ソーシャルメディア VS ソーシャルファイナンス
明日、「最新ソーシャルファイナンス研究会」がスタートする。ソーシャルファイナンスというと、NPOバンク的なアプローチをとる方が多いが、私は、お金を仲介する業態や機関によって整理するのではなく、果たす機能によってソーシャルファイナンスを整理し直そうと考えています。売り手と借り手を結びつけるために、仲介機関がどのような機能を果たしているのか?
取引がなぜおこなわれるのか? 逆に取引がなぜおこなわれないのか? この疑問を解く鍵は「取引には取引コストがかかる」という単純なものだ。この研究したのが、ノーベル経済学賞を受賞したロナルド・コースやオリバー・ウィリアムソンだ。私の大学院での論文が、フランチャーズチェーンによって、なぜ直営戦略とFC戦略をとる違いが生じるのか? その理由を計量的に研究するテーマだった。実はこれも取引コストの経済学の応用問題なのである。
現在、社会的な事業に十分にお金が回っているとは言いがたい。つまり取引がおこなわれていない。取引コストが高いからだ。この問題は「お金の出し手とお金の受け手の間の取引コストを仲介機関がまだ十分に引き下げることに成功していない」と言い換えることができる。
どのような情報を提供すれば、また、どのような補完的なシステムを導入すれば、取引コストを下げられるか? ソーシャルメディア普及によるソーシャルグラフが信用情報の可視化を可能とし、貸し手からも意味と価値を持ってきている点も興味深い。ソーシャルファイナンスとソーシャルメディアの融合領域である。この辺りを(株)maneoの妹尾社長をお招きして、参加者とワールドカフェで意見交換してみたい。
この辺りは、間違いなくソーシャルファイナンスの最先端の研究分野で、参加者も蒼々たるメンバーとなった。ソーシャルベンチャーの経営者の参加率が高くないのが今回は残念ではあるが、世の中にこの英知をフィードバックしていきたいと考えています。
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