2014年12月3日水曜日

非財務情報は投資にどの程度有効か?

  今、非財務情報と財務情報の関係、また、非財務情報と企業価値との関係をTOPIX(1832社)のビッグデータ解析をして、モデル作りをしています。

 一般的には、いわゆるESGは社会や環境に良くても、企業価値、株価にはそれほど影響を与えないか、むしろマイナスに作用するのではないかと思われている人も多いのではないかと思います。しかしながら、今回のビッグデータ解析ではその予想を大幅に覆す結果になったので、非常に面白いです。

一例を挙げると、
TOPIXでROE7%以上の銘柄に5年間のモデル投資ポートフォリオを作って投資すると、

5年間の累積トータルリターン
:70.22%
TOPIX:86.66%
実は、 ROE7%以上の超過リターンはマイナス16.43%でした。

これに対して、
CO2排出効率の高い企業を独自のKPIでセレクトし上位50社加えると、
トータルリターン:135.42%
TOPIXリターン:86.66%(同じ)
超過リターン:48.66%
と大幅に超過リターンを生み出しました。



 この結果が意味していることの1つは、ROE
という公開情報だけでは超過リターンを得ることが難しく、CO2排出効率という非財務情報、かつその情報をまた投資家が十分に活かしていない非財務情報を活用することが、投資リターンを高めていく上で非常に有効であることを示しています。

 投資に有効である非財務情報、自然資本関係で12個、社会資本関係で8つ、発見することができました。こういうデータをたくさん蓄積していくと、持続可能投資研究所みたいなものが出来そうです。

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