2014年12月8日月曜日

CSV経営は株式市場において超過リターンを生み出すか?



ハーバードビジネスレビュー(HBR)の1月号はCSV経営の特集である。ここ数年、CSV特集が1年に1回ぐらい繰り返されている。

マイケル・ポーターという経営学の大家が提唱しただけに、いまだに様々な議論を巻き起こすホットな経営イシューとなっている。


たして、CSVは理想的な絵に描いた餅なのか? それとも現実可能なこれからの新しい経営パラダイムなのか?

KBSの岡田先生が「CSVは企業の競争優位につながるものか?」を論じている。私は、むしろその先を見据えたい。投資家にこのCSVというパラダイムが受容されるかどうかだ。

CSVが競争優位を生み出したとしても、投資家に超過リターンを生み出せないのであれば、投資家から支持されない。したがって、CSV経営は株式市場において超過リターンを生むかどうかが、企業が今後CSVを追求できるかどうかの条件になる。そのためには、以下のフレームワークを使うとうまく分析できる。

 私の実証結果では、CSV企業は投資家に超過リターンを生み出すことができている。ただし、超過リターンは、個々のESG項目によって大きく異なる。自然資本関係はプラスが多く、社会資本関係は逆にマイナスになっているものも多い。各業界のMateriality(重要度)、各企業のビジネスモデルのMaterialityを特定をする必要性がある。この面の定量的な分析、アプローチが今後求められていくだろう。


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