2011年9月26日月曜日

ソーシャルインパクト、雑感

ソーシャルインパクト分析

あるNPOのプロボノの最終報告会に参加。教育のソーシャルインパクトの数値化に挑んだ意欲的な報告会だった。

 事業の社会的なインパクトを分析することは、ソーシャルベンチャーにとってだけでなく、一般の営利企業にとっても必要なものだ。東京電力の例をみるまでもなく。社会にどういう効果、外部性(プラスもマイナスも)をもたらしているかを把握することがますます求められている。負の外部性をまきちらすことは社会から許されない。

 既に外部性を内部化する時代に入っていることを認識すべきだと思う。そのためには、正しくステークホルダーを把握して、その社会へのインパクトをどう測定するか、正しい方法論をみにつける必要がある。

報告会で感じたことや考えたこと。

■社会的なインパクトを数値化するのは確かに意義あるが、数値化にこだわりすぎて会社のミッションとの関係を失うと本末転倒になる。→ソーシャルインパクトの分析も、会社のミッション実現のツールと心得る

■数値化以前に、社会的なインパクトを出すには、そもそも、効果の因果関係がないといけない。まずはそれを言葉で説明して、人を説得できることが先→ロジックモデルで、経営資源→活動→ステークホルダーへの短期・中期・長期の効果→ビジョン・ミッションのフローを作る

■社会的なインパクトの数値化は、一言で言うと、社会への、ステークホルダーに対する限界分析である。限界的な差、自分たちがいなかったら実現していなかったことと、自分たちがやったことで実現したこととの差、つまりは本質的な社会に対する存在意義を明らかにすることである。→ソーシャルインパクトを考える上で、ドラッカーの次の問いが最も示唆に富む。「もし自分にしかできないことで、成功すれば重大な変化をもたらすことになるとすればそれは何か?」

■社会的なインパクトをはかりづらいのは、①因果関係が複雑、②効果があらわれるのに時間がかかる、または、③実はユニークなことをやっていないから、という見方もできるかもしれない。→特に、③の可能性が高いので、どこをターゲットにどういう活動をするとレベレッジが高まるかにインパクト分析する必要がある。

今後、ソーシャルインパクト分析法を、ステークホルダーへの説明責任を果たしたり、活動のアピールだけでなく、意思決定の質を高める切れる道具にしていきたい。

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