ソーシャルメディア業界ではやっているコトラーのマーケティング3.0のリアリティをチェックしてみたい。
顧客(ユーザー)の感じる価値はピラミッド型になっている。
下層から、ファクト、機能ベネフィット、情感ベネフィット、パーソナリテイ、コアバリュー。わかりにくいコアバリューはユーザーがその企業とつながりを保ちたいという一体感である。
ユーザー価値はユーザーが評価判断するものである。決して企業側ではない。この前提を忘れる、もしくは前提としないことが議論を混乱させるもとになっている。
多くの企業がユーザーに以上の価値の全てを提供しようとする。しかしながら、それを決める、受け取るのはユーザーであって企業ではない。
実際は、多くの企業が提供できる価値はファクト、機能レベルにとどまっている。優れた企業が、上部の、情感ベネフィットやパーソナリテイを提供することができる。そして、本当に偉大な企業がコアバリューを提供することができる。今の日本なら、ユニクロ、ソフトバンク、日本マクドナルドなど本当に数少ないだろう。
ソーシャルメディアがいくら普及しようが、この事実はあまり変わらない。コアバリューまでを提供することができる企業はごくわずかだ。むしろ、仮面がはがされる透明性の時代にはより少ない会社しかコアバリューを提供できないかもしれない。
この辺りがマーケティング3.0のパラダイムをすんなりと我々が受け入れられない根本原因だと思う。「ソーシャルメディア時代だから、コアバリューを提供しましょう」と言っても、受け取るのがユーザー側だから、多くの企業は受け取ってもらえない。その辺りの現実を身にしみている企業が多いため、マーケティング3.0に「そうはいってもね・・・」という反応となり、すんなり乗れきれないのだ。
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