2011年5月9日月曜日

ソーシャルメディアでよく使われる指標(NPS)の5つの問題点


上図は野村総研がソーシャルCRMについてまとめたもの。

先日、Salesforceは Radian6を$326M(3 億2600万ドル)で買収した。米国ではソーシャルCRM分野が熱い。従来のCRM分野に、ソーシャルな影響をどう取り込むか、どう統合していくかはこれからまだまだ研究余地があると思う。

 ソーシャルメディアの費用対効果をどう測るかは米国マーケッターで最も悩みの多い分野である。ソーシャルメディアROIを算出する上で、顧客の生涯価値をどう測るかが最初に問題となる。

 米国でよく使われている指標はNPS(ネットプロモータースコア)である。たった一つの質問「あなたはこの製品を友人や同僚に勧めますか」をして、この回答に1〜10の得点をつけて、9〜10点を付けた推奨者の割合から、6点以下の批判者の割合を引いてスコアーにする。

ただ、このNPS(ネットプロモータースコアー)にも問題がある。ソーシャルメディア時代以前に開発された手法であり、そのままソーシャル時代に持ってくるには無理があると思う。

5つの問題点
①顧客生涯価値を算出できるわけではない

②質問は薦める意図を聞いているだけであって、実際に薦めた、次に薦めた結果が購入に結びついているかの間には大きな乖離がある可能性が高い

③これまでこのNPSは日本ではうまく機能していない

④ソーシャルメディア時代のソーシャルな影響とは、親しい友人や同僚だけでなく、誰だか知らない人のコメント、レーテイングが他人の購買行動に結びついている点にあり、その影響をNPSがうまく取り込めているかどうかは疑問である

⑤顧客生涯価値(SLV)に顧客紹介価値(CLV:Customer referral value)をどう取り込むかが曖昧である

以上の5点が挙げられると思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿