株式会社ソーシャルインパクト・リサーチ代表パートナー。慶応大学大学院(KBS)卒。早稲田大学院環境エネルギー研究学科博士課程在籍中。証券アナリスト。持続可能な社会の実現のために、ソーシャルインパクトの評価測定、そしてソーシャルインパクトをお金にかえる仕組みを提案。ソーシャルインパクトの評価測定、インパクトファンドの運営等を事業としておこなう。Twittier:kumataku1
2011年10月20日木曜日
ソーシャルキャピタルをソーシャルメディアに活かす!?
ソーシャルキャピタルという言葉をご存知でしょうか?
社会学や経済学で使われる概念で、「社会の信頼関係、規範、ネットワークといった社会組織の重要性を説く概念で、簡単に言うと、人と人とのつながりの力のことです。
では、そのソーシャルキャピタルとソーシャルメディアはどう関係するのでしょうか?
多くのソーシャルメディアの本が出版され、企業がソーシャルメディアをどう活用すればいいかを多くのコンサルタントが説いています。しかし、最終的なアドヴァイスは、「愛されることが大切です、愛される会社になりなさい」とか、「ソーシャルメディア時代は購買決定プロセスが変わりました。共感が最初の購買決定ステップになります。共感を得なさい。その企業に対する信頼、共感が得られていないと難しい」など、結局は、実用性が低いアドヴァイスで終わるのがこれまでのオチとなっています。
私は、ソーシャルキャピタルという概念を用いることで、この辺りを変えることができるのではないか、と考えています。
一般的なソーシャルキャピタルと区別して、企業のソーシャルキャピタルをCorporate Social Capital C-Social Capital、企業ソーシャルキャピタル)と定義して考えます。
企業が共感を得られるのは、その前に、企業ソーシャルキャピタルの存在が必要になると考えます。実は、共感はフロー概念で、ソーシャルキャピタルはストック概念だからです。そして、企業ソーシャルキャピタルは、「その企業が影響を及ぼすことができる範囲の広さとその関係(エンゲージメント)の深さ」として捉えます。別の言葉ではコミュニティ力とも言えると思います。
このように定義することで、企業ソーシャルキャピタルの大きさをある程度定量的に捉えることができるようになりますし、その推移も把握することが可能となります。
方程式は、
企業のソーシャルキャピタル(ストック)→共感(フロー)→ソーシャルグラフやインタレストグラフで伝播される→影響力(購買、長期的な収益)(フロー)という流れになります。
いかがでしょうか? やる気になれば、違う企業同士の、共感指数/ソーシャルキャピタルを比較することもできると思います。
つまり、企業の提言としては、共感を増やしなさいではなくて、企業ソーシャルキャピタルをこういう方法によって、範囲をこういう形で増やし、エンゲージメントをこのレベルに増やしなさい、という形になり、より具体的な戦術を考えることが可能となります。いずれも、フローではなく、その元のストックを捉えるところがポイントになります。
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