ソーシャルメディア時代の消費者の購買決定モデルとしてCETAモデル(セータモデル)を提唱したい。このモデルは4段階のステップに分けられる。
①C(Context)コンテクスト作り→②E(Engagement)エンゲージメントを深める→③T(Trust)信頼→④A(Action)購買などのアクション
ソーシャル時代の特徴としては、コンテンツ(情報)よりもコンテクスト(文脈)の重要性が高まってきたことが挙げられる。
モノやサービスを購入する上でも、自分が知りたい情報を入手する上でも、ソーシャルグラフという人間関係のコンテクストの重要性が高まった。
コンテクストを伴わない情報は結局のところ影響力が低いものとなる。その最たる例が検索である。検索は自分が知りたいことや買いたいモノとページランク(閲覧数ランクおよびリンク数から計算したグーグルが判断するサイトの有用性)を結びつけるが、それは往々にして自分にとっての有用性とは一致しない。
機械のアルゴリズムに代わり、ソーシャルグラフという人間関係のコンテクストが、一般的な情報と自分が求める有用な情報を選別するフィルターになってきているのだ。また、情報(コンテンツ)が影響力を持つかは、その前にどういうコンテクストにあるかによって大きく異なる。
CATAモデルとSIPSモデルと対比して、その有用性を考えてみたい
SIPSモデルは共感が第1ステップに入っているが、共感の前にはその共感が流れるコンテクストが必要になる。CETAモデルはその点を明示的に示した。この部分は消費者の購買決定モデルの中で最も重要な部分であり、省くことはできないのだ。また、企業にとっても生活者とのコンテクストをどう作るかこそが、ソーシャルメディアのマーケティングの重要な課題となる。
第2ステップはエンゲージメントの段階である。コンテクストは弱いコンテクストから強いコンテクストまで幅がある。第2ステップでは、エンゲージメントのステップを入れて、コンテクストを深めるプロセスを取り入れた。強いコンテクストと弱いコンテクストでは購買確率に大きな差が生じるからである。企業はこのエンゲージメントをどう深めるかが非常に重要なステップとなるのだ。
第3に、エンゲージメントが深まると、企業と生活者はトラストの段階に至る。そして第4に、トラストから購買段階への移行がある。
以上のステップは階段型であり、ステップを飛ばすことはできない。それぞれがアクション、購買に至るまでの道のり、購買の確率の違いを示すと捉えると理解しやすいだろう。
モデルの有用性は、その現実、現象の説明力と、現実の応用可能性から判断されるべきだろう。
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