2012年10月11日木曜日

マイケル・ポーターのCSV経営を実現するには?

 マイケル・ポーターは「これからの企業の目標は単に利益を生み出すだけでなく、共通価値(経済的便益+社会的便益)を生み出すこと」と定義した。

では、どうすれば、このCSV経営を実現できるだろうか? 

そのためには、社会的便益も含めた費用対効果を測定する新しいモデルを持つ必要があるのだ。これができないと、結局は絵に描いた餅になる。マイケルポーターもこの点を最近の論文では認めているところだ。

では、簡単なモデルを作って、投資対効果を考えてみよう。
 
 ポーターのCSVのフレームワークを使うと、CSR投資は、経済的便益と社会的便益を生み出すことになる。簡単なモデルを作ると下図のようになる。

その流れを整理してみよう。CSR投資は以下の3つの流れで価値を生み出す。
CSR投資が社会的便益を生み出すケース
❷ CSR投資が経済的便益を生み出すケース
❸ CSR投資が社会的便益が経済的便益に転換されるケース

 通常のCSRは❶のケースが大半を占める。受動的CSRと定義されるものだ。つまり、社会にいいことをやり、社会的便益を生み出すが、経済的便益を生み出さないケース。このケースでは、経済的便益と社会的便益がトレードオフの関係にある。

 ❷+❸を両方生みだすケースもある。これは、戦略的CSRと定義されるものだ。例えば、ウオルマートが包装を減らすと共にトラックの配送ルートの見直しによって1億マイル短縮して2億ドルのコスト削減に成功したような事例である。

 以上の社会的便益の算出は、私が開発したソーシャルインパクト指数を用いれば簡単に計算できる。経済的便益は通常の経済計算で対応可能である。

 比較的算出が難しいのは❸のケースである。CSR投資によって、ステークホルダーの好感度や信頼が高まり、将来の顧客開拓や製品購入を増やす場合である。この便益を算出するには、社会的便益が経済的便益に転換される経済モデル構築が必要がある。これは、私が開発した、企業ソーシャルキャピタルモデルで計算することが可能だ。

 つまり、ポーターのCSVの費用対効果を計算することは既に可能なのだ。

 さらに話を進めると、これらの経済的便益と社会的便益を生み出すことが、どの程度、自社のミッションを強化するかという観点からも考える必要がある。この自社のミッションをどの程度強化するかが定量化が難しい場合の判断基準の一つになるだろう


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