2011年10月18日火曜日

企業のマーケティングは4Pから5Pモデルへモデルチェンジが必要

マーケティングの前提の変化
企業マーケティングパラダイムの変化(4Pモデルから5Pモデルへ)



 これまでのマーケティングは4Pというフレームワークで語られてきた。言わずと知れず、4Pとは、(Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション) のことである。企業はこの4Pをコントロールすることができ、これらを効果的に組み合わせる(マーケティングミックス)することで企業はマーケティングで最大の成果をあげることができるという考え方である。

 しかしながら、ソーシャルメディア時代に、4P以外に、いやこれまでの4P以上に重要な新たな要素が生まれつつある。新たなPとはPeople(人)である。

 ソーシャルメディアを一言で言えば人のつながりのネットワークであり、自分を中心とした人とのつながりが、ネット上の人々の行動や考え、そして購買に様々な影響力を与え始めてきている。

 自分の友達がMac book Airを買ってその感想をソーシャルメディアで述べると、自分もその製品が欲しくなったり、実際に自分も購入したりする。つまり、People(人)がマーケティングを考える上で欠かせない要素になってきたのである。

 ネット上で影響力をもつインフルエンサーという人たちも存在する。例えばTwitterで何万人のフォロアーをもつインフルエンサーのつぶやきはがフォロアーのタイムラインに流れ、フォロアーの購買行動や考え方に影響力を及ぼすことになるのだ。

 しかしながら、5番目のP、People(人)を企業はこれまでの4Pのように、コントロールすることはできない。企業にとっては、コントロールすることができないものがマーケティングに影響を与えるということは脅威であるが、同時に新たな機会にもなりうるのだ。

4Pのフレームワークでは要素を組み合わせて最適化するという考え方であったが、5Pモデルでは最適化はできない。5つ目のPは企業側がコントロールできないからである。

 また、4Pをベースにするマーケティングと5Pモデルではそもそものマーケティング施策も全く異なるものになることを企業は改めて認識する必要がある。

企業は4Pモデルから5Pモデルに大きく転換する必要がある。5Pモデルに転換する上での注意点としては3点が挙げられる。

1.企業自身も、ヒューマンタッチ、人間らしくある必要性が高まっている。人には人として向き合う必要性があるのだ。

2.オープンな企業文化であることの重要性が高まっている。つながりを活かすにはオープンな形でないとつながりにくいのだ。これまでのような媒体を通じたタッチポイントだけでなく、生活者の側から様々なタッチポイントを作り出してもらう必要があるのだ。

3.ソーシャルオブジェクトを軸にマーケティングを組み立て直せ。
ソーシャルネットで人はなぜインタラクションを生んだりコミュニケーションするのか? それはソーシャルオブジェクトを媒介にする。企業は生活者の間でインタラクションを生む価値が高まっており、企業は効果的なソーシャルオブジェクトを生み出す必要性がある。

4Pをベースにするマーケティングと5Pモデルではそもそものマーケティング施策も全く異なるものになることを企業は改めて認識する必要がある。

4Pから5Pモデルにモデルチェンジできるかが、今後の企業のマーケティングの成果に大きな差を生むだろう。

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