2012年10月24日水曜日

社会的バリューチェーン生産性の測定


 例えば、流通業者が、自社の生産性、環境負荷などを計算したとしても、それは社会全体からするとごく一部に過ぎない。本当は、その流通業者が関わっているプレーヤー全体、社会全体のバリューチェーンの生産性、環境負荷などを考えないといけないと最適化はできないのだ。ウオールマートなどの先進企業は既にそのような方向に動き出している。

 経済活動の連鎖全体のコストを把握し、その連鎖を構成する他の組織との連携のものとに、コストを管理し、成果を最大化するのだ。例えば、かつてアディダスが児童労働によって人権批判されたように、いくらCMでいいイメージを打ち出しても、生産過程のバリューチェーンで不適切な行為があれば、イメージもダメージし、売上にも影響を及ぼすのだ。

 ただし、そのためには、バリューチェーン全体のプレーヤーから情報インプットを提供してもらう必要がある。これは言うほどには易しくはない。

 今後、会計分野でも大いに進化する必要があると思うのが、この社会的会計、企業を所有という区分を超えた枠組みでの生産性をどう測定するかというテーマである。

 個別企業の最適化から、社会全体の最適化にどう移行できるかは、持続可能性を考える上でも非常に重要なテーマとなる。

 ソーシャルインパクトを測定する際にも、この社会全体のバリューチェーンを考えることが実は非常に重要なのである。そのためには、企業という枠を超えた、社会会計、共通のルール作りなどが必要となる。

0 件のコメント:

コメントを投稿