2011年4月7日木曜日

トリプルメディア論の再考!?




メディアの分類方法として、有名なトリプルメディア論がある。①ペイドメディア(Paid Media)、②オウンドメディア(Owned Media)、③アーンドメディア(Earned Media)の3分類とする考え方。それぞれ、①お金を払って購入するメディア、②自社サイトなどのメディア、③ソーシャルメディアを意味している。

メディアの機能役割が複線化、複雑化する中では、この3分類ではなかなかうまく整理しきれないと考える人が増えている。

マッキンゼーはこの3分類に加えて、Sold Media、Hijacked Mediaを加えて5分類を提唱。
Sold=Your company invites other marketers to place their content on its owned media.
Hijacked =Your company’s asset or campaign is taken hostage by those who oppose it.

また高広氏はユーザー主導型メディア(USER INITIATIVE MEDIA)を加えて、4分類にすることを提唱している。

 この定義の問題点は機能分類ではない点だ。大きくは、企業が広告するのにお金がかかるかかからないかという、企業側からの分類に過ぎない。(このため、実例を図式化すると、簡単にある集合の中にまた別の集合が入る形となる)

もちろん、それぞれのメディア特徴を生かして、消費者・生活者の消費行動スタイルを考慮して、メディアを複合的・複線的に組み合わせて広告効果を最大化するという考え方自体は正しい。

成功事例ではFordの例があげられる。昔はペイドメディア中心だった時は打上げ花火型だったのが、オウンドメディア(Owned Media)、アーンドメディア(Earned Media)を組み合わせることで、製品発売前から関心をじょじょに高めて、ペイドメディアで打上げをして、発売後もアーンドメディアを駆使することで、潜在顧客の関心を持続することができ、予約と販売の比率は従来のケースの10倍に達した。

注意点は、メディア配分を支出で考えてはならないということだ。重要度と支出は既に大幅に乖離している。また、潜在顧客の関心(Attention)を如何に引きつけていくか、どういう引きつけ方が顧客満足、最終購買に結びつくかのコミュニケーションデザインという考え方が重要となる。そして、エンゲージメントの異なる潜在顧客に対して、メディアを複合的・複線的に組み合わせることで、その階段(Ladder of Engagement)をあがらせることで、最終的にどれだけROIを高めることができるかである。

今後、このメディアをどう組み合わせて効果を最大化していくかの試行錯誤が続くと思う。また、クライアントの関心が非常に高いテーマである。

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