2012年10月16日火曜日

ソーシャルインパクト指数の活用



 今、内閣府の復興支援型地域社会雇用創造事業のプロジェクト分析に、ソーシャルインパクト指数が活用されています。

 誰でも、わかりやすいように簡単なマニュアルを作りましたのでご活用下さい。

 ソーシャルインパクト指数はプロジェクトの社会的インパクトを測定するために作りましたが、そのプロジェクトの社会的インパクトを大きくするためにどうすればいいかを考える際のフレームワークとしても活用できることがわかりました。

 ソーシャルインパクト指数は5つの要素からなっています。プロジェクトのソーシャルインパクトをどうすれば測定できるかを考えるとともに、5つの要素を高めることで、プロジェクトの社会的なインパクトを高めることができるかを考えてみましょう。

❶社会的課題の解決(困っている人たち×深刻さ)
 主となるステークホルダーは誰か? どのくらいの母数がいるのか? その数は推移しているのか(上昇、下降)? その社会的問題が深刻化する背景、その要因を考えてみましょう。

 その社会的な課題の深刻さはどのくらいか? どのような指標でその深刻さを測ることができるか? 地域による違い、世代による違いは生じているのか?

❷社会的投資効果
 この比率が高いほど社会にインパクトのあるプロジェクトと考えることができます。売上等の経済的便益に加えて、そのプロジェクトを取り巻くステークホルダーに与える社会的便益を加える必要があります。経済的便益と社会的便益の関係(トレードオフ、両方高める関係性等)をよくみるようにしましょう。

手順
分母
ステークホルダーを挙げる
ステークホルダーの便益をあげる
ステークホルダーの便益を定量化(数×価値)してみる

分子(基本な全てのステークホルダーの投資になります)
投資を自分の団体の投資、その他の投資の分類してみる
投資を有償のものと、無償のものを分類
投資=例えば、人件費、賃料等

全体の社会的投資倍率とともに、個々のステークホルダー毎の投資対効果がどのくらいの水準なのか、ステークホルダー毎の満足度はどうかを考えてみましょう。

持続可能性の水準(有償経営資源の金額 VS  マネタイズ)も考えてみる

❸波及効果 一時的ではなく持続的な効果をどう生み出すか?

 例
  • ロールモデルを作って他の地域へ拡大
  • 主となるステークホルダーをより難易度の高いステークホルダーに拡大する
  • 仕組みを他の社会問題の解決に応用してみる
  • アドボカシーや政策に反映させる

❹スピード
 社会的な課題が解決するスピードをどのように早めることができるか?
ボトルネックはどこにあるか? そのボトルネックをどのように解消することができるか?

成果目標、成果指標(1年、2年、3年)を作り、スピードをモニタリングする。

❺基盤
この社会的課題の解決を図る、財務基盤、組織基盤、人材基盤、信用基盤、政府からの信頼などがあるかどうか? 事業活動を補完するステークホルダーを探してみる。

 注意)ソーシャルインパクト指数はソーシャルインパクト・リサーチ社の登録商標ですので、無断転載はご遠慮下さい。

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