今回は、ファイナンス業界が「ソーシャル化」によってどう変化しているのか、その流れについて考えみたい。
ソーシャル化によってお金の流れに劇的な変化が生じ始めている。
DeNA、グリーなどのソーシャルネットワーク上の疑似通貨、コミュニティマネーの爆発的な成長。いずれはリアル通貨との交換価値を持つかもしれない。
maneoなどのソーシャルレンディングサービス。ネット上で貸し手と借り手をダイレクトにつなげる画期的な仕組み。従来の非効率な金融システムをバイパスする流れ。
ハノイの震災時にフェースブックなどソーシャルメディアを使うことで、従来では考えられないほど金額の寄付が瞬時に集まった。
日本では寄付は文化的に難しいといわれながらも、イーココロ!やJustGiving Jpananなど次々に寄付ネットワークを立ち上げる動きが進んでいる。この寄付ネットワークが新しい社会起業家を支える仕組みとして機能し始めている。
もともと、金融機関は資金余剰主体から資金不足主体にお金を流す(資金仲介)が一つの重要な役割である。お金とともにリスクのトランスファー機能も有する。これとともに、情報生産機能、情報仲介企業も金融機関の重要な役割だが、この情報機能がソーシャル化の影響を大きく受けている。
新しい金融は、借り手の定型的なデータだけでなく、定性的なデータ、お金が必要な背景、事業に対する思いなどもリアルに伝えられるようになった。そうすると、借り手側は貸し手の共感をどう得るかが重要になってくる。
要は、これまでの無機的な金融が、ソーシャル化によって、より人間らしく、人と人とを瞬時に結びつけるシステムとして機能し始めたと言えるかもしれない。
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