2011年1月5日水曜日

新しい取引モードのソーシャルデザイン

 大学院時代にかなり研究したのが、2人ともノーベル賞をとったが、ロナルド・コースやオリバー・ウィリアムソンの取引費用論である。「なぜ、企業という組織が生まれたのか? なぜ市場取引ではダメなのか?」という根本的な問題をうまく説明しているように思えた。「それは市場取引にはコストが生じるから」というコロンブスの卵的な考え方である。一見単純だが、いろいろな取引モードがなぜ生じているのかを考えるのは非常に応用範囲が広い考え方である。

 今、自分が興味をもっているのは、市場取引以外の取引モードをいかにデザインするのか社会にとって最適になるかという問題である。
 市場取引であれば、AとBの間で商品サービスの提供と、その対価としてのお金というやりとりが生じている取引形態である。
 これが寄付の場合は、AとBの間では商品サービスやお金を一方的に提供し、その代金のお金のやりとりは生じていない。プロボノもそうである。また、そのAとBの間のやりとりを第三者がみえない場合と、第三者がみえる場合でも条件、インセンティブが異なる。

うまくこの取引モードをデザインできた場合のソーシャルインパクトははかり知れないくらい大きいと思う。一つのカギはソーシャル性をどう組み込むかである。

0 件のコメント:

コメントを投稿