2010年10月13日水曜日

企業がソーシャルベンチャーから学ぶ点

 フローレンスのケースを勉強したときに、ソーシャルベンチャーを通常の企業と同じフレームワークで分析していいのか迷ったことがあった。私はやっぱり異なるフレームワークを採用すべきだと感じた。

 ソーシャルベンチャーと営利企業とどう違うのか? 明確に答えることは難しいが、単純化すると組織の目的関数が異なるのだと思う。営利企業の場合は株主利益の最大化が基本原理である。最終目的関数が株主利益だとしても必ずしも顧客利益や従業員利益が切り捨てられるわけではない。あくまで株主の残余利益を最大化を図るということである。この過程で社会的な損失が生じてもそれは最大化する目的の中には含まれていない。

 ソーシャルベンチャーの場合はどうか? 社会利益を含めたステークホルダー全体の利益の最大化を図る。

 この目的関数の違いによって、2つの組織の振る舞い方はだいぶ異なる。民間の会社と役所が異なるように、企業の制約条件と目的関数の違いによって、行動は全く異なるものになる。
現在ソーシャルベンチャーが注目されるのは、サステナブルな社会を作る上で、ソーシャルベンチャーのあり方は通常の会社にも参考になる点があるのだと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿