2012年6月8日金曜日

日本の家電産業の敗因 ソニーはアップルではなくディズニーから学ぶ点が多い


 日本の家電産業を考える上で、「何故、ソニーはアップルになれなかったのか」と問人が多いが、私は「何故、ソニーはディズニーになれなかったのか?」とい問いから、アプローチしてみたい。


 資本主義2.0と資本主義3.0ではメーカーもその根本的な設計思想、企業のOSとも言うべきものを大幅に入替えなければならない。企業の設計思想が異なるからだ。


 日本の家電産業のプレーヤーはまだ資本主義2.0の段階に留まっている。ただし、そこに留まる限りは明日の展望はみえてこない。いつまでたっても夜明け前のままなのだ。


 家電産業に最も影響を与えた環境変化は、アナログからデジタルの変化である。これが、企業のアーキテクチャー、最適戦略に根本的に影響を与えている。


資本主義2.0と資本主義3.0を対比すると、図表のようになる。




 今後の戦略フォーカスは、正の外部性をいかに企業内部に取り込むかが重要になる。企業の境界、範囲を線引きし直す必要があるのだ。この面で最も参考になるのは、アップルではなくディズニーなのだ。ディズニーは様々な相手とコラボレーションを臨機応変に組み替える。そのコンピタンスがものすごく洗練し、価値創造に貢献しているのだ。

例えば、美女と野獣はミュージカルに、トイストーリーはゲームに、リトルマーメイドはテレビ番組にという具合である。

 また、企業の成功基準は企業ソーシャルキャピタルとすることだ。株主のみならず、ステークホルダー全体の価値を高めるソーシャルイノベーションを起すことが戦略の要となる。

アップルにあってソニーにないものをねだるよりも、ディズニーにあってソニーにないものを認識し、そのコンピタンスを養うことが、ソニーの明日をつくることになるだろう。

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