ノーベル平和賞を受賞した、グラミン銀行総裁のムハマド・ユヌスさんは、CSVについてこのように予想しています。
「おそらくCSVは、CSRの域をわずかに拡充した程度で終わるのではないかと見ています。つまり、本当の意味で社会問題の解決に心血を注ぐビジネスにはなりえない。」
ガーン。CSVをどのように企業にとって実現可能な概念、ツールにしようかと考えていた私にとってはショッキングな発言でした。
しかし、考えてみればユヌスさんにとってはごく自然な考え方だと思います。
ユヌスさんはソーシャルビジネスの7原則を掲げています。その原則の1つに、投資家は元本までしか回収できない。それ以上の利益は社会課題を解決するためにビジネスに再投資されるという考え方を持っています。
NPOでなく、企業でなく、ソーシャルビジネスで社会課題を解決しよう、そして解決できるという考え方には、以上の原則が含まれています。
NPOや企業という法的な形態ではなく、この原則を貫けるかどうか? 上場企業であればすごく難しいでしょう。これくらいやるメカニズムと心意気がないと社会課題は解決されませんよ、というユヌスさんのメッセージだと思います。
そういう意味では、企業のCSVはこのソーシャルビジネスの条件を全く満たしていません。
日本企業でも、グラミンと雪国まいたけやユニクロがジョイントで会社をつくって事業をやっていますが、今度どの程度成功するかが注目されますね。
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