株式会社ソーシャルインパクト・リサーチ代表パートナー。慶応大学大学院(KBS)卒。早稲田大学院環境エネルギー研究学科博士課程在籍中。証券アナリスト。持続可能な社会の実現のために、ソーシャルインパクトの評価測定、そしてソーシャルインパクトをお金にかえる仕組みを提案。ソーシャルインパクトの評価測定、インパクトファンドの運営等を事業としておこなう。Twittier:kumataku1
2011年10月13日木曜日
マーケティングに求められる新たなケイパビリティ(資源、能力)
企業のマーケティングの主戦場が、マスメディアからソーシャルメディアに移るにつれて、企業に求められるマーケティグのケイパビリティ(資源、能力)にも大きな変化が生まれつつある。
マスメディアのマーケティングにおいては、資金力、媒体を押さえるネットワーク、資金および人的資源を有効に配分する調整力などが重要であった。
しかしながら、ソーシャルメディアのマーケティングにおいてはそのようなケイパビリティはもはや必要ではない。
ソーシャルメディアマーケティングの「7つのステップ」で示したように、魅力的なコンテンツを定期的に発信して、顧客、および顧客間にインタラクションを生み出し、エンゲージメントを高めていくことが基本である。
そのためのケイパビリティはあたかも雑誌の編集者のようなものである。魅力的なコンテンツを見つけ出したり、自ら作り出したり、それを編集して、発信して、読者の興味を引き、口コミを増やすという流れだ。
ソーシャルメディア時代は全ての企業がメディアカンパニーの側面を持つようになり、編集者のような振る舞いが求められている。このケイパビリティを自社で養成するのか、外部からの人材を採用して保有することが企業にとっては喫緊の課題になっている。
米国においては、ソーシャルメディアが普及すると、まずコミュニティマネジャーという役職が生まれた。現在、新たなCEOが必要だと言われている。CEOとはChief editorial managerであり、会社が発信するコンテンツを編集するのを統括する人のことだ。これも、ソーシャルメディィア時代に企業がメディアカンパニーとしての側面を持ち始めたことを示唆している。
現状、日本の企業のソーシャルメディア担当をIT担当者に兼任させているケースが多いが、IT担当者が編集者のような素養、能力をもつケースはそれほど多くはなく、このことも日本企業のソーシャルメディアマーケティングがうまく機能していない一つの要因になっていると推察される。
新たな葡萄酒には新たな革袋が求められるのである。
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