株式会社ソーシャルインパクト・リサーチ代表パートナー。慶応大学大学院(KBS)卒。早稲田大学院環境エネルギー研究学科博士課程在籍中。証券アナリスト。持続可能な社会の実現のために、ソーシャルインパクトの評価測定、そしてソーシャルインパクトをお金にかえる仕組みを提案。ソーシャルインパクトの評価測定、インパクトファンドの運営等を事業としておこなう。Twittier:kumataku1
2010年10月8日金曜日
ソーシャルファイナンス:共感をよびこむことができない市場
今年IPO市場も低調だ。IPOの数もそうだが、質的にも魅力的な会社が少ない。数少ないIPOの中から粉飾会社がでる始末・・・。
VCは海外IPOに活路を見いだそうとしているが、おそらく徒労に終わるだろう。
いろいろな原因はあるが、一番大きいのは、「IPOモデル」が、社会に共感をよむことができなくなったことである。
IPOを目指して会社を興す。IPOを目指してがんばる。IPOをえさに従業員をストックオプションで採用する。そして、最後はIPOで儲かるのはオーナーである自分自身。上場後に購入した投資家は損をするのが当たり前。
このドラマの結末では1回は許せても、投資家としては何度も許すわけにはいかない。
ソーシャルな時代には社会に共感をよぶことができるかが大きなファクター。共感は利己的な行動ではなく、利他的な行動やより大きな大義(Cause)からよびおこされる。そのような共感ファクターをどこかに入れないとIPO市場が復活することはないだろう。
仕組みとして、株式の流動性が生じるものであっても、実際には買い手、買いたいと思う人、つまり共感がいなければ流動性は担保されないのだ。結局のところ、市場経済は感情の上に基盤を築いている砂上の楼閣なのだ。
そういう意味では、私はソーシャルベンチャーに注目している。ここにどういう形で、どれくらいのお金が流れて行くかが日本の将来を決めていくのではないか?
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