ソーシャルファイナンスって何? という人もまだ多いと思う。いろいろな人がいろいろな意味で使い、一義的な定義が定まっているわけではない。
よく使われるのは、アイルランド政府報告書の「金銭的収益と同様に社会的収益もしくは社会的配当(=ソーシャルリターン)を追求する機関によって提供される金融活動」という定義である。
実はこの定義はお金を出す目的によってソーシャルファイナンスを定義していることから多分に曖昧性を有している。目的はその主体しか把握できないし、目的は複数にわかれるケースが多いからだ。
例えば、ソーシャルレンダリングの日本のパイオニアの(株)maneoの場合はどうか? 個人と個人を結びつけるP2P金融仲介サービスだが、高い利率で決まっており、お金の出し手は金銭的収益を目的とし社会的な収益の投資ではない。では、(株)maneoはソーシャルファイナンスに入らないのか? しかもその目的は外部の私が比較的高い利率で決まっている事実から推測したものに過ぎない。
そもそもお金の出し手と受け手をつなぐ金融仲介機関は、極端なことを言えば仲介であって、投資目的は関与しないと言うこともできる。
したがって、ソーシャルファイナンスを目的で定義づけることは混乱のもとになる。このため、ソーシャルファイナンスを定義できる人がいないのだ。
私は、目的ではなく機能的アプローチによってソーシャルファイナンスを分類し直すことを考えている。
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