2011年11月2日水曜日

クラウドファンディングの本質③

クラウドファンディング(CF)が注目される理由として以下の点が挙げられる。


アイデア段階で個人がお金を集めることができる

プロジェクトは芸術、クリエイティブ、製品の制作、何かのチャレンジでも何でも構わない。その資金をアイデア段階でお金を集めることができる。

お金の出し手が意思決定者と一致するのでスピーディにお金集めを実現できる
銀行や機関投資家のような資金仲介者ではなく、お金の出し手と意思決定者は一致している。プロジェクトとP2P型で結ばれ、スピーディに意思決定することができる。

お金の出し手に対するリターンを柔軟に設計することができる

お金を出した人に対するリターンの種類として3つある。
「寄付型」 : リターンを一切求めないタイプ(提供者に見返りなし)。
「購入型」 : 金銭以外のリターンがあるタイプ(作品やイベント招待など)。
「投資型」 : 金銭的リターンを想定するタイプ

お金の出し手はお金を出すことによってそのプロジェクトの支持・支援を社会的に表明できる。

多くのCFはソーシャルメディアと連動しており、そのプロジェクトに支援することがソーシャルグラフでつながった人などに明らかにすることができる。

集合知によってプロジェクトが実行される。

個人のお金を出すかどうかの判断の結集によってプロジェクトが実行されるかどうかが決まる。それを決めるのは個人の判断とともに集合知だ。

プロジェクトのファンディングを通じて、これまでになかったつながり、結びつき、キズナを作ることができる、
リアルなイベントなどとも組み合わせることができ、プロジェクトを通じて、コミュニティが形成される。逆にそういうコミュニティが形成されるかどうかが資金を集められるかどうかのポイントにもなる。

このようなCFで共感によってお金を集めることができるようになると、資本主義もまた別の道を歩んでいると言わざるを得ない。

共産主義は生産手段を資本家が独占することによって貧富の差が拡大することによって崩壊すると予言した。それに対して、クラウドファンディングは共感=マネーの新しいパラダイムだ。この共感は誰によって独占されるものではなく、誰でも生み出すことができるものだ。つまり、はじめて資本が市民に解放されたということができるかもしれない。

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