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FOR TWOも用いた、ビジネスモデルジェネレーションのワークショップをおこなった。
この団体がユニークなのは、
このアイデア自体が、ダボス会議を主催する世界経済フォーラムの2006年若手リーダー向け会議に参加した近藤ジェームスさんらが立案し、翌年法人化した。ということで、まさにビジネスモデルから事業が始まった点である。
また、
日本のソーシャルビジネスにとっては非常に珍しいことだが、既にグローバル展開をしている。優れた、ユニークなビジネスモデルがスケールアウトを可能にしている。今の勢いをみると、今後もまだまだ成長が可能なように思う。現在の収益は1.4億円だが、10倍ぐらいまでは少なくとも可能なのではないか、と思う。
ビジネスモデルキャンバスを作成する際に、ワークショップの参加者が迷ったのは、顧客セグメントの箇所であった。つまり、「この事業にとっては顧客は誰か?」という点である。通常のビジネスではお金を支払う人が顧客であり、その顧客が一番偉い。
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FOR TWOの場合は、先進国の肥満に気にする人たちが20円を支払いヘルシーな料理を楽しみ、その20円が途上国の給食1食分に寄付される形になる。お金を支払うのは先進国の人だが、その目的な途上国の貧困に苦しむ人たちを救うことである。
では、どちらが顧客なのか?
私は、ビジネスモデルキャンバスの顧客セグメントに、この2つの顧客を並列に表記した。先進国の人がいなければ、途上国の人も救うことができないからだ。
顧客というよりもステーホルダーと表記した方が適しているように思う。
また、ソーシャルビジネスの場合はサービスの受益者とお金を支払う人が異なるケースが多い。そのようなケースをつなぐ役割を果たすのが、「ソーシャルインパクトの可視化」である。
TABLE FOR TWOの場合も、20円が途上国の1食分の給食になるという、わかりやすく説得力のある「ソーシャルインパクトの可視化」に成功したことが、このビジネスの肝であり、スケールアウトを可能にした仕掛けである。
以上を踏まえると、
ソーシャルビジネスのビジネスジェネレーションを考える際には、①顧客セグメントを顧客からステークホルダーに拡張し、②サービスの受益者がお金の支払い手ではないケースが多いケースに、ソーシャルインパクトの可視化をフレームワークに修正を加えた方がより適したものになると思う。