東京駅周辺の放置自転車が問題になっています。これも、外部性の問題ですね。
この社会問題が悪化した背景は、ここ数年、臨海部でタワーマンションの建設ラッシュが続き、人口増となり、『新住民』が健康ブームやエコ志向から自転車で東京駅に通っているのではないかと予想されます。また、東京駅周辺は自転車を置くスペースの確保が難しく、行政側も駐輪場が確保できないので、一方的に放置する人たちを批判もできません。
放置する人のメリット(主に、東京駅周辺に住んでいる人で通勤に利用)
- 通勤が楽
- 通勤ラッシュに巻き込まれない
- お金がかからない
- 自分の運動と通勤を兼ねる
- 時間の節約
外部性(その他のステークホルダーにとってのマイナス)
- 歩行の邪魔になる
- 周辺店舗、駅にとっては景観的にマイナス
- 自治体側に放置自転車の取り締まりコストがかかる→そのコストは税金であり、税金の負担に
図にすると以下のようになります。
行政の取り締まりも、捕まられる確率(1%以下)×撤去費用負担(3000円程度)=期待値30円以下で、中途半端にやっても全く効果が期待できません。
この問題はどうすれば解決できるのでしょうか?
基本的には、企業の外部性の問題と同じです
企業:自分の利益+外部性(他のステークホルダーにとってのマイナスの便益)
外部性のコストを自分の利益に算入させて、社会的に最適な行動を導くことができるか?
考えられる解決策は
- 罰金を凄く高くする
- 倫理などのモラルに訴える
- 自転車を放置することで自分の評判を失うメカニズムを作る(会社に通報?)
- 境界を引き直す(→所属する会社に放置自転車の罰金を高額10万円等の罰金を課す)
- ステークホルダーがその駐輪場の権利をトレードすることができる場を作る
- 少なくとも、放置自転車の方々が感じていらっしゃるWilling to payまでは課金したいですね、
共通価値(経済的価値+社会的価値)も算出のプロセスは同じことです。
- 関係するステークホルダーを洗い出す
- 自分の会社がそのステークホルダーの影響を与えている便益を算出する
- 様々な施策毎にそれぞれのステークホルダーの便益シュミレーションをする
- 最終的な解決策を決める
その実現の有力なツールが社会的なインパクトを定量的に測定するソーシャルインパクト指数となります(笑)。皆様は、いかがお考えでしょうか?
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