2010年9月6日月曜日

社会起業家の競争って何だろう?

 1ヶ月余りにわたる公共未来塾(プログラム)が終わり、めでたく卒業。社会起業家の目的すべきものは何かということを考えてみたい。

 資本主義の競争は、その目的は株主価値の最大化である。要は株主を儲けさせるための競争。それに対して、社会起業家の競争は、様々な社会に関わる方々をよりハッピーにするための競争と言えるかもしれない。単一の経済主体のためというよりも、より大きな社会的な大義(コーズ)のための競争。
 
 どちらが経済のエンジンとして強いか? 働く人たちにパワーを与えるか? 資本主義の競争は、その目的は明確である。所有権、強いインセンティブがエンジン。ただし、所有と経営の分離によってだいぶ効率が低下した。いわゆるエージェンシーコストの発生である。経営者に一生懸命働いてもらうために多額のストックオプションを発行したり、モニタリングするために多額の監査報酬を出したり。本来、所有者=経営者の場合には存在しなかったコストである。社会起業の場合、大きな大義ということが働く人たちに大きな力を与える場合もある。また、金銭的報酬を支払わなくても、共感してくれた方々が手伝ってくれたりと、効率性が高まる要素ももっている。大義、ミッションからぶれない経営をするかがパワーの源泉となる。
 
「会社は誰のものか?」は問われ続けている問題だが、いまでもやっぱり、所有権は株主といっていいと思う。問題は、会社は誰のためにあるのかが重要となっている。地域、社会、みんなのため。

 自分を含むみんなのためであれば競争は論理的にはありえないので、「みんなのための協調、協力」ということになるだろう。この部分が本質的なところでもあり、逆に利害関係者の調整が難しいところでもある。健全なコミュニティをどう形成するか? という問題につながる。

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