2010年10月6日水曜日

ソーシャルビジネス:成功の基準は?

社会起業ケーススタディの事前質問の1つ。
「フローレンスの成功要因は何か? フローレンスは成功していると考えられるか? 何をもって成功を評価すべきか?」

 社会起業の成功の基準を何と考えるか? これがいつも議論の混乱を生む原因の一つともなる。以前、ダイヤモンドの特集でビジネス側の人たちが社会起業家に否定的な見解をしたことがあった。その原因も実はここにある。

ビジネス側の人たちの成功基準は業績、売上、利益、ROI、成長率など。目に見えるもの、測定可能なもの、比較可能性があるものとなる。売上が1億〜2億円で成功と評価されるのが、ビジネス側の人たちには到底理解できないのだ。

 それに対して、社会起業は社会の問題解決とビジネス性の両立を目指すとはいえ、全てがビジネス性で判断されるわけではない。より重要なのはミッションの実現可能性を高めることである。そのミッションはその社会起業組織固有のものであるとすると、他社と比較可能なのか、比較すべきかが実は難しい問題となる。

 また、「成功を考える範囲の違い」と言う問題もある。ビジネスの場合は極論すれば株主が儲かるかが成功の判断基準となる。最近はさらに修正されたステークホルダー全体という考え方も出てきてはいる。社会起業の場合は、その組織と社会を含む範囲を成功を考える範囲として捉えている。したがって、組織だけ、株主に還元する利益だけでは成功の判断はできないのだ。

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