2012年9月20日木曜日

尖閣諸島国有化、政策インパクト評価の必要性

 野田首相は、今回の尖閣諸島の国有化に関する中国側の反発は当初の想定を超えていたと述べた。今後様々なチャンネルを通じて理解を得ていく方針である。

 重要な政策を実行する前には、その政策をおこなうことでどのような社会的なインパクトが生じるかを算出しておくことが必要だ。場当たり的に、その場の空気で意思決定をおこなうと、第二次世界大戦のような悲劇をまた生むことになる。また、様々な政策変数の感応度をシュミレーションしておくことも必要である。

 仮に、その政策変数に不確実性がある場合には、どの程度であったら意思決定を変えるべきかのか、その閾値を把握しておくことが重要となる。

 これまでのマイナスを計算すると、
中国側のデモによる日系企業の店舗、工場等の破壊 ▲200億円
中国に住む日本人の不安、不便、身の危険 ▲

 現在、デモ行動は鎮静化したといっても、中国当局が抑制したから沈静化したのであって、中国当局の意向でいつでもデモ行動は再開されるし、暴徒化する。このカードは中国にあるのだ。

領土問題が早期に決着するのが最も難しい課題だから、まだ国有化の社会的なインパクトは続いていく。

今後の予想されるマイナスは、

中国からの観光客の減少、お土産等の購入の減少 ▲

中国の日本製品の不買運動  ▲

日本から中国への輸出の減少 ▲

さらには、経済制裁の可能性 ▲

以上に加えて、中国の反日感情の悪化という、経済的価値に換算しにくいマイナスが生じている。

一番大きい分岐点は、中国の経済制裁が実行されるかどうかである。経済制裁を実行するという脅しに対してどこまで日本が耐えることができるかである。

以上のようなシュミレーションから、果たして尖閣諸島国有化を今の時期に正当化できるいかどうかは大いに議論がある。


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