり、納得感や統一感のある定義とはならないだろう。

2010年9月2日木曜日

ソーシャルメディア時代にネットPRはどうなるか?

(株)ニューズ・ツー・ユーのネットPRセミナーに参加。同社はニュースリリースのネット配信代行会社である。

 ニュースリリースとプレスリリースどう違うか? 前者が全ての人に向けたニュース配信であるのに対して、後者は報道関係者向けに向けた情報配信である。ニュースリリースはネットによって配信コストが劇的に下がったことを受けて普及した配信形態である。
 ただし、どちらも会社側から発信されたものであり、情報の発信側からみた側からみた配信時点での事実であり、読み手からみた事実ではない。

 ソーシャルメディアの普及により、集合的な第三者の意見、口コミの重要性が高まりつつあることを踏まえると、ニュースリリースでいかに読み手側からみた情報の信頼度はあげていくかが課題だろう。

 もう一つの視点としては、ソーシャルメディアとどう組み合わせていくか? ソーシャルメディアは情報の配信側がその情報をコントロールできないのに対して、ニュースリリースはほぼコントロール可能となる。この2つをどう組み合わせることが、自社の情報の信頼度をあげるか、ひいてはブランド価値を高められるかという視点が重要になる。

 ニュースリリースは、期待される接触者数は少なくもリリースの数でかせぐ、そしてそのストック効果を考えると、SEO的な観点からみた場合の価値は大きいし、また企業のコントロール欲求の強さを考えると、ニュースリリースの重要性は今後もそれなりにはあるだろうと思う。

ニュースリリースが読まれる時期はコントロールできないので、逆に後から読まれぼろが出るということも当然起きてくる。

ソーシャル × ソーシャル:ソーシャルメディアを社会的起業家がどう使うべきか?

 今日は、日本財団CANPAN事務局の山田泰久さんの講演会に出席した。テーマは、「ソーシャルメディアを社会的起業家がどう使うべきか?」という話で、私の関心のずばりど真ん中。

 情報収集、情報発信でツイッターを活用しても、最終的にどうアクションにつなげるかという視点をもつべき。そもそもの目標、ミッションにどうつながるかという成果志向的な視点が重要である。日本財団のような支援側からすると、NPOで情報公開しているのが当たり前で、情報公開していないのは何か不都合なことがあるのではと疑われる時代になってきているとのことでした。そうであれば、なおさら積極的にソーシャルメディアを使うべきですね。

 最後のフリードリヒ・フォン・シラーの詩を紹介して下さいました。
この詩を読んで感じたことは、自分の生み出すコンテンツ、情報財は自分だけで作ったものではなく、多くの人からインスパイアーして頂いたことをたくさん含んでいるわけで、それに自分の権利を主張するのはどこかおかしいのかなということでした。

 欧米のように、ソーシャルメディアを使ったファンドレイズにはまだ結びついてはいませんが、支援者、ファンの獲得、自分たちの目指すミッションとその意義を広めるなど、既にÑPO、社会的企業に不可欠なルーツになっていると思います。欠けているのはそれをどう最終的なミッション実現につながるかという戦略地図だと思います。

2010年8月31日火曜日

ソーシャルメディアポリシー:日本オラクルのソーシャルメディア活用

 日経の「日本オラクルのソーシャルメディア活用」の記事を読んだ。ソーシャルメディアは日本でもB2CからB2Bに急速に広まりつつある。「コミュニケーションツール」という位置づけから、徐々に「経営変革ツール」としての位置づけを持ち始めている点が興味深い。

参考になりそうな点をまとめると、

•ソーシャルメディアポリシーは発表したのは法務部門だが、作成には広報、マーケティング、IR、法務の各部門が協力している。
•ソーシャルメディアポリシー設定以外にも、社内トレーニングをかなり重視。ソーシャルメディアとは何かという基本から、「炎上」の例の解説、ブログとTwitterの使い方の違いなどを説明。
•ブロガートレーニングということで、積極的に社員が発信していく体制をサポートしている。これらのトレーニングは業務の生産性を高めるという位置づけから業務時間内で実施されている。

 今後は、IT業界然り、あらゆる産業で有益なコンテンツを発信できることが競争優位の源泉になりそうだ。

2010年8月30日月曜日

ソーシャルメディア時代にブランド価値を高めるサイトとは?

 日本ブランド戦略研究所は、「日本の有力企業の232社のWebサイトの価値」を発表した(2010/8/30)。1位はパナソニックで812億円。2位はホンダで661億円、以下、NTTドコモが655億円、全日本空輸が582億円となった。

 パナソニックが日本のWebサイト価値のトップという結果にまず違和感を感じないでもない。AlexaでパナソニックのWeb解析してみると、日本のアクセスランキングで966位、ユーザー当りのPVは2.8、直帰率43%、ユーザーの滞在時間1.7分という結果。サイト遷移、コンテンツの内容にまだ改善の余地があるように思われる。

 今やWebサイトが企業価値に影響を与えているのは間違いない。しかしながら、どのくらいかと具体的に問われるとなかなか明確な答を出すのが難しい。

 上記の方法論は、「情報を伝達し行動を促したか?」から①情報価値を出し、「商品の購入を促したか」から②売上価値を出し、①と②の合計値としてWebサイト価値を計算する方法論をとっている。詳細は説明されていないのでわからないが、接触が結局は販売に結びついてWebサイトの価値貢献と考えるならば情報価値は売上価値に含まれるのではないかという疑問ももつ。

 今後、企業に注目されるのはソーシャルメディアの使い方である。Webサイトの中でツイッターなどのソーシャルメディアをどう使っていくか? 外部のソーシャルメディアとどう連携していくべきか? ソーシャルメディア時代で個々のWeb サイトの価値、パワーはどうなっていくのか? などが注目される。今後、ソーシャルメディア時代にブランド価値を高めるサイトはどうあるべきかを改めて考え直す必要があるだろう。

2010年8月29日日曜日

ソーシャルメディアポリシー:NPOもソーシャルメディアポリシー公開へ

 8月24日、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンがソーシャルメディアポリシーをウェブで公開した。「ソーシャルメディアポリシーの利用目的」、「ソーシャルメディア参加および情報発信にあたっての心構え」と「利用者の皆様へ」という構成になっている。内容自体は斬新な内容が含まれるわけではないが、NPOがソーシャルメディアを支援者に対して情報を伝達手段する重要なチャネルと認識する方向性は望ましい方向である。

 NPOの成功(持続)は、明確なミッションを掲げること、そして、そのミッションの重要性を人々に伝えることで支援者(ボアンティア、寄付者等)を増やしていくことで可能となる。NPOには共感力が必要なのである。しかしながら、日本ではNPOが社会とのコミュニケーションをとるのが下手である、失敗していると指摘するNPO関係者が多い。

 ソーシャルメディアは人と人の思いをつなげる有効な手段であり、これがNPO、ソーシャルエンタープライズと極めて相性がいい。欧米では、ソーシャルメディアが思いを伝える情報伝達手段としてだけでなく、お金の流れ(寄付プラットフォーム)としても、特にFacebookは既に大きな役割を果たしている。

 今後、NPO、ソーシャルエンタープライズが社会に対して大きなインパクトを与えていく(大きくなることが目的ではない)上で、ソーシャルメディアを有効に使えるかどうかが重要な条件となっていくだろう。

2010年8月28日土曜日

コーズマーケティングの萌芽

 昨日は、NPO/NGOの募金・寄付サイトの社長さんにお会い頂いた。いわゆる「クリック募金」である。消費者の気持ちを受けて企業側が募金を負担する仕組み。日本という寄付文化がない中ではインターネットが始まり一番最初に取り組む寄付ビジネスとしてはいい仕組みだったのではないでしょうか? ここ1年くらい様々な会社、プレーヤーがこの募金・寄付ビジネスに参入してきています。ビジネスセンスがある人からすると、社会起業関連ビジネスの中でもこの事業が魅力的に映るようです(私も1社アドヴァイザーに入っています)。
 
 実際、英国のJustGivingは2001年に創立され、累計で825億円の寄付を仲介し、その手数料で5%(日本は10%)とっていますから、それはそれは儲かるビジネスになっています。いくらですか? 粗利で41億円ですよ。

 私はソーシャル化によって、モノを買う(マーケティング)とお金の流れ(ファンドレージング)がどう変わるのかに個人的に興味を持っています。クリック募金は気持ち的には消費者から社会起業・NPOの流れですが、実際のお金的は企業から社会起業・NPOへのお金の流れになります。この点が面白いところですね。

もう一方で、ソーシャルメディアの普及により、口コミ、共感が広がりやすいなっています。社会起業家が自分の思いをソーシャルメディアでうまく伝えることで、世の中の共感を呼び込み、サポーターを増やし、寄付が増えてビジネスがうまく循環する仕組みを作る。この部分には私はビジネス性とともに社会的意義を強く感じています。

日本のコーズマーケティング、欧米に比べるとまだまだでないでしょうか?
社会起業の遅れとソーシャルメディアの遅れのダブルパンチですから。

ソーシャルメディアの活用法として、コーズマーケティングの仕掛けを今後共同でトライしていくつもりです。日本で最初のコーズマーケティングの成功例を作ること、これが私の夢の一つです。

ソーシャルメディアの効果測定はコンサルの最強ルーツ?

1日1ブログ続けるために書きます。正式にはもう1日たっちゃたけど。

•Ustream特別番組「日本企業はソーシャルメディアに取り組むべきか」を堪能した。こういう番組が無料なのはうれしい。フリーミアムで、後で高額のコンサル料を払わないように注意はしましょう(笑)

•対談の中で印象に残っているのは、「目標を決めて、効果測定の指標をしっかり定義してからソーシャルメディアを始めましょう」という見解。もっともなのだが、実際にソーシャルメディアにかかる投資って何? どれくらいかかるの? 投資をやる時のROIのI(投資)は、大きな媒体費用はかからないので、人的費用、機会費用ぐらいでそれほど大きな投資が必要ない。であれば、まずはやってみよう、少しでもリターンがあればいいではないか。既存メディアの効率が落ちてきているのが明らかな中でソーシャルメディアはコントロールが難しいから敬遠する、躊躇するという神経は私には理解不能だ。

•効果測定は必要ですよ、御社やってますか? やってないでしょ。実際何を指標とするかはすごく難しいんです。コンサルタントに任せてください。というように、ソーシャルメディアの効果測定がコンサル商売の切り口になっていないでもない。

•後、気になったのが「ソーシャルメディアを有効に活用するには、消費者に愛される会社になりましょう。」というスローガン。対偶は真なりだから、消費者に愛されない会社はソーシャルメディアを有効に活用することができない。このテーゼも真となる。どれだけ強い主張かは対偶を考えてみるとわかる。自分の会社のことを胸に手をあてて考えてみましょう(笑)。ドキドキするね。いい旦那になるには奥さんをココロから愛しましょうというのに近いかな?

2010年8月26日木曜日

ソーシャルメディアで再生ビジネス?

 連日のように、グルーポン型サービスへの参入が続いている。本家グルーポンの創業2年で売上300億円、利益40億円という驚異的な業績をみると、参入が続くのも納得する。これだけ参入が多いと後発で参入してきて採算があるのかは疑問ではある。

 日本でも、これまでもグルーポン型サービスに近いサービスはいくつか存在した。ネットプライスのギャザリングはかなり近い。ラストミニット・ドット・コムも間際商品を大幅デイスカウント販売するという点では近い面があった。

 現在ではどうか? ネットプライスはギャザリング会員数の伸び悩み、商品単価の下落から、業績的には苦しくなった。先日、ネットプライスもグルーポン型サービス参入した。ラストミニット・ドット・コムは三菱商事者やVCがバックアップしていたが2006年9月でサービス閉鎖に追い込まれた(私も戦犯の1人?)。

 従来の考えの延長ではうまくいかないビジネスモデルが突然うまくいく。何が大きく変わったかというと、やはりソーシャルメディアの環境である。ソーシャルメディアの口コミ効果の増幅力である。グルーポン型サービスも1年前にうまくいったかどうかは?。

 考えられるアイデアとしては、これまでのネットサービスでうまくいかなかったビジネスモデルをソーシャルメディアをうまく活かすことで再生する再生ビジネスである。

2010年8月25日水曜日

ソーシャルコマースの未来

 昨日は、(株)メンバーズ主催で(株)ループス・コミュニケーションズの斉藤社長の講演会に出席。現時点での自分なりのソーシャルコマースの考えをまとめておきたいと思う。2〜3年後から読み返すと面白い(たぶん笑っちゃう)と思う。

•斉藤社長の問いかけは「ソーシャルの力で、コマースの何が変わるのか?」。私は「コマースという人間の購買という基本的な欲求がソーシャルでどう促進させられるか」逆からの視点も考えてみたい。例えば、販売の基本は衝動買いをどう誘発するか。ソーシャルがこの衝動買いをどう誘発する仕組みを提供できるかが重要。

•コトラーが提示するマーケティング3.0のパラダイムではマーケティングの目的は「世界をよりよい場所にすること」。グルーポン型のソーシャルコマースが果たしてこの目的にそったものかは今後問われるだろう。価値を作り出しているか、単なる価値の移転か?

•斉藤社長はソーシャルコマースよって商売原点回帰がはかられ、江戸時代の三河屋のように顧客と商売人の対話が重要となると述べる。現代のソーシャルコマースの本質は売り手と買い手よりも、買い手同士のインタラクション・対話が購買を決定し、買い手の購買価値に結びついていることだと思う。このまとめ方には異論あり。

•何をもってソーシャルコマースかの定義がされていないから、斉藤社長の「ソーシャルコマースの6つの分類」もすっきり感はなし。単なる機能(ボタンをつける)の話とビジネスモデルの話が混合されている。

•私なりのまとめは、①モノを売るのではなく感動を売る時代へ、②代理店(機能?)不要の時代へ、③広告マーケティングの大部分は企業から消費者にバトンタッチ、④買いたいものを検索する時代から、買いたいものが自然に集まる時代へ。この数年でソーシャルグラフを巡る熱い戦いがSNSとコマースサイト、国内外で繰り広げられる。

                               以上

2010年8月24日火曜日

ソーシャルメディアポリシー:なぜウェブで公開すべきなのか?

 ソーシャルメディアポリシーはウェブで公開されるケースが多い。では、なぜ公開すべきなのか? 

 社内規則等は公開されない。仮にそれをウェブで公開しても誰も読まないだろう。それに対して、ソーシャルメディアポリシーはウェブで公開される。その理由はソーシャルメディアポリシーには2つの顔(内と外)があり、公開することのプラスがあるからだ。

 ソーシャルメディアポリシーは、①従業員(外注先などを含むケースもあり)に対する顔と、②顧客(潜在顧客を含む)社会に対する顔がある。①のためだけならばあえてウェブで公開する必要はない。②の機能を考えた場合は公開するプラスが生じる。公開することで、顧客からすると、どういうスタンスでソーシャルメディアを使っているかがわかり、会社と顧客との間でコンテクストを共有することができ、コミュニケーションがしやすくなる。

 ソーシャルメディアポリシーは顧客様に読んで頂くことが前提となる。積極的に自分の会社のソーシャルメディアポリシーをアピールする絶好の機会であり、この機会をムダにするのはもったいない。だから、長ったらしい行動憲章などをソーシャルメディアポリシーに含めるのはいかがかと思う。

2010年8月23日月曜日

ソシャル化によって新しい金融が誕生

 今回は、ファイナンス業界が「ソーシャル化」によってどう変化しているのか、その流れについて考えみたい。

ソーシャル化によってお金の流れに劇的な変化が生じ始めている。

DeNA、グリーなどのソーシャルネットワーク上の疑似通貨、コミュニティマネーの爆発的な成長。いずれはリアル通貨との交換価値を持つかもしれない。

maneoなどのソーシャルレンディングサービス。ネット上で貸し手と借り手をダイレクトにつなげる画期的な仕組み。従来の非効率な金融システムをバイパスする流れ。

ハノイの震災時にフェースブックなどソーシャルメディアを使うことで、従来では考えられないほど金額の寄付が瞬時に集まった。

日本では寄付は文化的に難しいといわれながらも、イーココロ!やJustGiving Jpananなど次々に寄付ネットワークを立ち上げる動きが進んでいる。この寄付ネットワークが新しい社会起業家を支える仕組みとして機能し始めている。

もともと、金融機関は資金余剰主体から資金不足主体にお金を流す(資金仲介)が一つの重要な役割である。お金とともにリスクのトランスファー機能も有する。これとともに、情報生産機能、情報仲介企業も金融機関の重要な役割だが、この情報機能がソーシャル化の影響を大きく受けている。

新しい金融は、借り手の定型的なデータだけでなく、定性的なデータ、お金が必要な背景、事業に対する思いなどもリアルに伝えられるようになった。そうすると、借り手側は貸し手の共感をどう得るかが重要になってくる。

要は、これまでの無機的な金融が、ソーシャル化によって、より人間らしく、人と人とを瞬時に結びつけるシステムとして機能し始めたと言えるかもしれない。

2010年8月22日日曜日

ソーシャルメディアポリシー:千葉市のソーシャルメディアポリシー。守り一辺倒で攻めの姿勢に欠ける

 千葉市がソーシャルメディアポリシーを策定し公開した。自治体がソーシャルメディアポリシーを策定し、公表するのは日本ではまだ珍しい。今後、このようなケースはさらに増えていくものと思われる。

一般にソーシャルメディアポリシーの必要性は、ソーシャルメディアの普及度合いとソーシャルメディアが与えうるインパクトの大きさによる。自治体の場合は職員が千葉市民の個人秘密情報を取り扱うことになるため、ソーシャルメディアのインパクトが大きくソーシャルメディアポリシーの必要性が高まったと判断したものと思われる。
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千葉市のソーシャルメディアポリシーの個々の項目を分析してみると、リスクマネジメント的な項目が大部分を占めている。

ソーシャルメディアポリシーは、策定の目的とともに、やってはいけないことなどのリスクマネジメント的な項目と積極的にやってほしいこと項目からなるのが通例だ。千葉市のソーシャルメディアポリシーはいけないこと、リスクマネジメントを中心に構成されていることがわかる。

各団体がつくるソーシャルメディアポリシーには置かれている環境、その団体の個性、そして団体の意図が反映するものとなっている。この点からも、単に他社の優れた ソーシャルメディアポリシーを参考に真似するだけでなく、各社、各団体が置かれた環境のもと、組織の位置づけを考えながら、カスタマイズ化されたソーシャルメディアポリシーを作ることが必要となる。

自治体という性格上、リスクマネジメント的観点から「守り」のソーシャルメディアポリシー策定がなされたことは理解できる一方で、千葉市民に対してより積極的にソーシャルメディアを使い、優れたサービス、社会に価値を提供していくのだという積極的な「攻め」の姿勢も盛り込みたかった。その点が自治体で初めてのソーシャルメディアポリシー公開ということを考えると残念である。

2010年8月21日土曜日

ソシャルメディアポリシー:コダックの例

ソーシャルメディアポリシーを考える上で参考例としてよく挙げられるのは、海外ではコダックとコカコーラである。コダックはSOCIAL MEDIA TIPSという小冊子16ページにまとめられた中にソーシャルメディアポリシーが含まれている。
これを読んだ方は自分の会社でも同様のものをまとめたくなるのではないか?という代物である。

コダックで参考になるのが中身の内容もさることながら項目の構成、流れである。

最初にChief Marketing Officerからソーシャルメディアがコダックにとってなぜ重要なのかを簡潔に示す。

2番目は「The social media landscape」でソーシャルメディアのなどの普及率、利用ユーザー層などの現状を最新数値とともに示される。

3番目はソーシャルメディアにまつわる誤解を事実で否定。

4番目は「10 Social media Tips」で従業員がソーシャルメディアを利用する際に参考となる秘訣が示される。

5番目は「Tips from the industry」。広告代理店Razorfishのソーシャルメディア業界に関する知見が紹介される。この冊子には教育的目的もあるのだ。

6番目は「Getting started」でまずやってみようと従業員を励ます。

7番目は「Kodak Tactics」。コダックのソーシャルメディア戦略図が示される。ここは面白い。コダックは自社をコンテンツを創造〜流通〜エンゲージを高める〜効果を測定するという「編集者」のように捉えている。この自社をコンテンツ編集者として捉える視点は重要である。だからこそ、ソーシャルメディアの活用が重要となるわけだ。

8番目で待ちにまった(?)10項目からなる「Social media policies」が示される。これをまとめる際に、マーケティング部門、情報システム部門、リーガル部門、コーポレートコミュニケーション部門との協力によって作成されたことが示されている。ソーシャルメディアポリシーを作る際に様々な部署との連携、意思統一は重要な視点だ。

9番目は自社内の様々な取り組みの例が示されている。10番はトラブルが起こった際の対処の仕方を質問形式で答え、11番目は自社のソーシャルメディアのアドレスが示されている。

いかがでしょうか? ソーシャルメディアポリシーを単に他社を真似して作るのでは十分ではなく、きっちりとした認識をもち、位置づけ、考え方を作りあげる必要性と価値がわかるではないでしょうか?

2010年8月20日金曜日

ソーシャルメディアを活用できる会社は儲かる!

経営のパラダイムシフトが続く。企業側がユーザーニーズを分かっている(と信じられる時代)から、企業側がユーザーニーズを分かっていないと考える時代へ。確実性の時代から不確実性の時代への転換である。

当然分かっていないなら、マインドセットとして謙虚さと、そのユーザーニーズを吸い上げる仕組みが必要となる。それがソーシャルメディアの有効な使い方であり価値である。

ソーシャルメディアを有効に活用できている企業群とそうでない企業では経営指標でも既に明らかな差が生じている。有効に活用できている会社としては、SNS大手3社(グリー、mixi、DeNA)、カカクコム、クックパッド、サイバーエージェント、エムスリー、ドワンゴなどが挙げられる。

これらの企業の平均増収率は34%、営業利益率は35%に達する。これらの企業はこれから起こる未来の予兆である。これからの企業は、①ソーシャルメディアを自社の経営にどう有効に使うのか? ②その結果、どれくらいの経営成果をあげることができるのか、を両面からまず考える必要がある。

2010年8月19日木曜日

米国企業が日本のソーシャル系企業を欲しがる4つの理由

米国企業が日本のソーシャル系企業を欲しがる4つの理由

ソーシャルゲームの米Zyngaがウノウを買収したり、米グルーポンがクーパッド買収によって日本市場に参入したりと、日本のIT業界もなかなか面白くなってきた。

米国企業が日本企業の買収に動く背景にはいくつかの理由がある。

1つ目は、日本の市場が有望であること。ソーシャルゲームにおいてDeNAやグリーの数値をみたら、日本のソーシャルゲーム市場の有望性は疑うべくもない。

2つ目は、日本のプレーヤーがまだソーシャルの活用の仕方がわかっていないこと。米国企業は、彼らのソーシャルの使い方、ノウハウをそのまま日本にもってくれば成功すると考えている。いわゆるタイムマシーン経営である。

3つ目は、このタイミング。今のタイミングで参入すれば日本市場でかなりのシェアをとれるのではないかと目算できること。リスクリターンで考えて十分採算があうというソロバンである。

4つ目は、モバイルにおいては日本が進んでいる面もあり、米国企業もその面のノウハウを取得したいというものである。GPSロケーションサービスなどは米国でもまだ実験的であり、ウノウの買収にはこの点も働き、高い買収価額に結びついたものと思われる。

以上4点が、米国企業が日本企業の買収に動く理由として考えられる。

この動きはこれで打ち止めか? 以上の4点が構造要因として働くので、今後2〜3年はこの動きが進むのではないか? 特に、Facebookが日本で普及すると米国企業からみた、日本市場の有望度が高まり、日本企業の買収価値はさらに高くなっていくことも考えられる。

ソーシャルでもやっぱりビジネスモデル

今日はクライアントと商談。現在、VCがアーリーステージで投資する分野はソーシャルゲームとソーシャルコマースの分野である。ソーシャルコマースはグルーポン型サービスに代表され、毎日のように参入企業が増える激戦区。ついに、本家グルーポンも日本に買収で参入を発表(2010年8月17日)

ツイッターを使って何かしたい。それも、単に一時的なキャンペーンではなく、もっと持続的な競争優位、仕組みとしての強みにつなげたいという企業からの相談が増えてきた。

その時、問題となるのがやはりビジネスモデルである。

「食べログ」は後発ながら、先発の「ぐるなび」をあっという間に抜き去った。CGMコンテンツでユーザーの圧倒的な味方という立ち位置に勇気をもって挑んだ点が大きい。飲食業者からお金をもらっているから、クライアントの評価やレーテイングをするのはなかなか難しいと普通は考えるが・・・・。

ぐるなびも遅ればせながらピクメディアと提携しフラッシュマーケティングに参入を発表した(2010年8月5日)

ソーシャルメディアを最大限に活用するには最終ユーザーの満足を高めるためにどうすべきかをもう一度改めて問い直すことが必要である。最終ユーザーの満足から逆にビジネスモデルを作り上げるリーバースエンジニアリングの思考が求められる。

2010年8月18日水曜日

「ゲイリーの稼ぎ方 ソーシャルメディア時代の生き方・考え方」書評コメント

 仕事柄、ソーシャルメディア関連の本にはかなり目を通すが、私の一番のお薦めは、「ゲイリーの稼ぎ方」。単純だけど奥が深い・・・最強の戦略書。この2〜3年のこれからの日本の変化を考えると一番役立つ本と断言できる。

内容は単純な3つの公式からなる
①ソーシャルメディア=ビジネス
②パーソナル=ビジネス=自分ブランド←自分らしさ
③コンテンツ→口コミ→コミュニティ→金のなる木

あらゆる人と人との会計で成り立つ全ての産業がソーシャル化の影響を受ける。ほとんど全ての産業だ。また、この時代にはパーソナルもビジネスもなく、自分があるだけ。自分らしさを貫く方が成功する。人に有益なコンテンツを作ると、口コミで広まり、コミュニティを作ることができると金のなる木になる。

日本ではこの最強の戦略で刈り取れるビジネスがいくらでもある。

2010年8月17日火曜日

ソーシャルゲーム業界の戦争勃発、まだ勝負はついてはいない

7月末のユーザー数で、グリーは2125万人、mixi2102万人、DeNA2048万人と、グリーがSNS最大のユーザー数となった。ソーシャルゲームのオープン化では出遅れたグリーが急速に追い上げた形となった。通常はプラットフォーム間の競争はデファクト化の論理が働くので先行有利となるはずだが、現実はそうなっていない。それはなぜか?

理由は2つある。
1つ目の理由は、もともとのプラットフォーマーのユーザー層の違い(年齢層、ゲーム好き層の多さ)。この点で、グリーとDeNAはmixiと比較して有利であった。

2つの理由はまだ実はプラットフォーム間の勝負はついていない。ソーシャルゲームのプラットフォーマーには2つの顔がある。プラットフォーム運営会社としての顔と内製ゲーム制作者(SAP)としての顔。現在はまだソーシャルゲームの黎明期でありSAPとしての顔がDeNA、グリーで大きくなっている。今後、ソーシャルゲームが拡大するとよりプラットフォーマーとしての顔がより重要になっていくはずである。SAPの競争優位期間はプラットフォーマーの競争優位期間と比べて短命である。

というわけで、プラットフォーマーで有望なSAPの囲い込み戦争が勃発している模様。

2010年8月16日月曜日

つぶやき進化論〜「140字」がGoogleを超える! 感想コメント

感想とコメント

元の題名はSocialnomics。筆者はこの言葉で、「普通の人が主役の経済がやってきた。その変化の基盤となっているのがソーシャルメディア。ソーシャルメディアはみんなのためにある」ということを言い表している。全く新しい世界規模のリファーラルシステムによって、ムダな広告や仲介業者が排除される。情報は膨大でも整理しやすいから大丈夫な時代となった。

ここからは私の意見だが、

グーグルを用いてベストを追求する時代から、Facebookを用いてベターを追求する時代へのシフトが進んでいる。

イメージで言うと、日本全国で最も売れている本の上位5冊を探すのがグーグル型。自分の友人が自分に推薦する上位5冊を探すのがFacebook型。どちらが自分にとって意味のある情報となりますでしょうか?

また、その情報を自ら探すのではなく、情報が自然に集まってくる形が今後の姿。これこそがパラダイムシフトになると思います。

2010年8月15日日曜日

ソーシャルメディアポリシーの採点:富士フィルムがソーシャルメディアポリシーを公開

富士フィルムがソーシャルメディアポリシー(SMP)を公開した。

ソーシャルメディアポリシー(SMP)とは、従業員などがソーシャルメディアを利用する際の考え方や守るべきルールなどガイドラインを示したものである。

富士フィルムのソーシャルメディアポリシー(SMP)は基本的に非常にシンプルな構成になっている。ソーシャルメディアとは何かを定義し、 富士フイルムグループの「企業行動憲章」と「行動規範」を追加することで従業員のガイドラインとし、さらに、公式な発表・見解はソーシャルメディアではなくウェブサイトで行うと利用ユーザーに注意を喚起している。

従来オフラインで用いられているグループの「企業行動憲章」と「行動規範」をオンライン(ソーシャルメディア)でも行動ガイドラインとするのは一つの見識ではある。

私は3つの観点からソーシャルメディアポリシー(SMP)を採点する。
① 従業員の行動のガイドラインが明確化するか?
② お客さん(潜在顧客も含めて)からみてもその行動ガイドラインは納得性が高く明確なものであるか? 
③ 従業員のソーシャルメディア活動をエンパワーするものであるか?

以上の観点からすると、残念ながら、富士フィルムがソーシャルメディアポリシー(SMP)5点中2点程度。この低評価は通常のオフラインの基準をオンライン(ソーシャルメディア)にそのまま持ってきた構成によるものである。この理由を今後ソーシャルメディアポリシーを公開する会社は考えてもらいたい。

2010年8月14日土曜日

マス広告に依存する日本のSNS,ソーシャルメディアの矛盾

マス広告に依存する日本のSNS,ソーシャルメディアの矛盾


SNS各社のソーシャルゲーム事業が好調に推移している。内製ゲームをもたないmixiの出遅れ感は目立つが、DeNA,グリーともに直近四半期決算では好調な決算を発表している。


SNS各社、テレビ広告を中心とした広告支出を大幅に増やしている。DeNAは前四半期40億円の広告宣伝販促費を今四半期さらに13億円増やす。グリーも前四半期27億円の広告宣伝費をさらに増やしていく方針である。


海外では、マス広告の対立軸としてソーシャルメディア広告が非常な勢いで成長してきているが、日本の場合は主要SNS、ソーシャルメディアの成長はテレビを中心とするマス広告が支えている。また、SNS内の広告もソーシャルメディア的な広告はほとんどない。この点はやや奇異な感じがしないでもない。


よく指摘されるところだが、日本のSNSの特異性は会員の匿名制が主流である。ツイッター、Facebookの普及により会員の実名制も徐々に広がりを見せつつあるとはいえ、まだまだである。


そういう意味では、日本のSNSはリアルな世界とは隔絶した「バーチャル通貨による、ゲームを楽しむ仮想コミュニティ」の感がある。リアル世界との接点を維持しようと招待制を維持していたmixiも登録制に変更した。

2010年6月27日日曜日

思考するカンパニー 熊野英介著

久しぶりに面白い本に出会う。思考するカンパンー 熊野英介著。信用信頼財団で熊野氏のお話を伺い、さらに考えを知りたくなって、アマゾンの古本で10円で入手。

このことからも、価値と価格は全く違うことがわかる。
価格は支払うもの、価値は得るものである。

工業化社会から新しい産業社会を作るためには、これまでの
利己的追求の社会から、利他的な社会へ転換することが必要である。
しかしながら、利他的な意思ははかなくもろいものななので、仕組み作りが必要とのこと。

いろいろと現在IT業界でおこっている新しいビジネスモデルの会社を考えながら読むと面白い。

2010年6月12日土曜日

ブログをスタートします

twitterを始めると、もう少し説明したいなと思うことが多くなりました。
筆無精の自分ですが、ブログをスタートすることにしました。
よろしく!!