2011年10月7日金曜日

マーケティング前提条件の変化 広告の担い手の変化


マーケティング前提条件の変化
広告の担い手の変化(企業から→顧客、顧客間へ)


 ソーシャルメディア時代のマーケティングの変化の一つに、「広告の担い手の変化」が挙げられる。これまでの常識は、広告は企業がおこなうものであった。しかしながら、今や、それが非常識、少なくとも非効率になりつつある。

 図をみてもわかるように、企業が自ら発信する広告の信頼性は低下している。

信頼できる情報源として、一番に友達、次に家族、ネットでの商品レビューという順番である。つまり、企業が発信する情報よりも、信頼できる友達や家族、そしてその商品を購入した知らない人の意見の方が影響力は高くなりつつあるのだ。

 今後、さらにソーシャルメディアが普及すると、このトレンドはますます強まることが予想される。広告は企業がやるものという大前提が崩れつつあるのだ。企業は、広告費を増やすよりも、積極的に顧客の声を活かすことを考えなければならなくなっている。

経済学に比較優位という概念がある。もともとは国家の貿易の利益を説明するのに使われた概念である。それぞれの国が他の国に比べて競争優位なものに特化して生産し、交換(貿易)することで、お互いの国がより豊かになれるという考え方である。

企業と消費者にも、この比較優位という概念を用いることができる。企業と消費者でどちらの方が広告に優位性をもっているか? 現在は企業よりも消費者である。であるならば、広告を消費者に担ってもらう方が企業の競争優位性は高まるのである。

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