2011年10月17日月曜日

カスタマーサービスとマーケティングの融合

マーケティング前提条件の変化
カスタマーサービスとマーケティングの融合



企業の中には、自社のTwitterアカウントでカスタマーサービスを行う企業も増えてきた。お客さんからの問い合わせをTwitterで受け付け、それに対して、他の人にも見えるオープンな形で返答や対応していく。このようにソーシャルメディアを介したカスタマーサービスが普及するにつれて、カスタマーサービスとマーケティングの境界は融合していくことが予想される。
 
 オープンな形で対応するので、カスタマーサービスの対応がいい企業にはファンがついたり、口コミによって評判が広められたりする。その結果、新たな顧客ができたり、リピート率が高まったりする。これはまさにマーケティングそのものだ。

最近では、ソーシャルメディアの先進的な企業の中にはアクティブサポートを提供する企業も見られるようになった。アクティブサポートとは積極的に自社がソーシャルメディア上でどのように語られているかをモニタリングし、場合によってはその語っていた人にアプローチし語りかけたり、不満を解消したりすることである。従来のカスタマーサービスは顧客から電話やメールでの問い合わせに対応する受け身にすぎなかったのに対して、アクティブサポートはまさに積極的に、リアルタイムに企業から顧客に語りかけ問題を解決する点に特徴がある。

 USではザッポスやジェットブルー、コムキャストが有名であり、国内でもブックオフオンラインやソフトバンクモバイルがアクティブサポートアクティブサポートを提供している。必ずしも、全ての企業に向く万能の方法論ではないが、顧客とのゆるいつながりを積極的に企業の資産に転換しようとするものであり、ソーシャルメディア時代のカスタマーサービスとして一考の価値はあるだろう。

 米国ザッボス社はソーシャルメディアをうまく活用している企業として知られている。ザッポス社は広告をほとんど出さずに、カスタマーサービスを非常に重視する。圧倒的なカスタマーサービスにより、顧客体験をデザインし、顧客を驚かせるくらいの対応をする。そのような対応に接したお客は、そのことをソーシャルメディアで発信してくれる。この好循環によって、ザッポス社は急成長した。

顧客との個人的なつながりを作り出すことが同社にとって重要な資産、投資となることを見抜いたのだ。カスタマーサービスを充実されることで顧客は積極的に口コミしてくれる。顧客のポジティブな口コミを増やすことこそがマーケティングである。

以下、ザッポス社CEOトニーシェイの言葉
この何年も、ザッポスの成長の一番の原動力となっているのがリピーター顧客と口コミです。

広告にはほとんど費用をかけずに、その費用をカスタマーサービスと顧客体験に投資し、私たちに代わって顧客に口コミでマーケティングを担ってもらおうというのが私たちの哲学なのです。

情熱的な人々や口コミが生んだ利益は、最初は目に見えません。しかし、時間が経つにつれて、その投資は何倍にもなって戻ってきてくれるでしょう。

私たちは顧客生涯価値を流動的なものと見なしており、あらゆるやり取りを通じて、顧客の心の中に私たちとのブランドとのよりポジティブな絆を作り出せば、顧客生涯価値は向上できると考えています。

私たちにはマニュアル原稿がありません。私たちは、顧客と個人的なつながりを育むことができるように、電話でのやり取りではいつもオペレーター各自が自分本来のパーソナリティを発揮してほしいと願っています。

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